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「第 81-05 章」 |
『子育ちは 心の糧に 言葉摂り』
■子育て12心戒■
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『子育て第5心戒』
【子どもの言葉を遮らないこと!】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視座です。また,2つの領域とは,自分の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の基本的な考察の構成となります。
この第81版では,子どもたちの育てに関わっている親御さんが心得ておいた方がよい戒めを「心戒」として考えてみることにします。何となくなるように育てればいいというのではなく,あるべき育ちに沿っていくことができるように,親は子どもの育ちを見守りつつ支えてやらなければなりません。心豊かな子に育ってほしいという親の熱い願いが時として過剰に子どもに向けられることがあります。子どもは今の自分ではどうすればいいのと問いかけています。子どもの育ちのペースに寄り添った親の支援になるために,親は自分の子育てを検証することが必要です。今すべきことか,相応しい程度か,順序に沿っているか,子どもの育ちを見極めて,それなりに指導や助言をすることになります。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標を参考にしてください。
《話し続ける余裕!》
スーパーマーケットでよく見かける母子の会話です。「ねえねえ、これ買って」,「これはラムネがいっぱい入ってるだけだからダメよ」。「じゃぁ、これ買って」,「これはだだのアメじゃない。ダメよ」。「じゃぁ、これは?」,「これはパイの中にチョコが入ってるだけ」。「これは?」,「これはチョコの中にアーモンドが入ってるだけでしょ」。お母さんはいったい何だったら買ってやるのでしょうか? おそらくすべてダメなんでしょうね。
子どもの要求をまともに受けて,理由を言って聞かせながらいちいち拒否しています。子どもはこれがダメならあれをとしつこく責め立ててきます。根気よく受けているところをみると,このお母さんは優しいのでしょうね。普通だったら,三つ目になると「いい加減にしなさい」とガツンと言ってやるはずです。子どもの言葉を振り払うだけではベターではありません。なぜなら,繰り返すだけできりがないからです。子どもの気持ちを別の方向に上手に逸らしてやることです。
例えば,モノの選択の良し悪しではなくて,今日はダメだけど明日なら,ということで時間をシフトするのです。欲を拒否するだけでは治まりませんが,時を移すことなら欲を持続できるので待つというしつけに転換することができます。約束というしつけにもなります。もっともママが守らなければなりませんが,それは嫌ですか? 要は気持ちを切り替えることです。考え方や見方を変えると,新しい展望が開けます。子どもの言葉を遮るのではなくて,生かしながら次につないでやりましょう。
子どもが大きくなってくるといつの間にかママと話さなくのは,理由があります。それはママが「でもね,・・・」と話をひっくり返してばかりいるからです。自分のペースに持ち込もうとして,子どもの話を途中でご破算にしようとします。話しても無駄になるから,話さなくなります。話していることがママとの会話で当初の方向からずれたにしても,つながりながら展開していけば子どもは受け容れることができます。つながりを断たれることが分かっていれば,口は閉ざされていきます。
身体を育てているのが食であるなら,心を育てているのは言葉です。人になるのは言葉を獲得するからです。学びが大切であるのは,学びが言葉の摂取に他ならないからです。学校の学びはその一部に過ぎません。言葉が美しい人,言葉が豊かな人,言葉が正しい人,そういう目標を意識してみませんか。たとえば,人前できちんとお話ができる,そういう言葉の力を培うことが本当の学びです。言葉遣いを見れば,その人の器量が見えてくるのです。
学校ではあだ名が禁止になっているようです。お父さんが「あだ名は学校で禁止なの?」と尋ねたところ,「あだなってなに?」と返されたそうです。また,友だち同士では,○○君や○○ちゃんと呼び合わずに,○○さんと言っているということも聞きます。呼び捨てではなく,さんがついているだけまだいいのかもしれません。日常の言葉遣いが変化していると,世代間の感覚がずれてくるので惑わされます。言葉遣いを直したつもりで直されることも起こりそうです。
★落書き★
育ち盛りの子どもは,衣料の大きさがすぐに小さくなることで,成長を気づかしてくれます。体つき,物の形,格好をスガタといいます。語源は「ス(直ぐ)+カタ(形)」です。つまり,,真っ直ぐに立ったふつうの形」をスガタといいうのです。身体や物を目で見た全体的印象のことです。漢字の姿は,次が「資(生まれつき)」を表し,これに女を加えたもので,女の生まれつきの姿(容姿)が語源です。日本語は中性ですが,漢字の姿は女性なのですね。
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