『子育ちは 日々の経験 着実に』
■子育ち12心算■
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『子育ち第12心算』
【早いつもりで遅いのが成長 遅いつもりで早いのが退行!】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から考察しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視です。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると12の論点が生じ,これが羅針盤の針路構成となります。
この第77版では,「子育ち」をしている子どもたちが育ちに向けているはずの心づもりに寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる積もりを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちの育ちの現実に寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと重なっていくことでしょう。子どもがなんとかして向かっていこうとする心づもりを理解する新たな12の指標盤を楽しんでください。
《早いつもりで遅いのが成長!》
日日の栄養成分に配慮した食事を与えると,子どもの身長や体重はみるみる増えていきます。1年経つとその成長の幅をはっきりと柱に刻むことができます。ところで,知恵の方はどうでしょう。いつまでもちゃんとできない,頼りない子どものままです。それでも,参観の際に1年前に我が子がいた教室を覗くと,そこに1年前の我が子の姿が見えて,今の我が子が成長していることに気がつきます。いつまでも子どもと焦らず,着実に成長している子どもを認めてやれば,子どもはがんばることができます。
《遅いつもりで早いのが退行!》
子どもの育ちには課題の適時性があります。例えば,学校の授業には各学年毎に課題が設けられています。1年生には1年生がクリアしたい,クリアすべき課題があり,そこを成し遂げて次のステップに育っていきます。授業だけではなく,遊びや日常の生活についても,育ちに応じた経験という課題があります。ところで,ゲームなどのおもしろいこと楽しいことに囲まれている子どもが,無頓着に楽しい時間ばかりを過ごしていると,適時な課題を未経験になり,結果的に退行となります。常に前進するのが成長です
子どもが「成長を目指し退行に引き込まれない」という心算を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。身体は食糧から栄養分を取り入れて成長するので分かりやすいのですが,知恵や心は豊かな経験や学びから取り入れていきます。習い事やお稽古事も必要ですが,生活上の経験ができる余裕は確保してください。人とのコミュニケーションは近所の大人と会話できるという経験などによって自信のあるものになっていきます。子どもは人々の中での日常の経験の豊かさで育っていきます。
どうしてできないの! 尻を叩いて強いる,それは体罰であり,しつけではありません。親が居なければできない状態にすることになります。子ども自身が意欲を発揮してできるように育てなければなりません。親としてつい強いてしまうのは,育ちという時間のおっとりさが待てないせいでしょう。親の忙しさを押しつけてはしつけにならずに,体罰になります。「しつけ」のつもりで「おしつけ」になっています。親への育ちもおっとりと進んでいるので,一緒に育ちましょう。
★落書き★
子どもたちにはうれしい10日間です。まずは,学校が終わってクリスマスがやってきます。トナカイがプレゼントを運ぶサンタクロースの手伝いをしてくれます。トナッカイというアイヌ語を江戸時代に司馬江漢という学者が随筆でトナカイと紹介し,以後,その名で呼ばれるようになりました。ソリ引きなど古くから家畜として使われたことから,漢字では馴れた鹿,馴鹿と書きます。英名では,Reindeer,Caribouと呼ばれています。
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