用語集

付加価値

付加価値の定義自体は現在の経済学の通りに考えています。しかしその性質については少し見解が異なります。

付加価値的な概念としてマルクスは「労働が剰余価値を生み出す」と考えました。また近代経済学のGDP統計の考え方のなかでも、「総付加価値」の中に在庫投資が含まれています。つまり両者ともに、財が販売される前から、その生産が完了した時点ですでに新たな価値を内包しているという考え方になっています。

しかし私の考え方の中では、

(1)生産されたものが需要され、販売(=購入)されて初めて供給側に所得が発生することから、付加価値を所得分配上の概念と捉えているので、購入されてはじめてその価値が(所得として)実現するものとして考えています。

(2)また、マルクス的な論理立ての中で言えば、原料などを仕入れ、加工作業などの労働を行うことによって当初その原料が持っていなかった新たな使用価値がその商品に付加されます。しかし生産しても購入されなかった商品については、その使用価値も実際には使用されません。使用価値も実現しません。自分の生産したものが、他者から需要され、購入され、他者に使用価値を提供する。このことが「価値」として重要です。

上記の2点から、生産活動(労働を含む)により生れる付加価値・使用価値は需要があって、販売(=購入)されて初めて価値として実現するものと考えています。

 

乗数効果と

乗数的効果

ケインズが有効需要の原理の中で説明している乗数理論はもともと「公比が一定値である場合の数学上の理論」」です。「公比」に該当する「消費性向」は人や企業によりその数値は一定ではありません。したがって、政府支出などが及ぼす経済的波及効果も乗数理論で計算したものとは異なります。

仮に数学上の乗数理論どおりに計算する場合の経済的効果を「乗数効果」と呼びます。

また、消費性向が一定の値でない事を考慮した(乗数理論の計算結果とは一致しない)上での経済的波及効果のことを区別する意味から、乗数効果と私は呼んでいます。

 

消費性向

消費性向とは、消費関数曲線の数学で言う「傾き」のことです。

経済学のテキストでは「限界消費性向」等と「限界」という言葉が接頭語の様についています。しかし現在の日本の数学教育の中で、少なくとも高校くらいまでは関数の概念の中で、経済学で使われている意味合いとしての「限界」と言う言葉は有りません。分かりやすく表現するため「限界消費性向」を「消費性向」と表現しました。

「貯蓄性向」なども同様です

 

欲望と需要

旧来の経済学では人間の欲望は無限と定義している。

しかしこのサイトでは「人間の欲望」はマクロ的には有限。と解釈している。(経済学の目的の章参照)

有限の欲望の中でも「経済的な対価」を払ってまで手に入れたい(購買)というニーズを「需要」と定義する。

 


  この章の内容についてご感想・ご質問

 ホームページへ

テーマ一覧へ                    前のテーマへ                    次のテーマへ

 


 Since July 2000.

Copyright(c) 2000 Nakayama Nozomu All rights reserved.