|
「第 81-08 章」 |
『子育ちは 思いあるから 振る舞いに』
■子育て12心戒■
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
『子育て第8心戒』
【子どもの思いを見過ごさないこと!】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視座です。また,2つの領域とは,自分の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の基本的な考察の構成となります。
この第81版では,子どもたちの育てに関わっている親御さんが心得ておいた方がよい戒めを「心戒」として考えてみることにします。何となくなるように育てればいいというのではなく,あるべき育ちに沿っていくことができるように,親は子どもの育ちを見守りつつ支えてやらなければなりません。心豊かな子に育ってほしいという親の熱い願いが時として過剰に子どもに向けられることがあります。子どもは今の自分ではどうすればいいのと問いかけています。子どもの育ちのペースに寄り添った親の支援になるために,親は自分の子育てを検証することが必要です。今すべきことか,相応しい程度か,順序に沿っているか,子どもの育ちを見極めて,それなりに指導や助言をすることになります。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標を参考にしてください。
《背景を読み取る余裕!》
4歳になる娘さんが公園でお友達と砂遊びをして,お団子とか食べ物を作って遊んでいました。傍でニコニコと見守っていたママが,お友達に「これなあに?」って聞くと,それぞれに「カレーライス」とか,「ハンバーグ!」と答えてくれるのに,ママの娘さんは「砂っ!」。確かに砂には違いはないのですが,どうにも複雑な思いのママでした。よく言えば真面目で正直な娘さんですが,遊びの世界に浸れない真っ直ぐさが気になりますね。
友だち遊びの基本は,世界を共有すること,その場の雰囲気を共同制作することです。雰囲気を壊す言動は,仲間はずれの元になります。ママの心配は,まさにそのことです。娘さんが「砂」と答えざるを得なかった背景があるかもしれません。友だちがママに楽しげに答えているのを耳にして反発したくなったり,ママには冗談は通じないと思っていたり,ママとの現実の関係のあり方も考慮されるべきです。単純には,カレー,ハンバーグと言われてしまって,他に思いつかなかったせいかもしれません。お子さんの好きな「ケーキかな」って,言い換えてやる手もあります。さりげなく誘ってやってください。
お母さんが小学校に入学したばかりの長男と算数のお勉強をしていました。『問題:75円あります。3円つかうといくらのこりますか?』と読んでいく途中で,いきなり息子が母親に質問です。「ねえ,おかあさん,3円で何が買えるの?」。「今はそんな余計なことは考えなくていいの」って言おうとして,いったい何が買えるだろうと一緒に悩んでしまうママでした。こんな計算を練習して何の役に立つのと問いつめられたら,何と答えたらいいのでしょう。
お勉強とは現実を総合して作り上げた虚構の世界です。(75−3)という計算は現実世界で起こり得ます。数字だけの計算ではあまりに抽象的で一年生には取っつきにくいので,現実味を帯びさせるために,暮らしの世界で出会う「円」というお金の計算に脚色してあります。もっとも,このケースではあまりよい脚色ではありませんね。具体性を持たせるなら,一年生の暮らしを見極めた問題にすべきであるというのが正論でしょう。そんなときは(75−3)人と変えてみませんか?
小学1年生の男児が,夏休みの宿題である「夏休み中の日記」を,初日の一日で全て書き上げ大得意になっていました。そこまでは,やったことのある人もいるでしょう。ところが,その子はその偉業?をどうしても自慢したかったらしく,最後の日付の日記に「これらの日記は,○月×日にいっきに書きました」というコメントを入れたのです。担任の先生から叱られたのはいうまでもありません。馬脚を現してしまいましたが,ご愛敬ですね。
統計上50歳まで一度も結婚していないと生涯未婚と統計上は見なされるそうです。その割合は,男性が4人に1人,女性が6人に1人以上になっています。ただ,ほとんどの男女がいずれは結婚するつもりと諦めていないようです。進む晩婚化の理由の一つが「他人と何を話せばいいの?」という会話能力の未熟さにあるそうです。黙ってゲームの子どもを放っておくと,結婚から遠ざけていることになるのかもしれませんね。
★落書き★
まともな人生を送りたいと皆が思っています。台風をまともに受けたたら大変です。この「まとも」は船の方向を示す言葉です。直接に正面に向かう意です。人間関係では真面目でちゃんとしていることも表します。まともでないと,否定表現にも使われます。語源は「マ(真)+トモ(艫)」です。トモは船の後方をいい,船の真後ろの方に吹く風に対して船が正常な方向に舳先を向けることです。転じて,物事に正しく向かう意になりました。
|
|
|