『愛するがゆえに −阿部 定の愛と性−』文春文庫
・2.26事件のあった昭和11年。待合宿(今で言うラブホテルですな)『まさき』にて、一体の男の死体が発見された。死体は仰向けで、細い紐のようなもので首を絞められており、下腹部を刃物で切り取られて(><)殺害されていた。布団の敷布には鮮血で大きく『定吉二人きり』と、さらに太ももにも『定吉二人』と書かれ、左腕には刃物で『定』と彫ってあった。被害者は料理屋『吉田屋』の主人、石田吉蔵。加害者は、元女中の阿部定と断定された。定は「愛するがゆえに」愛する男の体の一部を切り取ったと自供した。昭和を騒がせたノンフィクション。