*** 子育ち12章 ***
 

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「第 72-04 章」


『子育ちは 一つ一つに けりを付け』


■子育ち12熟語■

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『子育ち第4熟語』

【意気投合?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第72版では,「子育ち」が獲得しなければならない必須の項目を,漢字表現に託してみます。同じことを違った表現をすると,視点が動くことによって,隠れていた面が明らかになります。乱暴な子は元気な子,内気な子は考え深い子,落ち着かない子は好奇心旺盛な子,と表現すると違って見えてきます。どこまで視点を動かすことができるか分かりませんが,挑戦することが大事です。新たな12の指標盤を楽しんでください。

《意気投合?》
 お菓子をつまんでいると,お腹が空かないので,食事の美味しさが感じられません。美味しいものをと子どもは思いますが,美味しさを感じる状態にないので,食事のせいではありません。人付き合いにおいても,中途半端なつながりだけなので,落ち着かないままに放置されています。親に心ゆくまで甘えたことがあると思い出せません。入れ替わり立ち替わり構ってもらいますが,どれも中途半端です。仕方なくスマホやケータイのつながりに依存していますが,おやつ的な一時しのぎのつながりでしかありません。

 テレビを見ていて感じることがあります。何かを伝えようとしているとき,これからというところで中断しぼかしが入り,スタジオの者だけが感心するという流れがあります。視聴者をおいてきぼりにしています。関心を引き出してつないでいくという局の思惑でしょうが,それがあなたは別というメッセージとして突きつけられます。流れを中断される疎外感に晒されると,不快を感じないために人の話を集中して聞き入れることを止めていきます。気持ちを通じ合わせることは拒否されるものと,無意識に抑制しているのです。

 親として,子どもが意気投合できるようにするためには,どのように関わっていけばいいのでしょう。もう一人の子どもが自分の周りにいる人たちと気持ちが通じ合い一体感を感じることができるような体験を持たせることです。意気投合して心ゆくまで共に過ごすことができると,つきあう喜びが完全燃焼します。その後は付き合いが途切れていても,さみしくはなりません。気持ちはメリハリによって完結するものです。満腹しないから空腹になれず,空腹になれずに,つまみ食いでしのぎ,常に落ち着かないのです。



 特別豪雨の後は特別熱天がやってきて,熱中症が話題になっています。夏は暑いものという経験を超える暑さになっています。気候の厳しさに対する備えを一人一人個人が考えていなくてはなりません。快適な環境に馴染んでいると,気温変動に対抗する身体機能が衰退しています。もう一人の自分が自分のもろくなった身体を弁えておかないと,自分を守ることができません。大人と子どもの育ちが違ってしまっていることにも注意しましょう。

★落書き★

 テレビではいろんな人がいろんなことについて語っています。下馬評という言葉があります。下馬とは,城門や社寺で,主人が馬から下りる場のことです。そこでは,供の者たちが主人の帰りを待つ間,様々な事物の批評,噂話を楽しみました。そこから,第三者が興味本位にする噂のことをいうようになりました。下馬という限られた場での話が,今ではネットという無限の場で語られるようになって,批評を温めて育てていくゆとりがなくなっています。言ったことの未完成さに気配りすることが必要です。


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