*** 子育ち12章 ***
 

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「第 88-03 章」


『子育ちは 人の情けを 受け取って』


■子育ち12信条■

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『子育ち第3信条』

【付き合いを絶やさない!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第88版では,子どもが育ちによって身につけていく能力の具体的な形を考えていきます。人間としての複合的な能力を過不足無く獲得しなければなりません。もちろん個性的な能力の伸長は大事ですが,人間としての基礎的な能力のバランスが生きていく基盤になります。能力獲得のペースは子どもそれぞれに違いますが,成人までにはすべての力をそれなりに獲得できるように,側にいる大人がちゃんと導いておくようにしましょう。

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●子どもは保護を受けなければ生きていけません。そこで,生きるために保護を要求してきます。初期には,例えば,おっぱいがほしいと,時所を弁えずに泣き叫びます。そのわがままな要求を受け入れてやる寛容さが,親の役割となります。普通ならつらくてきつい役目ですが,親だから乗り切れます。子どもにとって周りにいる人は要求をする相手ですが,親や家族以外の人はそれほど優しくは聞き入れてくれません。甘えさせてくれない人がいると知って,人付き合いを遮断して,人見知りに入ります。

●子どもが家族と他人という区別をするようになったら,親ほどではなくても,少しは甘えていい人の存在を教えることが必要です。親が仲良くしている近所の人や友人は,可愛がってくれる人であると感じさせます。親ほどの全面的な安心感はなくても,おおむね信頼していい人がいるという,人への信頼感を育んでおくことが大事です。人を見たら味方か敵かというディジタル的判定をするのではなく,こちらが無理を言わなければ優しい人であるといった,アナログ的判定をすることができれば,ゆとりになります。

●忙しくて結婚相手になる人との出会いがないという若者の声があります。忙しいのは,今時の子どもも同じようです。出会いがないために,友達が限定されてしまいます。学校や塾・クラブが絡んだ友達だけになりがちです。付き合いが限定されているから,壊れることをとても怖がります。毎日仲良く遊ばないといけないと思い込んで,1日遊ばないと仲間はずれにされたのではないかと心配でビクビクします。べったりした付き合いではなく,あちらこちらの多チャンネルの付き合いを持たせるように配慮しましょう。

●車を運転する際には,車間距離を保つことが大事です。前車が急に止まったときに,追突しない用心です。前車はこちらの思い通りには動かないことがあるということです。人との付き合いも,人間距離を保つことを考えた方がよいでしょう。他人はこちらの期待通りには動かないので,衝突しない用心を織り込んでおかなければなりません。ただし,このことは他人が悪意を持っているということではなく,他人の都合であり,お互い様と認めるべきことであり,仕方がないことと受け入れるべきです。

●最近の身近な付き合いの中で,ストーカーやドメスティックバイオレンスといったねじれが顕著になっています。自分の思いだけを相手に投影しているので,投影とずれた相手の行動などが気に入らなくて暴力的な修正を試みようとします。思い通りに動かない相手に向かって,大声を出して強要する癖がつくと,相手の思いや都合に気を配る術を会得できなくなります。相手が期待とずれたとき,それを自分への反抗としか思えない狭量さも要注意です。付き合いは自分中心に動いてはいないことを認めなければなりません。

●社会に参加したいという欲求は,あらゆる人にとって最も強い原動力の一つであると考えられています。幸せになるには,人と付き合う必要があります。先ずは,人と関わりを持つ時間を作るようにします。対等な関係が望ましいのですが,状況や相手に応じて,頼ったり頼られたりする関係もあっていいでしょう。付き合いの濃淡も楽しめばいいでしょうし,途切れ途切れであってもまた楽しいものです。旧知の間柄という関係もあります。子どもには今の関係しか思い浮かばないので,親が付き合いのあれこれを教えてやりましょう。



 植物の種が大地にあって芽吹くのと同じに,人は人間社会にあって育ちます。大地が植物を支えるように,人間社会が安心を与えてくれます。人を信じていいという安心がなければ,社会との関係を持つことができません。もちろん,絶対ということはあり得ないことですから,社会のすべてを信頼できるわけではありません。大方は信頼してよいという覚悟を持って,社会の人と付き合っていくしかありません。世の中は捨てたものではない,そう思うようにしてやれば,子どもは育つことが楽しくなります。

★落書き★

 お年寄り用にシルバーという言葉を使ったきっかけは,国鉄が50歳以上の夫婦用に販売していた「シルバー周遊券」が最初です。熟年カップルに旧婚旅行を楽しんでもらおうというねらいで発売されたもので,50歳前後の夫婦といえば結婚25周年前後,そこで銀婚式を意識してシルバー周遊券と名付けられたのです。その後,お年寄りの専用席が設けられたときシルバーシートという言葉が造語されました。

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