愛・・・愛・愛人、恋・片思い、失恋・その他
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髪洗う日の多くして愛すすむ 愛は地に満ちて戻った落しもの 両の手に捧げるものを愛という 粥を煮る男の愛にこたえねば 縺れ糸切れてひとつの愛終わる 関白宣言ほんとは愛のうたでした 愛の文字乱れて脱皮する少女 愛の唄あふれて愛のない世相 過去として許した愛の後遺症 そむかれる愛とは知らずネジを巻く パンちぎるその指さきに愛がみつ 愛かなし叱る言葉をよっている だれよりも君を愛して倦怠期 愛満ちて愛の尺度を見失い 七三の愛で七分は子に移り 生活の保証が愛といえますか 水飲んで胸の仏を温める 愛一つ掟の渦に消えてゆく 華やかな暮らしの中で愛に飢え 不倫にもかく美しき夕日落つ 涙など見せぬ気丈で愛に飢え 言い出せば火がつく胸で向かい合い セーターを編む裏切りを知らぬ指 いつか子にわかる女の愛に生き 足組んだ女は父母の愛に飢え それも愛調子はずれの子守唄 てのひらに捩れて切れぬ愛があり 大正の愛は楷書のままで老い うどん好き愛は確かめ合わずとも 愛満ちて愛の墓標を振りむかず 使いすてのカイロぐらいの夫婦愛 おおらかな愛の過程のマタニティー 追いつめて男の愛は冷えはじめ ネグリジェで愛の表現また変わり 悲しみをベールにつつむ母の愛 憎しみを越えると愛が広くなる 現実にもどって愛をおろかとも 束ね髪愛と知らずに夏終わる 挫折した心に愛の誘い水 逢い別れ愛は乾いてゆくばかり オイと呼ぶ愛全身で受け止める 愛と憎と同じしぐさの平手打ち おどおどと愛を求めるいくじなし 辞書を繰る愛を告げたい文字を繰る ぬるま湯でゆっくり愛をあたためる 引き伸ばす写真へ愛が倍になる 愛すとは一度もいってくれぬ愛 愛いつのまにか額面割れとなる 愛の距離歩きつづけるほかはなし いちご盛るひとつぶほどの愛が欲し 愛ひとつ私の胸で風化する 間違って見たシグナルさ消えた愛 絹糸でつながる愛を疑わず 愛の返信へセーター編み急ぎ まっすぐな愛に悪女がうろたえる この愛の行方を思い傘を干す 追憶に秘めた未完の愛一つ 残り火にたとえる愛をふところに 愛という重荷確かめつつ生きる 実るまで愛は態度で示さねば 頭から叱って欲しい愛に飢え 花作り花をもぎとる愛もある やせたなに男の愛をしかと受け 本当の愛がわかった不仕合わせ 陰膳という名の愛がまだ残り 愛冷えてきれいなままの換気扇 愛確か素顔の君が好きという 親たちは反対というそれも愛 泣き虫で通しひとつの愛を秘め カルダンのコートで愛が買えますか 年齢の差は尊敬でうめる愛 生活に困らぬ女愛盗む スケールの大きな愛の中で生き 病人の願いを拒む愛もあり 両親を敵にまわして愛に生き 宝石を届けて愛のくさび打つ 愛をかち得て失いしもの幾つ 水中花スナックで待つ愛の目に 愛の絵の色は二人でつくるもの 愛枯れて皺一つずつ増えて行く 流し台乾いて愛の破局くる 思い切りつねる女の愛確か けものにはなれずに君を灯にかえす 愛してはならない人の毛糸編む 愛人へ手編みを着せる冬が好き 日付け変更線であの人忘れよう 風媒花おんなはすでに身籠れり どういって渡そうセーター編み上がり 桜餅の桃色ほどの淡い恋 淡雪のような恋なら身に覚え まだ恋に遠いおじぎをして別れ 詩をかいて少年の恋深くなる 流木も砂丘も恋のあかね色 バス停を三つ歩いて足りぬ恋 胸嵐切手を二枚貼って出す レストランめし屋台と恋進む 歳月に恋のメッキが剥げてくる 告白へボートは沖へ沖へこぐ 原点に還ると恋がしたくなる 美しく乱れて恋の証聞く 病棟の恋はいのちを庇いあい ドアチェーン私の恋は半開き ATSこわれたように走る恋 複製の恋を模写する娘たち 無防備になって女が恋をする ひと押しの言葉が出ないそれが恋 風に飛びそう文鎮をおいた恋 今の世も恋してる目は伏し目勝ち 乱れ籠恋という字を袖だたみ ふる里へ見切りをつけたはずの恋 目に映るものいきいきと恋を知る 悔やみ状も来ない恋文くれた人 椅子の背に近づく人がわかる恋 殺されるそんな気がする恋をする 恋楽しシーソーゲームに似てたのし 伏せておく恋は女のたからもの なんとなく絵になる人でふり返り 好きな娘がいるからみんな撮ってやり 心まで盗まれそうな手を重ね 門限を守って恋も美しい どの恋も嘘はなかった青春記 女なり文珠へ託す恋一途 シクラメンの香りの中で進む恋 通勤車少女の恋か手話弾む 打ちあける恋噴水に励まされ 喝采がほしいきれいな恋拾う 年下と麻薬のような恋におち 橋渡す恋にわたしの道化役 紙コップのように一回きりの恋 風は乾いて笛吹くほどの恋もなし 尊敬が恋となりそう遠ざかる 遥かなる山河ひとりのひとを恋う ひと恋うは哀し憶良のむかしから ころすかもその極限に人を恋い 行く先は地の果てでよし恋行脚 マドロスの恋読み切りに似た港 太の糸恋の絆をたぐりよせ おんなもう恋を笑って絵筆持つ チョコレート五十の青春だってある 長生きの秘訣は恋をすることよ 中年の恋真っ白な足袋を履く 老いてなお燃える火種は持っている 星くずになって明治の恋きれい 大正の恋はマントで肩を抱き 軍服とモンペの遠い恋を聞く ラブレターあなたは恋の仕掛け人 海ゆかば手も握らずに散った人 もうそろそろ点火しそうな二人だが 同棲という切り札で親に会う パントマイム男と女の駆け引きさ 男と女果てることなき物語 恋人が息子を変えてゆく怖さ 初恋の前に初恋らしきもの 後添いに初恋の人来てくれる 初恋の人とスリリングな出会い 加代ちゃんが好き加代ちゃんに通せんぼ 初恋の手の温もりをまだ覚え 初恋の思い出にあるかくれんぼ 時は流れて初恋の人孫を抱く 深呼吸して初恋の人と会い 初恋に会って来た日の為証明 初恋の七つのボタンの墓碑に立つ 初恋のひとの一字をペンネーム 初恋のひとふるさとで歳をとり 初恋を女死ぬまで温める ドッジボールする彼ばかり見てたっけ 初恋の人に個展の通知出す それっきりの初恋でした小倉帯 胸こがす人美しい連れがあり 片思い相手の心よめぬまま 片思い筆より心先走る 寄せ書きへ並べて書いた片思い 片思い少女の地図は白いまま 縁薄き人の靴音小さく消ゆ 実らない恋美しいものにされ 逃げるなら追うまい恋の色あせて 移り気の果て真実の恋が散る 握手して別れるほどにさめた恋 指搦ませただけで少女の恋終わる 視界ゼロそんな気持ちで恋終わる 招待券二枚やぶって恋終わる 逃げ水のように真夏の恋終わる その日から日記がきれて恋終わる 恋終わる女にひとつ知恵がつき もう一度好きと言わせてみるデート 口笛にかわる合図のクラクション 行き届く彼でデートがつまらない おみくじの凶も笑うてすむデート おデートの相手に親が先に惚れ 逃げられぬようにアベック腕を組み 梅園にお蔦と主税らしい人 あすは逢う浅い眠りで聞く霧笛 さよならの街角明日も逢える人 逢う度に何か一つをほめる女 逢えば足るその空間が埋められず 何となく逢うて火種を消さず置く すぐ転ぶ靴突っかけて逢いにゆく 忍び逢う恋ときめきとためらいと 逢いに行くいそげば咳の出る女 湯どうふへ分別もあるしのび逢い 逢えば足る心に秘めてまだ逢えず 飛び込める胸があるから逢いに行く 逢う場所もいいな洛北しぐれする 逢える日を指折り数え千羽鶴 合歓の花人目はばかる人と逢う この人と逢うやましさの酒のいろ アクアラング乙姫様に逢いにゆく 坂一つ越え逢いにゆく胸の鈴 もう一人の私が逢いに行けという 両親が認めるまでの忍び逢い 辰巳橋逢える予感のうすあかり しのび逢うここは前科のある港 君の夢見たとそこらの石を投げ 風の午後逢うべきひとに逢うている いつも逢う場所へ逢えぬ日来てしまい 老いぼれるまでに逢いたい人がいる 逢うて足り別れて胸にのこるもの 降るような星を仰いでいつ逢える 面白い方ねと見合いまとまらず 気ののらぬ見合い無作法見てもらい 僕でない僕が見合いの席にいる 先様もうちも借家という見合い 母親の方が派手着ていた見合い お見合いをしたと女がせき立てる お見合いへ規格に合った顔でくる 見合い写真ならべちゅうちゅうたこかいな 剃りたての顔が見合いにてれている 母だけがうろたえている見合い席 プロポーズ今日も聞けない角砂糖 俺について来いが男のプロポーズ 転勤が決心させたプロポーズ 上司から縁談があり社のホープ ハイミスに帯にみじかい縁ばかり 縁談はほどよい嘘でまとめられ 嫁きおくれ貰いたいのとすれ違い どの親も同じ思いの釣書持つ 条件がよすぎ縁談また迷い 集金に行って縁談たのまれる 縁談が起きて気づいた好きな人 非がなくて非がありそうな聞き合わせ まわりから壊されそうな良い話 見るだけですまぬ写真をおいて行き 嫁ぐ娘としみじみ今宵のむビール フィアンセはやはり噂の人だった 床の間で結納品が揃いぶみ 結納もなく六十を添い遂げる 仲人はみなそれなりに美辞麗句 仲人をする奥さんを借りにくる 仲人は名だけで足りるゴールイン 仲人をした日の夫婦仲がよし 縛られにゆく花嫁の紐のかず 一と目一と目一と目花嫁さんが出る よいムード花嫁さんも箸をつけ 着せ替えの人形となる色直し 人形から素顔にもどる色直し かけまくも人形になる誓いする 花嫁を見る羨望の目回顧の目 花嫁の父の眼鏡はぬぐえない ちょうちんの明かりで嫁に来た話 好いて添う鬼千匹を恐れない 父からも涙をもらい嫁にゆく 業を詰め長持ち唄が揺れていく 結婚のおゆるしが出たレントゲン 結婚がすべてでないと淋しそう 結婚にふみきる父に似た人で 目録に車と書いて嫁にやり いい加減に嫁けとは父の負け惜しみ あなたの句見てますお嫁にゆきました 山越えて方言さげてお輿入れ 社内みなふられたように嫁にゆき 過去を知る人と目が合う角かくし 末っ子が嫁ぎ持ち駒空になる 縁あって妹と呼ぶ人が出来 嫁がせる娘とひと夏の短さよ この人と出会う今日まで回り道 松葉杖支えてくれた人と添い コーヒーで結ばれ酒で固められ ここからが人生の賭け角かくし かけまくもかしこみ他人結びつき 結婚式何んだかんだと派手になり 誓詞読むたたけばほこり出るふたり 秋さなか流れ作業の式を挙げ 会費取って職場結婚式あげる あんたなんか嫌いが今日のお婿さま 朗々とやがては破る誓詞読む 一枚の誓詞に一生縛られる ウェディングケーキに謎が詰めてある 男女同権新郎も色直し 結婚式の写真がないがいい夫婦 色直しからは借り着でない姿 佳き日佳き人花抱いて見送られ 白無垢へ父の視線の痛いほど 何もかも借りて結婚式終わる 花嫁という名も返す貸し衣裳 精薄児と遊ぶ埋もれゆく婚期 すさまじいものよ婚期の過ぎる音 風が止むと婚期はすでに過ぎていた 自信過剰颯爽として嫁きおくれ 落伍者かおんな四十を嫁き遅れ 新婚はいいなバケツの色にまで 銀婚もすみ相性も中ぐらい 力走をした日もあった真珠婚 金婚のここに極まる夫婦愛 振り出しの町金婚の旅で寄る 金婚へ曲がりくねった道で着き 残り火の温み結婚五十年 再婚に夫婦茶碗を買い直す ゴム長の母再婚へ振り向かず 娘もじっと再婚話聞いている 駆け落ちの果てはわかめを干す女 愛少し残しきれいな別れする どっちにも人気と金がある離婚 旧姓にもどるハンコが軽すぎる 割り箸のようにはゆかぬ離婚沙汰 倦怠期離婚の危機を子が支え なぜ離婚したか修羅場を知らぬひと お互いに疲れましたという離婚 子は何も知らず別れた人に似る 定型を少しはみ出た出戻りで 近況を聞けば離婚をしたそうな 口に出すと破局が来ると思うとき 子のいない救い未練のない別れ 良い妻になる筈だった離婚劇 離婚成立おんな静かに判を拭く |
岸本吟一 林千代子 林千代子 森田照葉 桜井真佐子 末光也寸絵 亀山冗考 吉富テイ子 奥田松子 加賀爪綾子 森中恵美子 保利与志凡 岡田千夜 重光拳二 金澤入道 松崎豊 浪乱丁 上野しげる 大崎晴子 平田一暢 佐藤花江 岡田恵方 藤田貞子 水谷一舟 東美宏 佐藤つる 古川静江 西岡ひろし 大村美千子 西野光陽 林田千代子 明石フミ子 野村正也 木村驢人 宮崎静子 高丸忠笛 高橋千万子 加納正子 岡藤寿 中田たつお 田中蛙声 塔下あづさ 都筑鷹児 住田英比古 森井詩鯨留 岩崎一博 川田イ明 盆野正義 岡田恵方 木野由紀子 長野昌幸 藤森弘子 木野由紀子 森東馬 笠川嘉一 遠藤枯葉 大田和たか 江口信子 川澄博 西尾芙紗子 篠永安江 平井綾女 岩橋芳朗 太田清子 佐々千枝 岡田ゆり子 竹村萬里子 中根四阿 岸本井浪 北山君枝 岩尾多見三 塩谷幸子 武藤龍子 坂元一登 古川静江 坂本昇雲 津田子午線 合田伍郎 長沢三麓 小林梅野 望月秀子 森本芳月 酒谷愛郷 太田成ひろ 早良葉 森八森 外山あきら 加茂すみれ 大橋美知子 田中南都 梶原芳枝 中村世志絵 松岡十四彦 大道美乙女 柴田午朗 前田辰男 末光也寸絵 服部談亭 奥田松美 荻田千代三 矢倉礼太 栗原黒子 富池茂人 松原禅 松村季夫 長屋無双 二川三語 田中桂太楼 大橋美知子 矢内灯雨 片岡つとむ 庄司登美子 細川普茶乃 江原佐智子 佐竹君女 喜田小夜子 竹村勝子 田中年寿 松本舎人 中谷知代子 鈴木咲子 長先暢柳 松野利昭 小出東南子 植松鉄幸 稲垣さだ子 松尾涛源 上段杉子 真下紗妥子 合田伍郎 窪田和子 三好呂生 浅野耕平 田頭良子 和田悠紀子 石川寛水 吉岡恒彦 坂五月 畑笑泉 串田武逸 鵜飼曳馬 森沢ふくゑ 浜口竹葉 高木観市朗 近藤ふくえ 小山悠泉 久保良子 宮崎和子 中島敏子 古川静江 川辺昭子 栗原文絵 伊藤道彦 中野いわお 合田桂水 柏原幻四郎 吉富テイ子 金泉萬楽 一色美穂子 竹内あきら 岡野みき 臼井三樹 中島ひろむ 内藤凡柳 原操 高見麟子 芝原路春 高橋昇三 徳重世津子 大畠いちろ 榎本徳蔵 瀬戸波紋 鷲津道代 山本逸山 多納巷雨 平井綾女 西野光陽 前田舟波 小出東南子 小枝つぐを 田中今日太 多田誠子 江上文健 園田恵美子 松村季夫 古川喜久 井尾純人 今村中間子 金泉萬楽 飯田尖平 松下いつ子 藤森弘子 長川幸代 田中初子 金村青湖 関藤とし子 大谷祥子 宮地幸子 浜川みつを 中田たつお 金内魚仙 川澄博 太田茶人 井原輝美 大和条一郎 庄司登美子 大出美貴乃 加納正子 小林愛穂 植松鉄幸 安部光子 岡田千秋 長崎義輝 林千代子 青木紀雍子 原操 笹本英子 高丸思笛 山田常楽 市丸方子 佐々木芳正 大野義広 中田白李 尾谷清風 桑田唯石 石川三昌 内久保勝子 小澤誌津子 遠山登 克ひろし 竹田桃生 橋本言也 堤可巧 下矢曲豆 永野誠子 西村芳川 中嶋政枝 高木久女 樋渡エイ 中村福太朗 内田松風 能村唐衣 牧園多恵子 堤可巧 仲庭卓也 尾崎たえ子 野田はつを 金泉萬楽 梶川雄次郎 北島醇酔 保木寿 田口令二 上野山東照 大久保松露 広瀬反省 鵜飼蟻朗 利光克寛 鍋島政夫 中西三智子 上段杉子 細川聖夜 中嶋恵美子 吉川勇鯉 船尾まつえ 吉田純造 坂谷一枝 小寺燕子花 板垣草丘 平尾卓三 越中今雨 青砥可明 松下孝夫 小林梅野 坂下久子 竹村温夫 和田宏 杉山海苔風 大出美貴乃 貴田金星 上野ただし 木幡村雲 宮本風柳 谷口喜伴 大塚純生 槇紫光 稲葉白鬼 南野敦子 金泉萬楽 長宗白鬼 谷岡不可止 神谷三八朗 栗原文絵 奥山千京 櫻井長幸 堀口赤槍 林原御竿 田向秀史 澤車楽 稲垣さだ子 安部やすを 西井たけを 石川勝 古川静江 平川礼子 辰谷白村 江口白東 竹内まとむ 酒井光楼 こだま美枝子 岡田ゆり子 岩田土筆 梶川雄次郎 中村小弓 藤瀬当馬 池田邦文 山本鯉影 佐伯みどり 乾千太郎 浜脇春江 竹内八重子 竹見吉弘 森秀夫 邑中都討子 住田英比古 |