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『チグリスとユーフラテス』 集英社文庫

・コールドスリープから目覚めたマリアの傍らには、白いレースの少女趣味のワンピースを着た、老女だった。「私の名前はルナちゃんよ。惑星ナインの最後の子供なのよ」地球を遥か遠く離れた惑星ナイン。その星の住人のほとんどが、生殖能力はなかった。そして、『最後の子供』ルナが産まれた。周囲の人間が死に絶えた後、ルナは、コールドスリープについていた人間をひとりひとり起こし始めた。自分が何故ここにいるかを問うために・・・。

 

『グリーン・レクイエム』 講談社文庫

 ・明日香は、毎日、雨が降らない限り、近くの公園のベンチにいる。12時20分から40分まで、20分間。それが、彼女の唯一の家の外に出る時・・・。そんな明日香を、信彦は毎日植えこみの陰から見ていた。何故なら、明日香はあまりにも、信彦の初恋の女の子に似ていたのだから・・・。初恋の女の子にそっくりの顔立ち、色が白いところも、髪が長いところまで、よく似ている。だが、明日香は彼女とは違う。だって、明日香の髪は黒いのに、あの時の彼女の髪は・・・人間にあらざる色・・・深緑だったのだから。

 

『ラビリンス≪迷宮≫』 徳間文庫

・村で6年に一度の大祭りの日は、神に捧げる3人の乙女を選ぶ。生贄の中には、英知の神・デュプロスの申し子、トゥードが入っていた。そして、軍神・ラーラの申し子、サーラは、家の借金を肩代わりしてもらうことを引き換えに、自ら生贄をかってでた。神は、生贄を生きたまま食うのだと言う。しかし、神を殺すか、上手く出口を見つけることが出来れば、助かる。2人は、生きることができるのか?