*** 子育ち12章 ***
 

Welcome to Bear's Home-Page
「第 81-02 章」


『子育ちは 寄り添う親に 導かれ』


■子育て12心戒■

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
『子育て第2心戒』

【子どもの揚げ足を取らないこと!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視座です。また,2つの領域とは,自分の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の基本的な考察の構成となります。
 この第81版では,子どもたちの育てに関わっている親御さんが心得ておいた方がよい戒めを「心戒」として考えてみることにします。何となくなるように育てればいいというのではなく,あるべき育ちに沿っていくことができるように,親は子どもの育ちを見守りつつ支えてやらなければなりません。心豊かな子に育ってほしいという親の熱い願いが時として過剰に子どもに向けられることがあります。子どもは今の自分ではどうすればいいのと問いかけています。子どもの育ちのペースに寄り添った親の支援になるために,親は自分の子育てを検証することが必要です。今すべきことか,相応しい程度か,順序に沿っているか,子どもの育ちを見極めて,それなりに指導や助言をすることになります。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標を参考にしてください。

《寄り添う余裕!》
 幼い子が「ママー,くまのプーさんって,苗字は熊野?」と聞いてきます。一瞬何のことって訝りますが,そうかと気がつきます。「何をバカなことを言ってるの,違うでしょ」。最初の一言が余計な揚げ足取りになります。勘違いを笑ったり咎めたりすると,小さなプライドを傷つけてしまいます。間違うことがいけないこと,恥ずかしいことという観念を高圧的に植え付けるのは望ましくありません。それは自我の発達の足を引っ張ります。勘違いを受け容れて,正してやればいいのです。

 いつも助手席に座っている子どもが,あるとき「お母さん,ガソリンスタンドの人はみんな親切でやさしいね」と話しかけてきました。いきなり何を言い出すのだろうと思って考えても,思い当たることがありません。「どうして?」。「どこに行っても必ず,『元気ですか』と聞いてくれるから」。そんなことを聞かれた覚えはありませんが,必ず聞かれることといえば「現金ですか」。聞き間違いをしていたのです。

 そんなこというわけがないでしょ! でも,子どもの中では,元気ですかと聞かれることが優しさとしてちゃんと納得できているのです。世界の理解が狭いから,ガソリンスタンドでの常套句など知るよしもありません。現金ですかと聞かれることなど思いも寄りませんし,その方が子どもにはわけが分からないでしょう。子どもは子どもの世界でものごとを納得していきます。大人の世界とは部分でしか重なっていないので,勘違いは茶飯事です。それでいいのです。子ども時代は子どもとして精一杯生きています。分かるときが来れば自分で分かっていきます。

 揚げ足を取るというのは,どちらかといえば意地悪な目です。虎視眈々と相手の弱点を見逃すまいとする敵視の構えです。我が子と敵対しては,元も子もありません。共倒れになるだけです。子どもはママだけが頼りであり,たとえ冷たい目を感じても,幼い心は健気に信じています。虐待を受けても逃げだそうとしない程です。大きくなると,心を閉ざしてかろうじて防衛しています。閉じ籠もりです。今のママたちに最も願うことは,一所懸命にならないことです。こうと思い込まないことです。

 不謹慎に思われるかもしれませんが,ゲームを楽しむように,子育てを楽しんで欲しいのです。こうすれば,こう返してくる。そう来たら,これではどうかな? 子どもとの掛け合いを一こまずつ重ねていくようにします。そんな面倒なことはできないとか,形勢が不利になったりとかしたとき,ゲームを根こそぎひっくり返すことをしたら台無しですね。あなたには負けた! たまにはそんなことがあってもいいのではないですか?



 ユニセフによる38カ国の子どもの幸福度調査で,身体的健康では1位でしたが,精神的な幸福度は37位とブービーでした。生活満足度の低さ,自殺率の高さなどがあり,学校でのいじめや家庭内の仲の悪さがみられたそうです。気持ちの上で,子どもの育ちを追い立てているのではと思われます。こうでなければとあるべき姿に足りないことを責められていては,幸せな気持ちになれるはずもありません。育ちが幸せであるように導いてやりましょう。

★落書き★

 ずいぶんと日の暮れるのが早まってきました。夕方のスピーカーからのお試し放送の時間が夏時間の6時から5時に繰り上がっています。黄昏まで遊んでいる元気な子どもたちという風景は,昔のことです。ところで黄昏とは,暗くなってくると,近づいてくる人が見分けづらくなるので「誰+そ+彼」(誰ぞ彼は=たそがれ)としたのが語源です。漢字で黄昏は中国語源で,黄は暮れ方の色,昏は日が西に下がる意味です。問いかけが時の名前になるのって,粋ですね。


「子育ち12章」:インデックスに進みます
「子育ち12章」:第81-01章に戻ります
「子育ち12章」:第81-03章に進みます