*****《ある町の社会教育委員のメモ》*****

【負担からの脱皮?】

 近隣の8市町の社会教育委員の会議が地区連絡協議会を組織して,社会教育委員研修会を定例開催しています。持ち回りの会場で,分科会発表を2件実施しています。教育事務所管内での4地区によるブロック研修会も開催されており,各地区1件の分科会発表が割り当てられています。したがって,毎年研修関係で1会場3発表が義務付けられていることになります。機会の公平さを意図すると,8市町は2年に1回の割で会場か発表を受けることになります。
 発表については,2年任期中に1回は巡ってくるので,それなりの成果を得ておかなければなりません。これが結構しんどいのです。2年前と同じ発表というわけにはいかないので,2年毎にテーマを新しく設定しなおした実績が求められます。2年間もあると考えるべきですが,机上の活動ならいざ知らず,実践活動となると相手のあることなので,計画が日の目を見るまではかなりの日数が必要になります。緊張した2年間を送らざるを得なくなります。
 委員の研修活動として,視察という機会も設けられます。視察する方は,先進地を探すことで済みます。しかしながら,委員をしていると,視察される方になることが目標になるべきです。視察される実績を創り上げなければ,委員をしている甲斐がありません。同じように,発表を聞いてもらいたいと自信の持てる活動を目指すことが委員としての責任です。
 人に認められようと焦る必要はありませんが,その気を持つことで意欲につなげることは大事です。身繕いを全く気にしないとだらしなくなりますが,人に見られるという気持ちを少し持てば,きちんとした佇まいを保つことができます。発表しなければならないという負担を,発表したいというやる気に替えればいいのです。よい機会だと思うことです。追いかけられるのではなく,追いかければ楽しくなります。メンバーがその気になってくれればいいのですが,そのためには会長職が率先しなければなりません。人に求めることは詮無いことであり,自分しか手玉に取れないのですから・・・。
 見て欲しい聞いて欲しい喜んで欲しい,他者へのメッセージを発信しようと鼓動を続けていけば,周りに温もりを届けることができるでしょう。お互いに温め合う,それが社会教育の目指すところです。委員活動それ自体が社会教育活動でもあると思っています。
(2005年02月16日)