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「第 97-02 章」 |
『子育ちは わたしとあなた わたしたち』
■子育ち12鍵語■
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『子育ち第2鍵語』
【私たち】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第97版でも,これまでの流れに沿って,子ども自身や親が育ちの確認をしていくときに,思考を開く鍵となる語を使って育ちの状況を展望していきます。今現在それぞれの育ちの度合いに違いがあってもそれは個性になり,達成度の評価ができるなら,幸せに育っていると考えることができます。子どもの育ちは見えにくいものですが,羅針盤としての全方位を見届けることができることを再確認していただけたらと思っています。
《私たちとは?》
ひとは一人一人はか弱い存在ですが,群れて集団になって生き延びてきました。人は社会という体制を創造したことで,霊長類に位置づけられています。ただ単に群れている生き物は他にもいますが,自覚して群れを機能させているのは,人だけです。人が社会を意識するようになったとき,「私」から「私たち」という複数形の言葉が生まれました。私意識だけであれば,群れを自分のために利用する欲望の段階に止まります。私たち意識があって,社会の維持・発展に関わる意欲が現れます。
乳幼児は,生まれて一体であった母親が自分の思い通りにならないことがあることに気付きます。自分とは別の存在であると認めるためには,母親が自分以外のものとつながっていることに出会う必要があります。母子分離を経て,子どもは自分の存在を,他者に対する位置に意識づけることができるようになります。人見知りはその現れです。自分と他者を意識することによって,もう一人の自分が誕生してきます。自分と他者という分離を経て,自分と他者を結びつける「私たち」というイメージを持つことができます。
英語の人称では,I(私),YOU(あなた),WE(私たち)となります。個人の尊重という意識は,私は私,あなたはあなた,ということを強調します。結果として,その先にある私とあなたを包む私たちという概念が希薄になります。今の人心のありようが,どこか他を責めることに傾いているのは,私とあなたが対立しているという認識しか持っていないためであると思われます。私たちという認識がなければ,社会に対する信頼を持つことはできません。
人は自らの存在を確信したいという欲望を持っています。大人であれば,生きている意味を探し続けます。つかみ所のない問題をどのように解いていけばいいのか,人それぞれに模索することになります。1つの補助線があります。人とのつながりという線です。人間関係の中での自分を見つめてみるという思考を進めることです。自分はどこにいるのか,居場所を探し当てることが,生まれてきた子どもにとっても,大切な育ちの拠り所になります。
★落書き★
鸚哥。なんと読めるでしょうか。インコです。セキセイインコという鳥がいますが,セキセイとは何でしょう? 漢字で書けば,背黄青鸚哥です。セキセイとは,背中は黄色で尾は青いという意味です。一般家庭で飼われているセキセイインコは飼育用に改良されたもので,色も全体が薄い青色とか黄緑がかったものなど,いろいろなタイプがあるようです。初めてトリを飼う人には穏やかで人なつっこく,ぴったりだそうです。
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