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「第 74-10 章」 |
『子育ちは 今日を励んで 明日の夢』
■子育ち12独語■
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『子育ち第10独語』
【あしたは?】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第74版では,第73版の続編として,「子育ち」をしている子どもたちが,育ちの最中に心でつぶやき続けている言葉に寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという思いを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いが子どもにきちんと伝わっていくことでしょう。子どもの自然に発露する独り言という新たな12の指標盤を楽しんでください。
《あしたは?》
友だちと楽しく遊んで,帰り際に「またあしたね」と言って手を振ります。もし,「さようなら」で別れるとしたら,悲しくなります。あしたがないというのは,つらいことです。昨日,今日,明日と日が変わっていく中で,明日は今日に積み重なったり,今日とは違う日となったり,育ちのつながりを刻む節目になります。今日の努力が明日にどう実っていくかを楽しみにできるから,今日を頑張ることができます。育ちはあしたを目指して営まれるものです。
人は他の動物に比べて脳の量が多くなって,記憶することができます。記憶するのは,今日の経験を明日に生かすことを可能にします。動物のようにその日暮らしをしていると,賢さが積み重なることはありません。明日につながる生き方ができる,それが人の英知を生み出してくれます。何を記憶しているかによって,明日の自分の在り方が違ってきます。勉強したり励んだりすることは,決して無駄にはなりません。頭を今日一日休ませていたら,明日は空っぽになるということです。
親として,子どもが「あしたは」という思いを育ちに組み込んでいけるためには,どのように関わっていけばいいのでしょう。お父さんのようになりたい,お母さんのようになりたいと,子どもが将来を楽しく思うように,背中をしっかりと見せておきましょう。ただ,親という明日はかなり遠すぎるので,今ひとつ実感にならないので,お兄ちゃんやお姉ちゃん世代の見本を見つけてやりましょう。異世代のつながりが,今日から明日への実感的モデルになります。
群馬で高2女子が,いじめで自殺したという記事が目に入りました。ネットで悪口を言われていたようですが,調査中ということです。先生が言葉を信じてくれないという苦しみを記したメモもあったようです。踏切で電車の前に立っているときの気持ちはどうだったのでしょう? 人に対して邪悪な言葉を投げかけると,電車の前に立たせる力があるということです。大丈夫だからと抱きしめてやる人が一人でもいなかったのか気持ちが痛みます。たとえ高校生になっても,まだ抱きしめてあげる人が必要な場面があります。
★落書き★
仏教の修行の苦痛に屈して退くという言葉が退屈でした。そこから,疲れて嫌になるという意味が生まれてきました。やがて,疲れるの意味合いが消えていき,ついには,疲れとは無関係に,時間を持て余すという意味になってしまいました。やるべき修行をしなくなったら,することがなくなりましたという,もとのながれにもどったということでしょう。今目の前にあることをする,することを見つける目を鍛えれば,退屈することはなく,かえって時間が足りないと思うはずですが・・・。
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