*** 子育ち12章 ***
 

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「第 79-06 章」


『子育ちは 言葉の糧を 摂取して』


■子育ち12覚悟■

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『子育ち第6覚悟』

【言葉を紡いで理解しよう!】

《まえがき》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視座です。また,2つの領域とは,自分の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の基本的な針路構成となります。
 この第79版では,子どもたちが育ちに向っていく上で持ってほしい覚悟について考えてみます。育ちたいという心積もりをどのような形で実践していけばいいのか,12の指標に整理をすることで,子どもたちの育ちの全体像を描いていきます。心豊かな子に育ってという親の願いに対して,子どもは自分はどうすればいいのと問いかけてきます。それなりに指導や助言をすることになりますが,それだけで十分か,他に言っておくことはなかったかと迷うことがあります。全体を見渡す指標として参考にしてください。

《言葉を紡ぐ!》
 情報社会といわれる中で,人はより豊かな世界に生きていると思っています。しかし,視聴覚情報偏向の世界は,身体健康における偏食気味と同じ,人の成長にとっては不都合になります。人は5感による情報をバランス良く摂取してこそ豊かに育っていきます。例えば,風は見えません。それでも,雲が流れている,電線がうなっている,それで風を感じます。さらには,光る風といって希望を感じることもできます。心の内側の大事なものは見えませんが,それを見える世界とつないでくれるのが言葉です。言葉は心を紡いでくれます。

《言葉を理解する!》
 空気を読むということが生きる力と思われています。社会で生きていく上で,社会と自分の関係を見極めることは必須です。それなら,どうすれば自分の立ち位置を見る力を身につけることができるのでしょう。それは言葉を正しく理解することによって得られます。言葉は社会と自分の間にあるからです。ただし,言葉とは未だに不完全です。犬と言っても,話す人と聞く人では意味合いが完全には一致していません。その食い違いをさらには豊かな言葉で埋め合わせていく過程が,言葉の理解を深めていくことになります。

《親としての関わりは?》
 子どもが「言葉を紡いで理解しよう」という覚悟を持ち続けられるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。簡単なことですが,難しいものになります。日常の暮らしについて対話をすればいいのです。学校でどんなことに出会ってきたか,自然に話させて,聞きましょう。親子の会話を,親はしていると思っていますが,子どもはしていないと思っています。親の思う会話とは親として言いつける会話であり,子どもは言われっぱなしだからです。対話という言葉を理解すべきは親の方かもしれませんね。


 ある中学校でのことです。不登校で教室に入れない生徒たちの期末考査を,保健室前の廊下で受験させていました。かつて非行で校内が荒れた頃に,問題ありと学校が見做した生徒を教室に入れないために始めたことで,その後登校生にも同じ対応を13年間続けていました。不登校生の保護者が全校への説明と謝罪を求めて,新聞に載ることになりました。生徒の人権を守ることができない学校,そのことに気付かない教師しかいないことが信じられません。大人の都合を押しつけると,子どもには侵害になるのです。

★落書き★

 3密を避けるために外出は遠慮しなければなりません。行動や言葉を控えめにすることを,遠慮と言います。今回の参加は遠慮させていただきます,と辞退の意を伝えるときにも使われます。語源は,文字通り「遠い慮り」で,遠い将来までも見通した深い考えを言います。人間は,遠慮が無ければ,近憂(近い憂い)があるものといったことも言われます。どちらかと言えば自分の慮りの有り様を表す言葉が,他人に対し控えたり辞退することに言われるのは,かけ離れた用法になっています。言葉の理解は難しいですね。


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