*** 子育ち12章 ***
 

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「第 89-05 章」


『子育ちは 新たな今に 向き合って』


■子育ち12情動■

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『子育ち第5情動』

【同調情動!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第89版では,情動知能について触れてみるつもりです。内省的知能と対人的知能,つまり自分自身を見つめる知能と,人と人との間の関わりに関する知能に分けられています。この羅針盤で考えている「私の育ち」と「私たちの育ち」に対応しています。人としての育ちの全体的なイメージを構成できる助けになればと願っています。

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《臨機応変》
 今に向き合う,今に真剣に付き合うということが大事です。人生を大事にするとは,今を大事にすることです。今日しなくても,明日すればいいと先送りすることがあると,明日はいつまでもやってくることなく終わります。今できることを今しておくという心がけが,生きる力の発揮になります。日常は想定外の突発的なことが付きものです。現実の状況に対処するために,自らの気構えや態勢を臨機応変に整える力が不可欠です。状況が自分の思い通りにならないと嘆くのではなく,状況に素直に同調する柔軟性が求められます。

○お子さんは,班替えがあっても,すぐに班の人たちと仲良くできますか?

 人は環境に適応して生きています。環境が変われば,いろんなことがアタフタとさせられます。例えば,昨日まで利用していた機器が壊れると,お手上げになります。どうにかして代わりのものを探すか,何とかしなければなりません。学校で班替えがあると,慣れ親しんでいた間柄が解消されて,新しい相棒との同調関係を作らなければなりません。前の班の人を懐かしんでいたら,新しいステップが始まりません。学校の班だけではなく,遊び友達も,関心の移り変わりで,組み替えられていきます。リフレッシュを楽しむことです。

○お子さんは,何か困ったことが起こっても,どうしたらよいか考えられますか?

 物事は常に順調に進むわけではありません。遅れたり,壊れたり,無くなったり,大きすぎたり,雨が降ったり,日が暮れたり,ぶつかったり,叱られたり,負けたり,落ちたり,見落としたり,いろんなトラブルや不都合な成り行きに見舞われます。何が起こったのか,状況を把握するためには,相応しい言葉で語ることが必要です。また,悩みごとが生じたのであれば,言葉で語ると整理されてきて,見通しが立つようになります。困ったことをいろんな面から言葉で説明していくことによって,逃げずに立ち向かうことができます。

○お子さんは,その場面に合わせて,行動することができていますか?

 日々の生活は,次から次へと場面が展開していきます。朝,目が覚めると床離れの場面,洗顔の場面,朝食の場面,通学の場面,授業の場面,給食の場面,・・・,就寝の場面。お母さんが気にする,てきぱき,サッサとしなさいというスピーディな展開は,場面の切り替えのメリハリです。各場面に相応しい行動に切り替えていけばいいのです。ぐずぐずするというときには,切り替えに手間取っているのです。暮らしにリズムを持たせることを心がけていけば,身体が切り替えを楽しく感じるようになります。



 少子化の中で子どもから失われたものは,兄や姉として弟や妹の面倒を見るという経験です。一人っ子は周りの大人から面倒を見てもらう経験しかできません。消防士や看護士という人の世話をする職業は長男や長女が多いという話を聞いたことがあります。子どものときに世話をする喜びを知ってしまうからでしょう。甘えん坊やしらけた子どもばかりが増えているのは,そういう子どもを育てる環境になっているということです。少子化の中では,地域の異年齢集団を疑似きょうだいに見立てることもできるはずです。

★落書き★

 漫画週刊誌にはときどき黄色や青の色ページがあります。業界では二色ページといわれるもので,カラーページとまではいかなくても,いくらか見栄えがします。特別のページと思ってはいませんか。漫画週刊誌の紙には仙花紙という古紙と古新聞を混ぜて再生した紙が使われています。ところが,古新聞は再生処理しても黒インクが残るために完全な白紙に仕上げることができません。そこで,その黒いヨゴレを隠すために他の色を付けているのです。

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