【第4章 地域の活動】
家庭教育を支えたり補完する役割を課せられている地域は,親からどのような評価を受けているのかについて,調査結果を見ておきます。
1.地域活動の実態(1)
○家庭教育などの学習活動について,親の評価は,
同じ地域活動が居住年数によって違って評価されています。これは評価する側の尺度の違い,すなわち期待の程度を表しています。1年未満ではそれほど期待していないので意外に盛んという評価ができます。ところが地域になれてくるにしたがって期待が膨らんでくるので,「非常に活発」のグラフに見られるように相対的に評価は低下していきます。「ある程度」が3年で最も高くなっているのは,親の方が最も落ち込んでいる時期なので評価しているのでしょう。
○スポーツ・レクリエーションなどの活動について,親の評価は,
学級と違って「活発でない」が多くなっていますが,親の期待に応えていないようです。スポーツは継続的な練習やチーム構成を前提とするため,誰でもいつでも参加という普遍性が持ちにくいためだと考えられます。軽スポーツの定着が課題です。居住年数による期待は同じです。
○祭り・年中行事などの地域行事について,親の評価は,
「活発でない」が5年を越えると増えています。地域になじんでくると,そのつながりを形として表現したくなるのは人情でしょう。皆で一緒にできる何かを求めます。それが祭りであったり,伝統行事です。そういったものが消えていることへの寂しさが見えてきます。
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