*** 子育ち12章 ***
 

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「第 87-02 章」


『子育ちは 素直になれば 愛嬌に』


■子育ち12基礎力■

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『子育ち第2基礎力』

【愛嬌力を身につけよう!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第87版では,子どもが育ちによって身につけていく能力の全体を考えていきます。人の育ちは複合的な能力を過不足無く獲得しなければなりません。もちろん特別な能力を伸ばすことも大事ですが,人間としての基礎的な能力が生きていく基盤になります。育ちのペースは子どもそれぞれに違いますが,成人までにはすべての力をそれなりに獲得できるように,側にいる大人がちゃんと導いておくようにしましょう。

●《微笑》幼い子どもは,何かと世話をしてもらわなければ生きられません。そこで,周りの大人が構いたくなるようなメッセージを発信する術を獲得します。それはあのあどけない笑顔,エンゼルスマイルです。泣き声で注意を引き付けて,世話をしてもらった後に,ニコッとすれば,大人へのお礼は十分です。逆にしかめっ面をしていると,邪険に避けられるでしょう。大きくなっても子どもは大人と関わりを持つことで,たくさんの育ちの糧を受け取らねばなりません。微笑みは大事な育ちのサインです。

●《柔和》人付き合いでは,自分の思い通りにいかないことが起こります。子どもであれば,かなり自分本位ですから,そういうことはしょっちゅうでしょう。そのたびに怒り泣き叫んでいては疲れるだけで,先に進みません。少しばかりの反対や理不尽にあっても,それに対して悪意と報復の心をもって向かうことをせずに,じっと耐えて忍ぶこと,力を用いずに自己を主張せず,友に対し優しさに徹し,謙遜に生きることをたまにしてみることも必要です。子どもがそうしたときは,いっぱいほめて抱きしめてやりましょう。

●《茶目》仲良くつきあうことは理想です。でも,ちょっとした言葉遣いの不注意から気まずくなったり,思い違いが重なったり,順序が違ったり,トラブることがあります。そこをどう切り抜けるか,それも大事な生きる力です。そこで役に立つのが,無邪気な子どもっぽいいたずらができる茶目っ気です。気まずくなった雰囲気をコロッと変えてしまう仕草や言葉が出ると救われます。子どもを叱っているとき,子どものとんでもない応対にあっけにとられて噴き出してしまうことがありませんか?

●《自信》もう一人の自分が自分をどう見ているかによって,行動が左右されます。自分のことが好きでなければ,不貞腐れた振る舞いをするでしょう。自分に自信がなければ,媚びるような愛想を振りまくようになるでしょう。自分の良い面も悪い面も過不足なく認めることができると,自信を持つことができます。そのとき,人に対しても過不足なく向き合うことができて,優しく接することができます。自分の弱さに臆することがないので,突っ張ってみせる必要がなく,振る舞いが愛嬌のあるものになります。

●《配慮》親は時に,代弁者を務めることがあります。友達関係のねじれが起こったとき,相手の子どもの立場や思いを代わって話してやることです。そういうバイパスがあると,こじれるのを避けることができます。当事者だけでは,それぞれの思い込みの深みにはまり込みます。少なくとも,人の思惑を邪推することから免れることができて,なるべく信じてみようという向きに気持ちを持っていくようになります。相手に対するそのような配慮ができれば,愛嬌に満ちた関係が持てるでしょう。



 もう一人の自分が自分を好きになることが何よりも大事です。自分を好きになるのは自分しかいないのです。自分が好きになれなかったら,生きていてもつまらないですものね。さて,次週は,相談力の話です。人は相談することによってつながり,成長をしていくことができます。「誰にも相談できない」という状況は,人が生きていける環境ではありません。人とのつながりの一つの局面として,相談ということのあれこれを考えてみましょう。

★落書き★

「わたし?」と言うとき,自分の鼻を指しませんか? 欧米人は,男性なら胸を親指で指し,女性なら手のひらを胸に乗せます。「自」という字は,昔は鼻のことでした。自はノと目からできていて,目の前に突き出たもの=鼻でした。ところが,自分のことを指すとき,鼻をさすことが多いため,「自」は「自分」という意味に使われていきました。そのため「自」の下に鼻の穴を表す「界に似た字」をつけて「鼻」という漢字が作られました。


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