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「第 85-11 章」 |
『子育ちは 同じ間違い しないこと』
■子育ち12親心■
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『子育ち第11親心』
【間違いを正させる親心!】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第85版では,子どもたちの育ちに寄り添う親がどのような心であればいいのか,確認をするポイントを総括します。子どもの育ちは周りからの多様な支援と結びついて一体化する設計図とも言える様式があります。順序が違ったり,逆につながったりすると,本来の属性が機能せずに,育ちに不都合が織り込まれてしまうこともあります。
人間として心豊かに育ってほしいという親の願いが,子どもの育ちに寄り添った支援になるためには,日々の子育てを確認することが必至です。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標毎に親からの支援のつながりを確認してみましょう。
○間違いというのは,本人は気付きにくいものです。特に聞き間違いは,自分の辞書に照合しているので,正しいと思いやすいものです。ある日の夜のことです。寝室から7歳になる男の子が「ママー!何してるのー?早く寝るよー」。ホームベーカリーで翌日のパンの仕込みをしていたママは,「今、パン作ってるのー。先に寝ててー」と答えました。すると男の子は「えー!ママ,パンツ食ってるんだってー!」と4歳の妹に報告していました。そんなはずはないという常識力はまだ弱いのです。
子どもの話が証言にはならないというのは,うそとまことがない交ぜになっているという経験によります。子ども自身は本当のこととして話していますが,つじつまの合わないことが紛れ込んでいることがあります。いきなり「うそを言うな」と怒鳴りつけるのも大人げないことです。疑問を挟んで,もう一度言い直すチャンスを与えてやることもいいでしょう。自慢話をしているときは,破目を外してほら話になりやすいものです。そんなときには,笑い飛ばしてやるという手も使えます。
目的を持った行動の場合は,間違えば即座に分かります。走っていて転んだとか,運んでいて落としたとか,ボールを捕ろうとして逸らすとか,きりがないほど例を数え挙げることができます。このようなしくじりは本人も周りも分かっているので,両手で持ちなさいとか,よそ見をしないで,といったそれぞれに適ったアドバイスをしてやるようにします。しくじりを叱ることが多いと思いますが,しくじりを怖がらせると,子どもはしくじりをしないために手を出さなくなってしまいます。練習が閉ざされてしまうことになります。
忘れ物のように,すぐには気がつかない間違いがあります。後になって気がついても,間に合いません。そこで「忘れ物はないね」というお節介がなされます。忘れ物というのは今は要らないけど後で要りようなものです。後の予定を思い出せば,気がつくはずです。これからの予定,その確認をする癖が付けば,忘れ物はしなくなります。忘れ物をしてしまって,慌てたり困ったりといった経験をすれば,確認をしなければという気付きに至ります。親の注意に頼っていると,忘れたときに注意しなかった親のせいにしてきます。
答案が返ってきます。いくつかの問題に丸が付いていません。テストの最中は間違いないと思っていたものが,間違っていたのです。間違ったことに気付かされるのですが,その次の行動で学力に差が出てきます。間違ったところを自分の手で修正しようとするかどうかという分かれ道があります。同じ問題は2度は間違えないというフォローができれば,テストが役に立ってきます。自分の弱点を見つけるためにテストがあります。間違えているところが能力の最前線なのです。そこを伸ばすのが学習です。
肉体的な行動では,間違いは分かりやすいでしょう。知的行動では,間違いは正しいものと比較検討できるまでは分かりません。正しいものがあるかさえも分からないこともあります。うまい設け話などです。心的な行動では,間違いは一層はっきりしなくなります。例えばたった一言で親しい関係が壊れてしまうこともあれば,そうでないこともあります。間違っていたと思っていても,結果としてよかったということもあります。間違えないようにしようと気を遣いすぎるよりも,後のフォローを大事にする方が現実的です。
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※大人が思っている以上に子どもはプライドが高く,傷つきやすい心を持っています。そのため,直接的に訂正せずに,自分で間違いに気付き,自分で訂正できるように配慮したいものです。
また,大人の親切により間違わないように仕向ける必要はありません。子どもは間違うことによって学んでいくのです。
無理強いしないという言葉から,親の思惑通りにならない子どもに,しつけと称して虐待をする事例が連想される時勢は悲しいことです。しつけはある程度の無理を含むものです。どんなことにも程度があるということです。子どもも楽をしたいと思うので,何か行動させようとすると,その気持ちを押しのける程度の強制を必要とします。「始めよう」というきっかけとなる号令を掛けるようなことです。その後は励ますように見守りを続けておけばいいでしょう。声を掛けただけで後は見もしないというのでは,子どもは怠けて逃げます。
★落書き★
何気なくケーキやパンに付けて食べているハチミツは,とても手間の掛かった食べ物です。1キロのハチミツを作るには,800匹のミツバチが,一夏を働き続けてやっとこの量が得られます。アメリカでは1ポンドの蜜を集めるには,ミツバチは地球を2周しなければならないと試算されています。ひと夏4〜6週間働き続けたミツバチはあの世にいくことになります。粗末には扱えませんね。
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