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「第 79-11 章」 |
『子育ちは 失敗するから 動き出す』
■子育ち12覚悟■
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『子育ち第11覚悟』
【失敗を反省し分析しよう!】
《まえがき》
子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視座です。また,2つの領域とは,自分の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の基本的な針路構成となります。
この第79版では,子どもたちが育ちに向っていく上で持ってほしい覚悟について考えてみます。育ちたいという心積もりをどのような形で実践していけばいいのか,12の指標に整理をすることで,子どもたちの育ちの全体像を描いていきます。心豊かな子に育ってという親の願いに対して,子どもは自分はどうすればいいのと問いかけてきます。それなりに指導や助言をすることになりますが,それだけで十分か,他に言っておくことはなかったかと迷うことがあります。全体を見渡す指標として参考にしてください。
《失敗を反省する!》
コロナ感染防止のために,オリンピックを始め子どもたちの体育大会も軒並み中止になっています。折角の練習の成果を生かすチャンスがなくなったという声が聞こえてきます。練習することで育っている子どもたち,その練習とは何をしているのでしょう。しようとしてできない失敗をあえて見つけようとします。できるかなという少し背伸びをしてみるのです。まさにその部分が育ちの起点だからです。失敗しないようにしていると,育ちの目標が見えません。失敗していい,失敗にきちんと向き合うことが反省になります。
《失敗を分析する!》
失敗して悔やんでいては,育ちになりません。失敗を分析します。失敗する前の部分に新しい試みをはめ込みます。例えば,運動であれば,動き方を早くしたり遅くしたり,腰を落としたり,脇を締めたり,変化を付けて,結果としての失敗の形をあれこれ見届けていきます。いろんな失敗シーンを重ねていくと,失敗の形が前向きに進んでいくのが見えてきます。練習とはやり方を修正していくことで,失敗の形を追い詰めていくプロセスです。失敗は成功のもと,失敗の集積を土台と認めるから成長があります。
《親としての関わりは?》
子どもが「失敗を反省し分析しよう」という覚悟を持ち続けられるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。子どもにとって嫌な試験があります。嫌だと思わせているからです。試験は試して験(ききめ)を見ることです。子どもの時だから失敗をして乗り越えていくことが育ちのプロセスです。失敗しても構わないという余裕を持って接することです。そうすれば失敗から逃げずに向き合うことができます。失敗が安全範囲に収まるように用心して見守っていることが親の役割です。
経験的処理可能感という言葉に出会いました。経験をしているから,ここまではできると読むことができます。その経験を積み上げていくときに,出会ってしまうのが失敗です。本番でないところで失敗をしてみる,失敗の手前まではできることになります。そこで失敗を乗り越える努力を陰ながらしていけばいいのです。失敗を乗り越えられなくても,今はここまではできるという自覚があれば,そこに自信を持つことができます。人は万能ではありません。自分なりのできることをきちんと認識しておくことです。
★落書き★
子どもの育ちはあらゆる方面からの習いという形です。教えてもらうとか学習するという習うとは育ちの基本です。語源は「ナラ(慣ら)+フ(継続・反復)」で,繰り返して同じことを何度も何度もすることによって習慣化し,最後に自分の能力にしてしまうというプロセスを重視した動詞です。中国語の「習」は「羽+白(バタバタ重ねる)」で,「繰り返し羽根を動かし稽古する」という意味です。繰り返しするプロセスの中で,失敗を乗り越え,さらに失敗をしないまでに熟達する営みが習うです。
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