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「第 76-01 章」 |
『子育ちは 今があるから 明日開く』
■子育ち12動心■
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『子育ち第1動心』
【自らを知る!】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第76版では,第75版の続編として,「子育ち」をしている子どもたちが育ちに向けて心を動かそうとしている言葉に寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる衝動を12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと伝わっていくことでしょう。子どもが思わず向かっていかざるを得ないと心を震わす新たな12の指標盤を楽しんでください。
《自らを知る!》
ぼくとかわたしとか,自分を差す言葉を言っているのは,誰でしょう。自己紹介をしているのは,誰ですか? 私って○○する人と,私のことを噂しているのは誰でしょう。もう一人の自分がいて,自分を見て知って語って動かしてくれています。疲れた自分に,もう一人の自分がもう一頑張りしようと背中を叩いてくれます。もしも,もう一人の自分が高望みをして,自分はダメな人間だと思っていたら,育ちは滞ることでしょう。もう一人の自分がありのままの自分を知って,共に育っていくようにしましょう。
面接の場で尋ねられる質問に,「自分の長所と短所を話してください」というものがあります。親は子どもの長所よりも短所をたくさん見つけて,もう一人の子どもに吹き込みます。繰り返し言われていると,そういう親が見る眼をもう一人の子どもが受け入れてしまいます。親にすれば,今のままでは駄目だから,よくなるように頑張りなさいという励ましのつもりであるのでしょうが,育っている子どもは今がダメと言われたら育つ気が無くなります。今の自分を認めなければ,育っていけないのです。
子どもが「自らを知る」という動心を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。今の子どもの姿をありのままに認めることです。長所とか短所という判定をするのではなく,今の育ちを見て認めるようにします。もう一人の子どもは,その親らしい目線を会得して,自分を素直に知るようになります。子ども時代という未完成な自分を未完成なままに見ることができるから,育っていくという楽しみが生まれてきます。育つことは楽しいこと,そう思うことができたら何よりです。
地元の自治公民館で毎年恒例のPTAによる地区集会にお招きをいただいています。小学校の学校評議員をお引き受けしているご縁に拠ります。一言お話をする時間をいただいています。今年になって特に話題になっている虐待について,知らないうちに虐待になってしまわないためにと,「押しつけは虐待の始まり」という一言をお話ししておきました。親はしつけのつもりでも,子どもからはおしつけと受け止められるなら,その一線から虐待はすぐですというチェックの一言です。
★落書き★
お手伝いをする気が有るの無いの,という声が頭上から降ってくると,子どもからはうやむやな返事が返ってきます。あるのかないのかはっきりしないことを,漢文調で表すと,「有り耶無し耶」となります。漢字だけにすると「有耶無耶」となり,さらに平仮名にすると「うやむや」となり,曖昧なさまを言うようになりました。平仮名で書くと何となく曖昧さを感じさせる響きとして受け止めていましたが,実はしっかりとした格調のある表現だったのですね。見直しました。
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