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【はじめに】
福岡県では平成10年度まで,家庭教育について継続的に調査を実施してきました。その調査活動に関与して報告書の執筆にも携わってきました。その貴重な情報をもっと多くの方に見ていただきたいと思い立って,ポイントを掲載することにしました。正式な報告書は「福岡県立社会教育総合センター」による
として,県下の教育委員会に配布されています。
ここで紹介する内容は,データは報告書から抜粋していますが,説明と分析については独自のものであることをお断りしておきます。その理由の一端は報告書の分析をしていた当時から13年を経過しており,社会状況は大きく変わっているためにデータの一次的な意味は過去のものだと思われるからです。しかしながら最近になってやっと地域の教育力が注目されるようになりましたが,地域の秘めている潜在力が必ずしも明らかになっているとは言い難い現状があります。地域というものはいったいどんな力を人に及ぼしているのかという視点で,もう一度分析をやり直すことは十分に意味があるものと考えます。
地域の教育力を考える前提として,親にとって地域とのつながりがどういう面で現れてくるのかを具体的イメージとして検証しておかなければなりません。親自身が地域など関係ないという思いのままであったら,地域には教育力が備わらないからです。データの新しい読み方ですが,親の地域とのつながり程度を「居住年数」という指標を使って差異化します。居住年数による違いから,親への地域の影響力が明らかになると考えるからです。
使われるデータは福岡県における昭和62年の小学3,4年生の親に対する調査結果ですが,得られる結果は今のどの地域でも十分に有効なものと信じます。地域の教育力を考える指導者にとって,きっと参考になるはずです。特に人の移動率が高い地域では直接必要な知識になるはずです。
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