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「第 80-04 章」 |
『子育ちは 見守られると 優しさが』
■子育ち12進路■
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『子育ち第4進路』
【落ち着くから,優しく振る舞います!】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視座です。また,2つの領域とは,自分の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の基本的な考察の構成となります。
この第80版では,子どもたちが育ちに向っていく上でより望ましい向きに育ちの歩みを踏み出す契機について考えてみます。ただ闇雲に育てばいいのではなく,育つべき道に沿って育っていくことができるように,親が子どもを12の指標に向かう出発点に導いてやることができるはずです。心豊かな子に育ってという親の願いに対して,子どもは自分はどうすればいいのと問いかけています。それなりに指導や助言をすることになりますが,それだけで十分か,他にしておくことはなかったかと迷うことがあります。全体を見渡す指標として参考にしてください。
《落ち着く!》
初めての場所,初めての行動,初めての出会い,子どもはいつも初めての○○に遭遇しています。物心が付いてくると,いろいろと考えるようになりますが,初めてのことについては考える手がかりが全くありません。お手上げ状態になると,不安がこみ上げてきます。知らないことに対しては,人は落ち着いて向き合うことはできません。入学試験の際に前日に試験場を見に行くのが普通ですが,気持ちを落ち着かせるためです。予習することが普段の子育てでも大切です。
競技に参加しているとき,人前で話をするとき,いろんなプレッシャを感じるとき,もう一人の自分が自分に「落ち着いて」と囁きます。落ち着かないと,自分の能力が発揮できないからです。不安な気持ちを持っていると,自分の力は不安を押さえるために内向きに使われてしまいます。これが萎縮するという状態です。それでは,落ち着くためにすがるものはどんなことでしょうか? 辛い練習をしてきたとか,十分に下準備を済ませたということです。
《優しく振る舞う!》
親の期待に添わない子ども。それが普通です。お伝えしたいことは,現実をよく見て,無理のない期待を寄せていただくことです。期待とは待つことですから,できないときは見守り,できたときに一緒に喜んでやるという態勢が,励ましになります。できないときに叱るのは,見張りの役目であり,敵対的な立場を取ることになります。一緒に喜ぶのは,見守りの役目であり,味方の立場を取ることです。味方であるとき,優しさが自然に発揮されるはずです。
子どもと向き合っていると,気になることばかりが目に付きます。食事に集中できずに,遊びながら食べるといったことがあります。叱ることよりも,「食べてから一緒に遊ぼう」と導いたり,ちょっとの間でも集中できたときには「ちゃんとできたね」と認めてやるようにした方が落ち着きます。認められて落ち着く経験をすると,子どもは人を認めるうれしさを学び,人を責めるより優しく接する方が心地よいと信じるようになります。
コロナとは王冠のことです。コロナ関連の話の際にウィルスの写真がディスプレイに映し出されますが,その形が王冠に似ているから,学者が命名したようです。王冠の役割と災禍が結びつかないのに,無神経な命名です。日々普通の暮らしを一歩ずつ進めていくしかありませんが,歩という字は止と少からできています。歩くときには,少し止まることも必要ということでしょうか? 時々立ち止まって振り返り,前を確かめてみる,そうして歩いて行くのが自然なのでしょう。
★落書き★
注意するとふて腐れる子どもに,イラッとしたりします。不平や不満から命令に従わないとか,投げやりになることをいいます。語源はフテキ(不敵)+クサル(・・ている)」です。中世に大胆で横柄なことに「不敵」という語を使っていたので,これの強調語としてフテクサレルとなったようです。やがて,ずうずうしい,捨て鉢な態度をいうようになり,江戸期に「不貞腐れる」を当てた言葉です。ふて腐れたいのはこっち,ですね。
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