土地・建物・・・土地・住居部屋屋上、他
家具・家財・・・家具食器類、他電化製品
装身具・身回品・・・装飾品

 




























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土地



造成地



地価





新築




新居


マイホーム






兎小屋




マンション







アパート


団地






家さまざま





建築工事




ビルディング






エレベーター


エスカレーター
会場
別荘
菜園
変電所
部屋



床の間

茶の間


書斎


書架


本籍





囲炉裏
台所




化粧室








カーテン
屋上

屋根
















非常口
消火栓






表札





玄関



自動ドア


ドアチェーン
ドアホーン
噴水





障子


コインロッカー
シャンデリア








蛍光灯
スイッチ
間借り
建材
家具







椅子










回り椅子






金屏風
ソファー
火鉢

下駄箱

灰皿






珠のれん














三面鏡



手鏡
鏡かけ
時計


鳩時計

目覚まし
置き時計
砂時計
食卓
茶碗




















箸枕


スプーン
コップ
栓抜き
雑巾




洗面器
歯ブラシ

蝿叩き
爪切り














フライパン

自在鉤
包丁



ステンレス
まな板









火消し壺
こたつ
弁当箱
魔法瓶

ハンガー

米びつ

提灯
乳母車
哺乳瓶


歩行器



花鋏
数珠

バスタオル
紙パンツ
風鈴











裁ち鋏



毛糸
掃除機

洗濯機

冷蔵庫

クーラー

トースター

レンジ
電気器具
ものさし

電池
アイロン
電気毛布

マッチ


財布







ハンドバック
市場籠




風呂敷


袱紗
ステッキ
手袋


軍手


ハンカチ








腕時計






眼鏡





サングラス






老眼鏡


天眼鏡

ダイヤモンド


宝石











指輪







ネックレス


ペンダント



イヤリング
リボン

かんざし
田を売って土に未練のない息子
税金をにくむ掌にのるほどの土地
山売ってから歯車が狂いだし
草踏んで明日は他人に渡る土地
曼珠沙華宅地にかわる土かぶる
石地蔵までが追われる造成地
自然壊して月ケ丘星ケ丘
ふるさとの山を素肌にした文化
地価はぐんぐん働くひとを突き放す
凡人で地価には遠い金を溜め
売った値で買えぬ宅地の手付け金
地鎮祭終えて神主地価をきく
霊園の一平米も宅地なみ
坪百万他人の邸の値踏みする
シンデレラボーイは調布に家を建て
新築へ妻の稼ぎのあたま金
土地売って祖先にすまぬ家が建ち
遺産ゼロ自力で建てた木の匂い
新築の噂は畑売るらしい
娘の新居エレベーターのない五階
ゴキブリも完成待っている新居
こともなげに他人は家を買う話
マイホーム建てた順から脱都会
マイホーム学歴だけで建てられず
釘打ってからばたばたと住み古し
一生を担保に建てるマイホーム
馬車馬の荷物が重いマイホーム
売った値でもう還らない家屋敷
小さくとも大の字に寝る2DK
頂上を極めた目には兎小屋
兎小屋道化の服が干してある
ひな壇へひと部屋あける兎小屋
兎小屋隣もきゅうりきざむ音
兎小屋家具の谷間で子を育て
マンション暮らし淋しからずや鍵いくつ
マンションを羨みスラム化論を持つ
マンションの扉の中にある故郷
銅像の孫マンションにひそと棲む
マンションと呼ぶモルタルの二階建て
マンションに取り越し苦労せぬ女
マンションをシャトーと呼んで庶民住む
二人目を考えさせる2DK
アパートに籍はどうでもよい二人
アパートの五階きりもみして降りる
アパートがみんな仲よしとも見えず
団地いま国旗一本見つからず
引っ越しに誰も見送らない団地
団地住まい妻に茶屋のある実家
自家用車野宿の外はない団地
だんだんと団地サイズに馴らされる
お医者やあい先生やあいニュータウン
中流の意識競っている団地
建て売りをけなして見てる届かぬ手
建て売りを素足の女ぽんと買い
大阪は家のすき間に家が建ち
プレハブを侮って未だ建てられず
貸家札昔は斜めに貼ったもの
おとなりへ聞こえますよと隣から
鉄を組む指令下から笛が鳴る
騒音はよそ様が建つ杭の音
こっそりとする増築が派手に見え
棟上げに男の酒が置いてある
不法建築がモダンに出来上がり
わが窓の海を奪ってビルが建ち
目の黒いうちに建てとく夢のビル
時流れビルが見おろす天守閣
古都の美をそこなうビルがまた一つ
また一つ美田を消してビルが建ち
自殺志願へビルは一層高くする
後継ぎのセンス老舗のビルが建つ
エレベーターデートのように二人出る
東京孤独エレベーターを押すボタン
エレベーター花嫁さんと乗り合わせ
急いでもエスカレーターマイペース
会場づくり終わって壇上から眺め
軽井沢ひとの別荘見てまわり
鳥獣保護区菜園が荒らされる
働いているとは見えぬ変電所
鍵のない部屋でだまされまいとする
浅酌低唱日本に粋な四畳半
めんどうな計算部屋が冷えてくる
整理すると淋しさだけが残る部屋
床の間へペンキ塗られた負けいくさ
床の間を背負ってお面はずせない
目にドラマ耳に野球の夜の茶の間
縁談も別れ話も来た茶の間
片づかぬ茶の間に父母の愛がある
本に手が届く書斎で孤にかえる
片づけてすぐに散らかるのが書斎
風邪ひきそうに整理した書斎
わが書架に心足る日と足らぬ日と
書架派手に飾ってマンガばかり読み
のらくろの復刻がある父の書架
本箱に確かな僕の息づかい
週休二日トロフィーばかりふえる棚
吊り棚を母の高さにきめる嫁
母病んで眼鏡が一つ棚にある
点数をかせぐ心算の棚をつる
壊される日は遠くない父の棚
信頼が出来た囲炉裏の暖かさ
よそ行きに着替えてからも台所
エプロンは流しの高さから汚れ
台所悲しい日にも湯気を上げ
基準法違反と笑う台所
妻病めば茶碗が多い台所
同性の中傷に泣く化粧室
たかまどがひと目我が窓風致地区
人ひとりやっと生きてるそんな窓
あかあかと今夜は父の帰る窓
美しいひとの居そうな窓あかり
両方で気になる窓が一つあり
紅白の幕の向こうは椅子を積み
鯨幕逢うてはならぬ人に会い
そして幕妻が喝采してくれる
しあわせの一つカーテン替えた朝
愛情の飢え屋上のハーモニカ
屋上の眺め悪人など住まず
GNP大国小さい屋根に棲む
カラフルな屋根にローンという重荷
信用で続く老舗の低い屋根
屋根の草風の運んで来た命
静もりて昔の瓦重い街
瓦一枚の寄進で老いの心足る
頑として過疎に生きぬく鬼瓦
背を向けたまま信じ合う鬼瓦
わかるような顔に石庭見つめられ
観戦記序盤あたりは庭をほめ
練り塀の中はけがれぬ京の庭
四面楚歌されど花咲く庭のあり
アベックへぽこんと鳴って鹿おどし
尉と姥広いお庭をもてあまし
名刹の庭に心の目をひらく
枯山水石に絵ごころ詩ごころ
争いを抱えていても花の庭
訓練のときは開いた非常口
訓練で錆を落とした消火栓
近所などいらぬ屋敷の門構え
篤農という百姓の門構え
ブロックで囲み人情疎く住み
心持ちゆずり合いして塀が出来
門限に塀のりこえた行状記
いたずらをしてみたくなる白い壁
表札を変えても運はむいてこず
表札をまっすぐにして父帰る
別居する子の表札を書いてやり
表札を拭く雑巾の水をかえ
政治家の表札誰も盗まない
表札がまだ落ち着かず新興地
玄関で決めた返事を奥でする
玄関で貫禄負けの靴の艶
豪勢な扉もローンの音がする
車椅子で叩く扉はみな厚い
忍者でもないに扉がすっとあき
拒みたい人もあろうに自動ドア
踏めば開くドアばかりではないぞ
人間は信じてならぬドアチェーン
ドアホーンかならず帰る父である
逢う人もなく噴水のある広場
虹をつくろう噴水いつも努力する
お隣で遊んでもらう畳替え
畳でもつまずく老いの愚を重ね
舞う一歩一歩の重さ知るたたみ
子育てがすむまで延ばす畳替え
はずれない障子一枚祝いごと
やすらぎは母の匂いのする障子
歳時記のとおりに妻は障子はる
コインロッカーみんな秘密を抱く姿
コインロッカー都会の悪へ加担する
おずおずと来た会場のシャンデリア
素晴らしい夜景貧しい灯もまじり
団地の灯くらしに合わせ消えてゆく
灯を消して無念無想とはいかず
負け犬を迎えてくれる灯が一つ
夏の灯のどれにも父と母がいる
思いきり泣かせる部屋は灯もつけず
会者定離遠く近くに灯がともる
マンションの灯は精一杯に生きている
蛍光灯叱ってやるとパッとつき
スイッチはここといっぺんつけて見せ
根ほり葉ほり聞かれて間借り決まりかけ
合板でもっともらしい木の素顔
米売った金ふところに家具売り場
新築へ移された家具伏し目がち
家具までが背く気がする妻の留守
2DK虚栄の家具が納まらず
ピカピカの家具をそろえて親心
家具売り場親子三人かけてみる
机三つどの子が出世してくれる
支那机愛には遠き会話もつ
現場から見れば事務所の無駄な椅子
左遷した椅子に左遷が来て威張り
平等の椅子へ凡人疲れきる
面接へ欠勤の椅子つかわれる
堅い椅子でも食べさせてくれる椅子
寝返った男に椅子を奪われる
是が非でも座ってみたい議長椅子
メリットのない会長の椅子は空き
切れ者で惜しいが座る椅子がない
過ちを認める椅子へ浅くかけ
反骨のうだつ上がらぬ堅い椅子
家康の思慮でさばいた回り椅子
回り椅子人が変わったとも言われ
回り椅子で家紋を磨く男たち
権力があぐらをかいた回り椅子
回り椅子深く掛けると眠くなり
しごかれた日がありがたい回り椅子
影武者がほしいと思う回り椅子
末席の母より遠い金屏風
前身が覗くソファーへ斜にかけ
拝観料でたべる火鉢と足あぶり
物置きの火鉢に父が母がいた
下駄箱の不服このごろ靴で混み
下駄箱という一足も下駄はなし
灰皿の知る商談はせちがらい
灰皿の掃除はたばこ吸わぬ人
灰皿の小さな火事をお茶で消し
灰皿のあわれトイレに左遷され
言い負けた語尾灰皿に温める
客去ってその灰皿に人を知る
表彰状額はあなたが買いなさい
丸まげの頃なら邪魔な珠のれん
旅の駅鏡の中の我に逢う
今日からの孤独をうつす鏡ふく
ひとり生きて鏡に行って参ります
こころ売る日の鏡から逃げている
眉をひく鏡をつつむ夜のこころ
鏡よ鏡美しくなれ若くなれ
映るものみんな鏡にして女
モナリザの微笑真似してみる鏡
本当の顔は鏡に映さない
ただ事でないと見抜いている鏡
晴れ着きて鏡がこわい五十妻
ふけたなと呟く鏡の中の影
嫉妬した顔を鏡がたしなめる
美しい過去は鏡の底へ埋め
三面鏡その一面に鬼が棲む
笑顔三つうれしい朝の三面鏡
化けすぎへ三面鏡があざ笑う
三面鏡命あずける人が出来
手鏡へ女の業を溜めて老い
老いてなお女が匂う鏡かけ
情けかも知れぬ止まっている時計
積善の家を守って古時計
五分ほどすすめて母の寝る時計
鳩時計一人暮らしへ弾まない
鳩時計夫婦のドラマ見て飽かず
間の抜けた目覚ましが鳴る日曜日
置き時計わが心臓も夜をきざむ
決断は急ぐなという砂時計
食卓のひろさにさむい海がある
ほめ方を知らぬ茶碗を持たされる
茶碗二個それで世帯を持った父
人のいのちと同時に果てるめし茶碗
充実の中で二人の茶碗買う
茶碗が割れる厳粛にこっけいに
お茶碗も男尊女卑に出来ている
割れた皿独り言して継ぎ合わせ
お返しの皿へわが家の味をのせ
マナーマナーと何を食べたか皿の上
好物へ亡き父思う箸をつけ
朝晩に箸をおがんで敵がなし
想うこと別に二人の箸動く
しきたりは良きかな箸へ掌を合わせ
塗り箸も剥げて素顔の倦怠期
やがて来る別れを箸は知っている
箸二本の重さもやがてわかるはず
孫の名が増えた今年の祝い箸
雑煮箸夫婦は同じこと思う
幸せはふれ合う箸の音にさえ
割り箸のはさむ七味が直訴めき
割り箸に密かな誇り吉野杉
箸枕女将自慢の京の四季
銀の匙心に棘のある会話
銀の匙ただ一言を待ちわびる
物思いするスプーンはまぜるだけ
秋風にコップが一つ生き残り
栓抜きは仕合わせうすき人の胸
箒より雑巾しぼる子に期待
雑巾へミシンジグザグデモをする
雑巾の刺し子に母が正座する
雑巾で顔拭かれてるまねき猫
竹ぼうき一円玉を掃いている
洗面器両手でまるい水すくう
生きているあかし歯ブラシみんな濡れ
歯ブラシが皆濡れている朝の幸
蝿叩きいつしか出来た裏表
切っている人へ爪切り予約する
鍵っ子のカギは大事なペンダント
防犯の集い錠前買わされる
合鍵が五分で出来る恐ろしさ
鍵穴も凍てつきひとり来た任地
鍵かけて出ても女は気にかかり
渡された鍵のささやき握りしめ
鍵かけてくつろぐ顔を別に持つ
鍵のある引き出し子との距離を知る
子の部屋の鍵が孤独にしてしまう
合鍵を渡すひとつの運だめし
ニューム鍋妻のたわしに負けて艶
念入りに鍋を磨いて気を鎮め
老い二人小さな小さな鍋を買う
行平の粥から愛を感じ取る
フライパン楽器にされた音を出し
フライパン用がないから壁へ向き
自在鉤古いなさけを語りだす
心澄む日の包丁のリズミカル
使い馴れした包丁が怖い日も
ぎこちない包丁の音に寝ておれず
帰省する子に包丁のはずむ母
ステンレス錆る自由が恋しかろ
俎板の凹み夫婦にある歴史
まな板のくぼみおんなの歳時記か
幸福な音か大根を切るリズム
まな板に女の業を刻む音
まな板がざらつく心乾く日に
出土した壺が死にそう排気ガス
壺ひとつ飾り小さい贅に居る
流行へこびぬ青磁の深い艶
手作りの壺に楽しい夢を活け
甘酒の壺を覗いて亡母と逢う
火消し壺未練なものが溜まりすぎ
ジャンケンでこたつから出る用が出来
働きが違うでっかい弁当箱
魔法瓶というから酒が出てきそう
ポットの湯かえて夫婦のすれ違い
ハンガーに今日の疲れがぶらさがり
ハンガーに四季ぶら下げて独り者
米びつの底に溜まったノラのうた
米櫃が確実に減る幸せよ
提灯の明かりで嫁に来た話
若き日のライバルが押す乳母車
哺乳瓶育ちで情緒には欠ける
だれが親でもよさそうな哺乳瓶
哺乳瓶何か足りないものがあり
歩行器へ息つくひまがない畳
歩行器をもらってからの家具の疵
歩行器はここと思えばまたあちら
ビー玉をいくつも溜めて孤児の箱
片手間にとった師範の花鋏
老いらくの恋お土産に数珠を買い
たぐっても数珠に終わりのない悟り
バスタオルまといちょっぴり妖婦めく
文化とは侘びしきものよ紙パンツ
風鈴をうるさいと言うふしあわせ
風鈴はやがてこころの奥で鳴り
風鈴は暮らしに染まぬ音をたて
針持てば愛も嫉妬も湧いてくる
和裁塾針は数えて仕舞うもの
逢えぬ日の針はしきりと指をつく
母の面影追えばにじんだ針の先
針穴に通すえにしの糸の彩
針を持つときの安堵はほんもので
三年に一度ぐらいは針をもつ
男が針を持つと貧しさが目立つ
もめん針亡母の夜なべが恋しいか
リホームにセンスが光る裁ち鋏
思い出が糸にきしんで紅の裏
白黒の糸でことたる寺住まい
絹糸をならして思慕がたちきれず
古毛糸マリオネットの髪に生き
掃除機の先で男を追いまわし
掃除機のあとから母は掃きたがり
洗濯機回して終わりなきドラマ
洗濯機わけへだてせず回るだけ
冷蔵庫出れば意気地のないバター
冷蔵庫満タン主婦の幸福度
クーラーの部屋で戦友会の贅
冷房完備長居のつらい年となり
お茶漬の音が嫌いなトースター
皆一度に起きても困るトースター
電子レンジ月賦で愛のない料理
保証期間待ってたように故障する
着物にはまだ執着のくじら尺
二尺ざし妻の旧姓まだ残り
まだ役に立ちそうなのに乾電池
アイロンの余熱愛しく冬に入る
電気毛布へこんがり焼かれそうに寝る
粉炭も大切にする姑の過去
別れともなき人かばうマッチの火
罪一つひそめて帰る旅カバン
たたかいの日々を鞄に詰めて父
一人住む女きれいな財布もつ
寝そびれて落とした財布まだ思う
愛されているのは財布ではないか
押し寄せる値上げ財布を貝にする
見せる気はないが見られていた財布
旅慣れているので財布二つ持つ
穴埋めの財布は母が持っている
春財布妻には妻の夢があり
急停車ハンドバッグの蓋が開き
たこ焼きを一番上に市場かご
着ぶくれて駄目な男の市場籠
市場籠テレビ料理のメモと出る
市場籠持てば奥さんはと聞かれ
市場籠ぼくが持つとき酒と肉
風呂敷に里の土産は紐を足し
風呂敷のままで中身のわかる品
風呂敷のふくらみ孫は見逃さず
日本にしきたりがあり袱紗あり
ステッキをコツコツ冬が背をまるめ
手袋もハネムーンという白さ
手袋の白さ哀しい別れする
手袋の右はどこかで踏まれてる
うっすらと軍手の女ひげが見え
指先の余る軍手へ寡婦の意地
真剣に生きる軍手がまた破れ
かなしみでなしハンカチを振る別れ
ハンカチを洗うに男派手な泡
今日も暮れていくハンカチの汚れから
きっと泣くからハンカチは白にする
ハンカチを洗う昨日の罪洗う
僕の傘にもたれて妻と子との傘
ひとり傘にひとりの音がする時雨
ただ一人傘持ってきた雨男
そのかわり杖にはならぬたたみ傘
逢うためと別れるための腕時計
狂わせておけと日曜の腕時計
失業の腕にオメガが不遜なり
針のない時計をきらう年になり
子ら巣立つそれから針のない時計
言いわけはよそう時計のネジを巻く
デジタルに替えて若さを主張する
眼鏡拭く真意が読めるかも知れぬ
まだまだ死ねぬメガネを二つ持ち
肉体の一部眼鏡と五十年
善人に丸い眼鏡がよく似合う
時代祭メガネかけたをなぜ雇う
罪を消すたびに眼鏡の度が進む
サングラス席をゆずって見直され
おてんとうさまが恐いかサングラス
サングラスどきんとさせる道を聞く
サングラス外して歳を読みとられ
目の怯えまでは隠せぬサングラス
サングラスかけて変身した気持ち
背信の苦渋をかくすサングラス
老眼鏡買えと教えてくれた本
銀行が老眼鏡を貸してくれ
折れる気の老眼鏡を拭いている
天眼鏡蟻の対話が聞こえそう
この辞書も天眼鏡も亡母のもの
ダイヤはめて笑われてると知らぬ人
けし粒のダイヤでなごむ妻の指
節高の指にセンスのないダイヤ
一つ出し一つをしまう宝石部
素通りはせず買いもせず宝石部
宝石が乳房の谷にある虚飾
宝石をはずすと嘘が喋れない
宝石の話へ夫のってこず
宝石箱に四十代の彩をため
宝石を持つと神経質になる
宝石を手ばなし強くなる女
宝石に女の指が犯される
宝石に売った心が還らない
宝石の大きい方がよくしゃべり
宝石は心の中に持つつもり
働かぬ人の指輪がなぜ光る
誕生石まだしあわせは知らぬ指
母の手の指輪いまから予約済み
指ぬきの古色の中に母が棲む
よいことで売った指輪の白いあと
指輪など知らない母の手に育ち
すこしきつい指輪にこころしばられる
妻の手の今さらどんな指輪合う
税務署へ行くときはずすネックレス
ネックレス男の肌になじみかけ
踊りつかれた男に首輪の跡がある
点字の娘胸にイエスのペンダント
酒井四十の春をひそかにペンダント
ペンダント胸の谷間の深いひと
ペンダントすでに悪魔の棲む胸に
お婆ちゃんなどといわせぬイヤリング
祝賀会のリボンで客の品定め
胸のバラ大き過ぎては無礼です
貞操というはかんざしさした頃
中口正和
上松爪人
加藤明
古川佳子
永田暁風
津田草芽
大木俊秀
東元良顕
力丸花水
島崎信子
宮内泉都
大久保松露
村井豊子
柏原大然
高竹道雄
岡田敏子
岡田敏子
福田もとる
綱木千舟
礒野いさむ
高坂照男
中村孤舟
竹村順一郎
国吉幡枝
伊藤道彦
宮本風柳
河面しずこ
桑原狂雨
馬場凡
片岡つとむ
小野日生
武藤龍子
米倉好子
岡村嵐舟
佐伯みどり
那珂圭介
宮本時彦
長谷川歴青
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林一六
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桜井六葉
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冨士野鞍馬
礒野いさむ
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佐藤恒星
小宮美奈子
佐々木五郎
吉田良
川部幸太郎
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深野初胡
大橋昭城
桑原元春
力丸花水
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太田竹路
古跡一花
小寺燕子花
多田誠子
岩谷春郎
波乱丁
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長谷川芙美女
大倉修子
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小宮美奈子
森紫苑荘
高橋紀代
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西尾芙紗子
浜野当平
上松爪人
中田たつお
上野豊楽
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内田由子
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佐々木博子
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正司珠梨
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向田桜羊子
浦山雅世
三条芳文
北原晴夫
真島清弘
千手澄
杉山方夫
八木佐到子
中西信子
藤永格堂
東井たかし
竹内萬里子
蒲池義白
松下いつ子
柴田午朗
桑原狂雨
田中南都
上松爪人
池下まごし
岡田敏子
臼井はな枝
岩井澄子
岩橋芳朗
坂倉広美
大塚美枝子
尾形さつき
古川しげ子
辻とし子
谷川久仁子
河面しずこ
今井胡次郎
大木俊秀
南野敦子
高橋スミエ
二川三語
真弓明子
佐々木よしお
北島ふさ
田岡千里
石川寛水
小野清太郎
上西一誠
井崎雅子
鋳谷京糸
斉城史朗
片岡つとむ
二川三語
吉川しげ子
鋳谷京糸
辻本俊夫
上田斗六
入江刀介
岡田俗菩薩
奥豊价
竹重白城子
岸田万彩郎
高橋佳笑
田中玉枝
谷岡不可止
高谷梵鐘
岸本水府
中口正和
重村十雨
後藤破舟
浜田玲郎
川畑幸一
都築千幸
長谷川春蘭
庄司淡泉
永田暁風
神谷九楽
もんでんしょうこ
飯田尖平
森東馬
中島敏子
伊佐豊子
酒井路也
佐島風柳子
上松爪人
相川年子
村上長鼓
杉野睦朗
杉原正吉
高坂照男
長田一丁
福田昭人
住田英比古
立石弦月
大城俊文
飯沼照子
鈴木貴弘
井上りき山
木幡雅一
明石柳次
小野須磨子
松本城南子
中村晴魚
細川聖夜
石川寛水
住田三鈷
橋本言也
田中英
安田将幸
野邊喜美子
川妻またじ
兵頭かほり
村田秀畝子
吉田秀哉
田村青丘
隅一声
巽仲男
中津泰人
中西叶樹
博多成光
福田秋風郎
中西青嵐
谷川久仁子
古川喜久
森中恵美子
山本澄子
本田南柳
志水浩一郎
川田イ明
中西葦切
奥田かよ子
村中ひろし
庄司登美子
岩尾多見三
田中一窓
博多成光
赤松玉雪
上田佳風
西村国典
坂倉広美
北谷詔子
今井胡次郎
酒井光楼
上田文子
片山玄風
福田白影
坪田つくも
森川岳勇
山田菊人
石川石介