地下の音楽スタジオのある家
前庭を囲むL型のプランと大きなルーフバルコニー
完成当初の南側の外観 駐車スペースは砂利敷、アプローチも自主施工としました
以前のお住まいの近くに見つかった土地は、地主さんのもつ大きな敷地や畑などが混在する住宅地。
敷地は約11×11mの大きさで、その中に駐車場と前庭のスペースを取り、それを囲むようにL字型に建物を配置しました。L型の飛び出した部分は1階のみで、2階部分は4.5×4.9mの大きなルーフバルコニーとなりました。
タイルの敷かれたアプローチ 前庭は菜園に!
大きなルーフバルコニー FRP防水の仕上げです
隙間には後日落下防止ネットを張っています
手すりの詳細 メッキしたスチール支柱と木の組み合わせ
塗装はお客さま施工
ダイニングテーブルとキッチン
引違戸の玄関を入ると、ダイニングとキッチンです。キッチンは火気使用室として他のスペースと区切っていますので、ちょっとした囲まれたカフェのブースのようにも見えます。
吊戸棚につけられたカップホルダー
左右に奥行60cmのステンレスカウンター
シンク側 右奥は電子レンジ等置場
コンロ側 正面と横壁面はステンレス貼
収納・引出は収納予定品に合わせて製作
キッチンから 家族のいる様子がわかります
ファミリースペースからダイニング見る
メインのファミリースペース。吹抜けの空間。
写真では見えていませんが、夏冬の上下温度差を和らげるために天井には天井扇がついています。
この家はほとんどの柱と梁の家の骨組みの部分を見えるように仕上げられています。普通の家だと見えない部分ですね。力強さと木の素材感が良いのです。壁は木目の少ないシナの木の合板。木目を残した白色の塗装をお客さんと一緒に塗装しました。
ダインングのテーブルは大工さん製。左の壁際にはベンチがずっと連続しています。ソファは置かずに、子どもたちが広々と使えるようにしています。ベンチは上げフタ式になっており、季節ものや普段は使わないものを収納できるようになっています。全部合わせると結構な収納量です。ベンチは普通の椅子よりも少し奥行きを作っています。例えば座布団を置いて、そこにあぐらをかいて座ってもいいようなイメージ。あるいは背中にクッションを置いて座ってもいいような寸法です。
床はカバの無垢フローリングです。
人がたくさん訪れた時の風景
TV収納棚とスチール製の階段
2階へ上がる階段は、南側にあります。採光や風通しを妨げないように、また存在感が出過ぎて圧迫感のないように、スチール製の細めの部材でつくりました。
階段手前の棚はTVやオーディオ関係のものが収納される予定の棚です。その向こうは地下へ行く階段のある場所です。この階段と手すりもお子さんが小さいうちは心配なので、後日白い落下防止ネットを張りました。
階段の上がり口でファミリースペースを振り返る
TVとオーディオ関係の収納棚
TVとオーディオ関係の収納棚は壁と同じ素材で作りました。こちらも大工さんのお手製です。収納にはコンセントやTV端子などがあります。各棚板の間には穴があけられていて配線の自由度をあげています。後からの配線をやりやすいように後ろのパネル取外しできるようにしました。地下へ下りる階段側から配線が見えるようになります。
吹抜け南側の窓 1階と最上部は開閉式です
北面の空が見える窓
階段を上がった見返し
1階のベンチやダイニングテーブルに座った時に視線が抜けて、風が感じられるような位置に窓をつけています。
ダイニングテーブルの壁際にあるベンチはファミリースペース一面、階段のところまでグルっと続いています。子どもが遊びにくると、必ず走ります(笑 )
2階から吹抜け、階段を見る
吹抜けを上から覗く ベンチは階段まで続く
吹抜けとの境は手すり壁
机を置く予定 コンセントを用意してあります
左がルーフバルコニーに出る掃き出し窓
仕切りのドアや壁も初めから用意するのはやめました
子どもスペースからバルコニーを見る
洗面室、約3畳分 奥にたっぷりの収納
タイル貼りの浴室 人造大理石の浴槽
1階のキッチンの奥には洗面室、浴室トイレ、タタミの部屋があります。
洗面室は約3畳分の広さがあり、一般的な洗面室よりも広く作られています。その分洗面台を広く、そして収納をたっぷりと充実させました。左写真奥が壁一面の収納で、タオルや家族各人の着替えなどをしまえるようになっています。
浴室はユニットバスではなくタイル貼りの浴室です。GROHE製のシャワー、船舶用の照明を選びました。
寝室へ行く廊下部分には家族みんなで使えるコートや鞄などの収納棚を作りました、FAXもこちらに置けます。リビングでは子機を使って邪魔にならぬようにというお客さんのアイディア。
玄関脇 ホワイトボードの壁
コート掛けとバッッグ等、FAXなどの置場
タタミの部屋
階段、右にTVの入る棚
階段を見おろす
吹抜けに面した書斎
何もない状態の地下室
地下室天井
壁の隅に吸音材(建築時の端材です )
地下の音楽スタジオは予算的にも技術的にも本格的にはできませんでしたので、その中でできるだけ簡易に効果があるようにつくりました。
使いたい楽器がメインがドラムということでしたので、床を二重床にして周囲の壁と直接触れて振動を伝えない工夫をしています。天井もスノコ状にしてその上に吸音材を充填しました。
建築中に出た端材をお客さんと一緒に選別してキープ、入居後に壁の周囲に貼ることでかなりの反響を押さえることができました。また、床にカーペットを敷いたり、モノが入ることでも落ち着いてきたようです。
バルコニーから
郵便受け、インターホン、照明を組込んだ柱
なんと青い空!(お客さんからいただいた写真です)
建物概要:
北習志野の家
KN-House
木造2階,地下1階
敷地面積 :123.53 m2(37.36坪)
建築面積 :59.76 m2(18.08坪)
延床面積 :107.55 m2(32.53坪)
設計:大庭建築設計事務所 /大庭 明典
構造:安藤建築事務所 /安藤 美樹
ルーフバルコニー、吹抜、
地下室、音楽スタジオ
外壁:ガルバリウム鋼板角波
屋根:ガルバリウム鋼板立ハゼ葺き
床:カバフローリング
壁:シナ合板+オスモウッドワックス
天井:米松合板
撮影:大庭明典