【第3章 家庭教育と地域とのつながり】
子育てについて地域がどのような影響を及ぼしているかについて,また家庭教育の実状と親の地域意識について,調査結果を見ておきます。
1.家庭教育の実態(2)
○子育ての悩みを,誰かに相談できればいいのですが,
悩みの相談は直接的な関わりですから,身内が主になっているのは当然です。そこで居住年数による変化はありません。ただ,3年の壁を越えて近所づきあいができるようになると,「近所の人」が増えています。
○家庭教育の基盤は,自信を持つことなのですが,
「どちらかといえば自信がある」の居住年数による変化は,これまで何度か現れたパターンです。再現すると,引っ越してすぐは親は張り切っていますので自信満々です。ところが子どもはすぐに地域にとけ込んでいくのに,親は取り残されて不安になり,自信を失っていきます。やがて親が5年の壁を越えて地域とのつながりができると,自信が回復してきます。親としての自信も地域とのつながりが育てているのです。
家庭教育は地域とは無関係なものに思えますが,その実,親の気力や子育て観,親らしさ,それを生み出す自信といった親としての育ちを,地域がしっかりと支援していることが明らかになりました。
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