Black Moon(LF004CD)

1.Black Moon
2.Passengers
3.Rolling The Stone
4.Behind The Smile
5.Palace of Fools
6.Call The Captain
7.Little Man
8.Freedom
9.Taking It To The Edge
10.Glory Days

Lucifer's Friendの再結成後、2作目のアルバム。前作の"Too Late To Hate"のSumogrip路線が旧来のファンに不評だったため(?)か、ストレートでシンプルなハード・ロックに回帰した作品。70年代の独特な「奇妙な味付け」のサウンドが蘇っている。それはそれで悪くはないと思うが、物足りなさが残る作品である。Lawtonのヴォーカルに限って言えば、2000年の"Still Payin' My Dues"の頃のような枯れかけたレイドバックした雰囲気とは無縁の張りのあるギアの上がった声を披露しており、Uriah Heepの頃の姿を思い起こさせる程だ。
本作は当初Lucifer's Friendとしての最終作となる予定で"The Last Stand"というタイトルになるはずだったが、もう1枚アルバムを作れそうなマテリアルがあったため、タイトルの使用を先送りしたとのことだ。本作は当初2017年の初めにレコーディングを行う予定だったが、当時はLawton自身を始め、Hesslein、Hornsらが健康上の問題をかかえており、本作の制作スケジュールが大幅に遅れてしまったそうだ。HessleinとHornsは肩の手術が必要だったそうで、Lawtonはどのような問題を抱えていたのかは不明だが、バンドとしては相当深刻な状態だったに違いない。さらに、プロデューサーのSimon Hesslein(Peterの息子)のスケジュールの都合やブレグジット(英国のEU離脱)問題の影響もあり、本作は大幅に遅れながらも2019年4月に何とかリリースに漕ぎ着けた。さらに次作のバッキングトラック録りも継続して行われて完了していたようだが、結果的にHornsとLawtonの相次ぐ死去のためバンドは自然消滅し、"The Last Stand"は追悼のベスト・アルバムとなってしまった。

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