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「正統」は狭き門かもしれない ・・・。『正しい HTML 4.0 リファレンス&作法』について


ビレッジセンターHTML&SGML研究チーム著 『正しいHTML4.0リファレンス&作法』 ビレッジセンター出版局、1998

自分のページをつくるにあたって参考書がなーんにもなかったので、初めて買った本。ガチャガチャしてないんでいいと思ったんだけど、いかんせん難しい。

不幸にしてはじめて手にしたHTML解説書が本書だった人のために、わずかではあるがHTMLの基本を解説しよう。なに、難しいことなんて少しもない−−こまかいことを気にしなければ。いずれ(こまかいことを気にしだすと)この本の価値がわかるときがくるだろう。(p.21)

「不幸にして」だった私がこの本で学んだものは、「精神」というか「考え方」だった。まさに「作法」なのかもしれない。「ブラウザを限定するのはやめよう」とかね。「世間で誤用されている用語」ではじめて知ったことも多かった。長くなるけど引用してみる。(pp.19-20)

以下、本書の内容(文法的解説)とはあまり関係ないが、最近一部でいわれている誤用をまとめてみた。本書を使ってHTML文書を書き、世間に流す本文には関係あるだろう。あまり強く言いすぎると、ほとんど宗教的であるが、できるだけ正しい用語を使ってあげよう。
ホームページ
ホームページとは、たいていのHTMLブラウザのツールバーに家のアイコンでついている”ホームへ戻る”機能で、表示される画面のことだ。つまり「私のホームページ」は自分の書いたHTMLとは限らない。なぜなら、Yahoo!の画面をホームページに割り当てている人だっているし、設定の仕方が分からなければホームページはいつまでたってもNetscape社のWebサイトだ。OEMされたIEならパソコンメーカのWebサイトだろう。
私のホームページ/弊社のホームページ
自分でHTMLを書き、プロバイダに登録して公開しているもののことをこう呼んでいるとしたらそれは間違いだ。おそらく、最初にこの言葉を使った人は、自分のブラウザに登録すべきホームページをHTMLで自ら書き、それをみんなに見せるために"My home page"として公開したのだろう。自分の趣味範囲のリンク集を競うがごとく公開するのはその名残かもしれない。それがいつのまにか転用され誤用されたと思われる。この誤用を爆発的に広めてしまったのはマスコミの責任だ。「Webサイト」または「Webページ」、「WWWページ」が正しいだろう。だが、これだとなかなか世間に意味が通らず、電話問い合わせで「弊社ホームページは・・・・・・」と回答している自分がいる(苦笑)。
ホームに戻る
同じ理由でこれも間違い。”ホームページに戻る”というリンクをクリックしてブラウザで設定したホームページに戻ったということは聞いたことがない。同じWebサイトの最上階のindex.htmlに戻る意味ならば、「トップページに戻る」が一番近いだろう。または「Welcomeに戻る」だ。「Contentsに戻る」や「Indexに戻る」が正しいのだという意見もあるが、トップページが目次であるとは限らないし、IndexとはABC(あいうえお)順の索引のことだ。
ホームページアドレス
ホームページという言葉が誤用なのだから、そのホームページにアドレスなどあるハズがない。名刺に書くなら「URLアドレス」とか単純に「URL」としがほうが格好がつく。間違ってもHPなどと略してはいけない。HPといったら、ふつうHewlett Packardである! 一部のパソコン通信ユーザはHome Partyを連想するかもしれない。最新のHTML4.0仕様書ではURlsと表記しているが、URlsはURLを含む表現方法の総称で、いわゆるホームページアドレスはURLでかまわない。
タグ
本文でさんざん書いていることだが、これはタグではない。エレメントである。エレメントPを文中にはさみ込むとき、それは2つのタグ<P>と</P>で表される。だから、HTMLの書き手はその作業においてタグと呼んでかまわないが、解説書はエレメントと呼ばなければならないのだ。・・・・・・この違い、分かるかな?

私もHPというと、「ヒューレット・パッカード」と連想してしまうんだけど、「ホームページ」という用法がこれだけ定着していると、もうしょうがない気もする。本来の意味を知りつつ使っていればかまわないと思うし、要は話している相手と「ホームページ」という言葉を使って話が通じれば良いのでは、とも思う。

「正統」を知るには、すぐれた本だと思う。

「正統」は嫌いじゃないし、読む人、使う人にとって早くわかりやすく表示されるページが作りたかったから、「よーし、Mule使って自力で(”ホームページ”作成ソフトを使わずに)作ってやろうじゃないの」と意気込んだけど、結局、ホームページ・ビルダーの体験版で作ってるし>私 ただ、逆に思い通りにならない場合があるので、そのときはMule立ち上げて直してる。私のようなこんなシンプルなつくりで作成ソフト使ってるのかーと笑われそうだけどしょうがないやね。ちなみに作成ソフトで作ったページの、文法チェッカー Another HTML-lintでの結果はサンザンなものでした。

(1998/9/25)


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