8か月ぶりの新しいネタです。第4回です。

「あうんの呼吸」という言葉がありますが、呼吸が合うことを示す言葉がなぜ「あ」と「うん」である必要があるのか?。くだらない疑問ながらも、そう感じたことはないでしょうか。今回は、その疑問について考えてみます。
「あうんの呼吸」という言葉の意味を単純に考えると、用件を頼むときの最初の一言「あ」を発した時点で相手が全て理解して、「うん」とうなずく。そんなやりとりからこの言葉が生まれたのではないか、とイメージしてしまうかもしれません。
間違いではありませんが、正確な由来はもっと別のところから来ています。
梵字というのをご存知でしょうか。正確には悉曇(しっだん)文字と言いまして、仏教や密教なんかで使われる文字のことを指します。よくお墓などに立っている板、卒塔婆(そとば)に書かれている文字がそれにあたります。
この文字を五十音順(というかアルファベット順というか、要するに順番に並べた場合)の一番最初の文字を「あ」と発音し、一番最後の文字を「うん」と発音します。下にその文字を記します(「うん」の字、うろ覚えなんで違ってるかも知れません)。

「あ」は口を自然に開けた時に一番最初に発せられる言葉で、物事の始まりを表す。呼吸の最初で出る言葉
「うん」は口を閉じる時に発せられる言葉で、物事の終わりを表す。呼吸の最後に出る言葉

ということらしいです。
話はずれますが、世界中のどんな国のどんな難解な言葉でも、必ず「あ」と発音する言葉は存在するそうです。このことからも、「あ」は人間が喋るために最も基本的な言葉だという事がわかると思います。

閑話休題。もうおわかりですね。つまり、「物事の最初から最後までを網羅するくらい全部わかりあっている」ほど深い仲の事を指す言葉を、「呼吸の最初から最後まで」になぞらえて表しているわけです。

というわけで、今回はこれにておわり。

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