『子育ちは 苦を分かち合う 喜びを』
■子育ち12情動■
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『子育ち第8情動』
【共感情動!】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第89版では,情動知能について触れてみるつもりです。内省的知能と対人的知能,つまり自分自身を見つめる知能と,人と人との間の関わりに関する知能に分けられています。この羅針盤で考えている「私の育ち」と「私たちの育ち」に対応しています。人としての育ちの全体的なイメージを構成できる助けになればと願っています。
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《想像力》
情報社会になって使われなくなった力として,想像する力があります。特に映像情報が溢れていますので,文字からイメージを作り上げる想像という経験が失われています。想像は細部が曖昧である分,変幻自在です。だから余裕があります。人の言葉や姿から思いを想像するとき,「こうではないかな」と大まかに捉えています。次の段階で見直しができて確かめることができると,「そうなんだ」と共感に至るのです。子どもたちが想像をせずに,思い込みをしていることが気になります。
○お子さんは,友達が喜ぶことをしてあげようとしていますか?
人付き合いの原則があります。自分がされて嫌なことは,人に向かってしないこと。これは銀の道徳律です。自分がされてうれしいことを,人に向かってすること。これは金の道徳律です。英語のプリーズという言葉は,相手を喜ばせるという意味があります。日本語では「どうぞ」です。「ありがとう」と感謝することは大切ですが,ありがとうはして貰うときに言う言葉です。してあげるときの言葉が「どうぞ」になります。どうぞが先にあって,ありがとうがくっついてきます。この順序をきっちりと自覚させて下さい。
○お子さんは,どうすれば友達に喜んでもらえるかを考えていますか?
自分なら喜ぶということが,友達に喜んでもらえるとは限りません。また,折角の行為がかえってありがた迷惑ということもあるでしょう。喜ばせることを思い込んでいると,押しつけがましくなります。友達の立場や状況を想像して,とき,ところ,ものなどを友達に合わせることが大切です。例えば,プレゼントをあげるとき,包装のこと,タイミング,添える言葉など,相手の反応を想像しています。相手のことを想像しているから,その関わりが独りよがりではなく共感的になるのです。
○お子さんは,困っている友達がいたら,どうしたのか聞いてあげようとしていますか?
困っているときに寄り添うから,友達です。このことは,友達であるかどうかの試金石と誰もが考えています。困っている様子に気付いたら,困っている理由を想像するでしょう。しかし,想像しても確定できないので,「どうしたの」と尋ねるしかありません。もしかしたら,何かしてあげられることがあるかもしれない,そう想像するのが友情です。心配事は分かち合うことで,楽になります。友達は一緒に荷物を担いでやりたいという相棒なのです。
子どもが思い詰めて命を絶とうとするとき,「この先,生きていてもいいことはない」と思い込んでいるようです。また,「死ぬことは怖くない,今の苦しみから逃れることができるから」と,感じているようです。どちらにも無いのが,明るい明日,未来です。逆のことを考えてみましょう。「明日の朝,起きるのが楽しみな人は幸せです」。明日に期待があるとき,人は幸せであり,生きていく気力が湧きあがってくるものです。些細な期待でもいい,明日の可能性を想像できるようにしていたいですね。
★落書き★
トランプの数字は1から13までで,全枚数は52枚です。そういうものと思い込んでいて,どうしてと疑問を持ったことはありませんか? トランプのルーツは占いで使われるタロットカードで,暦と関係しています。52枚とは1年が52週であること,各スイートが13枚なのはそれぞれ春夏秋冬の13週を象徴しているのです。さらにトランプの全ての数字を足すと364になり,ジョーカーを1として加えると,1年の日数の365になるのです。
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