*****《団体・グループの運営の窓》*****

【指導者の忘れもの】

 [6]手持ち無沙汰にさせるな!

 「何かすることを与えていますか?」
 組織の会員を活動に参加させるテクニックについて考えておきます。呼び込むには,出てこない理由を知らなくてはなりません。一つは「出ていってもすることがない」という積極的ブレーキです。会議や集会などなら,自分が意見発表するわけでもないとなると,欠席の理由を探します。ただの時間つぶしですから出る意欲が湧くはずもありません。
 講演会のように,ただ話を聞くだけという受け身の活動では眠くなるのが落ちで,それなら家で寝ていた方がいいという選択になります。なるべく手足を動かすような活動,創作活動,作業活動,軽スポーツ活動などが適宜組み込まれるといいでしょう。行ってすることがあると思わせることです。
 そうはいっても,学習活動も必要です。学習ノートを個人に持たせることも考えられます。出席が重なると何かの形で顕彰したり,認定したりして,認めてあげる工夫をすれば,きっかけになるはずです。少なくとも,出ても出なくても何も変わらないという状況から抜け出せると思えるような企画が求められます。

 「求められていると思わせていますか?」
 参加させない理由のもう一つは「自分が出て行かなくても,間に合っているだろう」という消極的ブレーキです。人を集めるときに,「皆さんの参加を願っている」という形で勧誘すると,そう思われます。何も私でなくてもいいということです。大勢の中では,人は自分を除外しようとするものです。
 会員一人ひとりに「あなたに参加してほしい」というメッセージを出すべきです。少人数の組織なら,案内状の宛先を「会員」とするのではなく,名前にします。活動についても,自分が行かないと迷惑を掛けるといった役割を用意することです。求められれば人は喜んで参加します。

   組織活動を動かすのは一人ひとりが自分の活動という自覚を持つことです。みんなの活動と思ったら,組織活動は崩れます。どんな些細なことでもいいから,自分がすることで組織に貢献できるという思いを持たせることが,指導者の役割です。