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「第 75-10 章」 |
『子育ちは 今日一日に けりをつけ』
■子育ち12発心■
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『子育ち第10発心』
【遂げよう!】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第75版では,第73版,第74版の続編として,「子育ち」をしている子どもたちが,育ちの最中に心から思わず湧き上がってくる言葉に寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる願いを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと伝わっていくことでしょう。子どもが自然に発露する宣誓という新たな12の指標盤を楽しんでください。
《遂げよう!》
逢ひみてののちの心にくらぶれば昔は物を思はざりけり。いきなり和歌が現れて場違いですが,和歌や短歌では,〜けりという終わり方があるという一例です。物事の動きについて,けりをつけると言うことがありますが,けりできっちりと終わるという和歌からの連想です。通常の振る舞いなどで,やりっぱなしにしないで,ちゃんとし終えることが大切です。いわゆる中途半端な終わり方をしていては,ことが片付きません。後片付けをするのが,明日の出発への準備になっていくという暮らしのけじめにもなります。
運動会での演技種目を練習を重ね,当日はちゃんとできて拍手を頂いて,やり遂げたという感動がやってきます。何かの目的のあることを成し遂げることが,育ちであり,生きているということです。今日より明日がより良い状況に変わっていくことを目指す,そのことが生きる希望であるなら,具体的な目標を掲げて成し遂げていく喜びが生きる意欲になります。テストで間違えたところを放置しないで,きちんと正解に辿り着いておくようにすれば,テストをし遂げたことになり,学習のけりがついたということになります。
子どもが「遂げよう」という発心を育ちに組み込んでいけるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。子どもの一日分を見積もってやります。子どもは闇雲に行動します。今日はここまでという,区切りを持ち込んでやります。夏休みの宿題という大きな仕事を,今日一日にできることだけをするように仕向けます。日々の過ごし方として,一日を振り返って「今日はあれをした」ときちんと意識する癖がつくと,やり遂げたという気持ちをしっかりと感じて頑張っていくことができます。
手のひらを開いてください。次に,人差し指,中指,薬指を折り曲げてください。親指と小指だけが起き上がって立っていますね。親指は小指の方を向いています。一方で小指は折れ曲がっている指と同じ方を向いているので,親指とはそっぽを向いています。何が言いたいのかというと,親は子どもの方を向いていますが,子どもは親にそっぽを向いているという形になっていますよ,というたとえです。実は折れ曲がっている指が問題で,立ち上がれ3本の指,子育ちの環境をつくる主役なのです。
★落書き★
酔っ払って愚かな発言をする議員が育っているようですが,育ちをきちんとしないと後悔することになります。手抜きしないようにしましょう。ところで,酔っ払うとくだをまく人がいます。糸を紡ぐとき使う小さな軸の管があり,これを糸巻きに差して糸を巻くとブウブウと単調な音を立てます。それが酔っ払った人が不平などをくどくどという様子に似ているそうで,管を巻くという言い方が生まれたそうです。糸巻きをしている奥さんが,ご亭主の不平タラタラを聞きながら,管に似ていると聞き流していたのかも?
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