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『ヤヌスの鏡』 全3巻 集英社漫画文庫
・幼い頃、『ヒロミ』は鏡の中の自分『ユミ』とよく遊んでいた。厳格な祖母に育てられ、生真面目でおとなしい引っ込み思案の自分とは大違いで、自由奔放な『ユミ』。高校になると、『ヒロミ』は『ユミ』の存在なぞ忘れていた。が、『ユミ』はいなくなったりしていなかった。もう一つの人格として、『ヒロミ』の心の中に棲んでいたのだ。初めて抱いた淡い恋心に、自分が許せなかった。いつしか『ユミ』は表に出て夜の街を徘徊するようになる。しかし、『ヒロミ』はその存在を知らなかった。