家族・親類・・・夫婦・老妻家族、他



























































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夫婦




































































凡夫婦



夫婦仲

















若夫婦


老夫婦




































夫婦独楽







子無し夫婦












































亭主関白
幼妻













































































































































中年の妻



老妻



















後妻



病妻


亡妻


奥さん















































































亡夫




パパ


父と子






































































































母病む




ママ

母親

里の母






義母


亡母























親ごころ











親馬鹿



母と子








親子




























子離れ
わが子










































































自分



息子









長男


次男
三男

子宝




兄弟









姉妹















末っ子
































祖父母







養子

























兄嫁

主婦







嫁姑








家族






核家族





親類







伯(叔)父

伯(叔)母





本家
実家



先祖




双方があほくさという夫婦愛
幾たびの火の輪くぐりの夫婦かな
夫婦の和崩さぬ嘘を持ち帰り
子の頭越しに夫婦が出すサイン
荒れる日も凪も夫婦で織るドラマ
雲低くますます黙りこむ夫婦
落日に染まりたしかな夫婦像
夫婦という鎖が重い日もあって
台本は持たぬ夫婦の綱渡り
離婚沙汰夫婦のパズル解けぬまま
夫婦でも触れぬ話題の二つ三つ
愛はほそぼそ夫婦の長い綱渡り
二人三脚男あっけなく転ぶ
お隣へおもろい夫婦越してくる
見た目よりもろい夫婦と言う他人
制服の夫と急な用で会い
一日が長い夫婦で嘘を積む
一つずつ許し夫婦の愛つづく
噂ぐらいで切れぬ夫婦の連結器
はずせないレールで夫婦歩み寄る
歳月が似た者夫婦作りあげ
来てやったもろうてやった仲が良い
みかん二つずつ正確に食う夫婦
父さんと呼ばれ子のない夫婦箸
妻の手の熱しこの世にふたりきり
霧深し夫婦の思想寄り添えず
子を中に夫婦でつくる無風帯
若い人へ悪い見本にする夫婦
よく出来た子とは夫婦で話すだけ
訴えて訴えられてまだ夫婦
ちぐはぐに狂った時計持つ夫婦
信じてるだけでは頼りない夫婦
貧乏になって夫婦をとり戻し
それは序曲夫婦茶碗が欠けました
消し炭のような愛です夫婦です
おもろい夫婦になるまでの幾山河
子夫婦と同居失うもの多し
二人ともギッチョで仲の良い夫婦
風雪の夫婦の積み木崩れない
沈黙の中に対話があり夫婦
折り返し点から夫婦らしくなる
なるようになった夫婦の無言劇
ジョニ黒か赤かの違いああ夫婦
相づちがすこし鈍ってきた夫婦
涙もろくなったと夫婦して笑う
無造作なしあわせがあり夫婦下駄
離れゆく子らへ夫婦で架ける橋
誘惑をしたとされたがよい夫婦
言いわすれ聞きわすれして夫婦寝る
嫁がせて夫婦無口にテレビ見る
思い出の歌別々に持つ夫婦
人生の割り符を持って夫婦旅
子ら遠く二人に余る梅漬ける
愛憎のリバーシブルを着て夫婦
止めどきを知って夫婦は喧嘩する
歯車のあわぬ夫婦の茶がこぼれ
お互いの毒素を溶かしつつ夫婦
夫婦にも寄せては返す波があり
ヤジロベエ揺れて夫婦にすき間風
偶然に夫婦が同じことを言い
たそがれの夫婦で同じ鋳型持つ
同じこと夫婦で思う日の無口
不覚にも妻のタクトで踊らされ
鯉のぼり子なし夫婦の目にしみる
幾山河越えた夫婦の菊日和
大正の夫婦が好きなジャンギャバン
ずけずけと貶して仲の良い夫婦
さり気ない会話に足りるとき夫婦
冠婚は僕葬祭の使者は妻
登り坂の先まで読めぬ凡夫婦
秋の露トレパンで踏む凡夫婦
やすらぎを晩年に置く凡夫婦
妻の出すサインわからぬまま凡打
その昔おくれ歩いた夫婦仲
夫婦仲魚眼レンズで覗かれる
貧乏くじ引いたと夫婦仲がよい
画然と分けて夫婦の小引き出し
作曲と作詞夫婦の呼吸が合う
本当の夫婦ならああは手を組まぬ
二人三脚このごろ少し疲れぎみ
負けて勝つ夫婦の仲もそれでよし
妻と来て女将もほめる夫婦仲
知恵の輪のようなもつれあり夫婦
歯車のかみ合わぬまま夫婦坂
車間距離保ち夫婦の平和な日
きっとこの夫婦は雨期にたえるだろ
合わぬ反り合わせつづけて来た二人
勝ち負けのけじめをつけぬのも夫婦
アイロンの余熱のような夫婦仲
同権へ互いの鎖のびてくる
千人の足音からもわかるひと
母の目にままごとの若夫婦
返事だけ早い二階の若夫婦
身ごもって小鳥をはなす若夫婦
哲学の小径を犬と老夫婦
老夫婦孫の残した花火たく
企みもなく陽が沈む老い二人
子ら巣立ち昔へ戻る小さい鍋
極楽行きの夫婦切符は買ってある
老夫婦嫁に洗脳されていく
グリーン車は枯れた夫婦になってから
美しく老いた夫婦のお茶の味
打てばひびくふたりになって下り坂
聞きちがい言いまちがいの老夫婦
古都ひそと人の字に似て老夫婦
老夫婦鳥のすり餌に似た食事
老夫婦要領悪く手をつなぎ
茶飲み話遺言めいて老夫婦
茶を注いで思えば長いおつき合い
めおと箸象牙の色も四十年
鷹生んでみても余生は二人きり
金ためて殺されそうな老夫婦
五十年とろ火の中のシテとワキ
しあわせな夫婦きれいに老けてゆく
連れ合いと呼んで明治の夫婦仲
おれが先わたしが先と死ぬ話
子はみんな巣立ちふたりの白い地図
性格の合わないままで妻と老い
老夫婦互いにかける自己暗示
ギリギリの妥協で夫婦老いてゆく
言い勝ってみても詮無い老い二人
老夫婦産卵終えた鮭に似て
酒とある障子あければ老夫婦
つじつまを合わして夫婦老いてゆく
老い二人飾り釦の位置にいる
とじぶたの合わないままの共白髪
淡彩に染めて夫婦は老いていく
妻を一度もなぐらず老いてふと淋し
同じことを考えていた老夫婦
アルバムを閉じれば元の老夫婦
七階で土がこいしい老夫婦
円周を描き分けている夫婦独楽
傾斜したままに回るも夫婦独楽
小さい意地捨てて悔いなき夫婦独楽
生きるため子のため回る夫婦独楽
疲れても疲れてもなお夫婦独楽
噛み合わぬ日もあり回る夫婦独楽
夫婦独楽かたむきながらまだ回る
いうなれば惰性で回る夫婦独楽
飽きもせず金婚という夫婦独楽
子のいない夫婦が磨く銀の匙
祭り太鼓遠く子供のない夫婦
子で苦労したいと思う子無し妻
かくれんぼひょっこり亡夫出て欲しい
主人とは名ばかりただの下宿人
駄目な男の見本は妻の機嫌取る
妻の靴も磨いてやった出来ごころ
妥協せぬ夫の部屋のモノトーン
ぜいたくに育ちつぶしのきかぬ夫
歯に衣を着せず夫のかたい椅子
寝込まれて夫の歳をふと思う
口きかぬままに夫の靴みがく
いそいそと出かけて夫うそが下手
手のかかる主人ですのと楽しそう
見なければよかった夫の空財布
期待したころの夫は怖かった
マイダーリン昔はこちの人と呼び
先に死ぬのは夫と決めていた誤算
エプロンの似合う夫で頼りなし
空籤と知ってもすでに夫なり
なんでも食べてくれる夫も頼りなし
美しく老いたし亡夫と逢う日まで
自惚れる夫へ妥協してあげる
不用品交換夫を出しましょか
何もせぬ方が一番あんたらし
妻病んで手も足も出ぬ夫です
左遷かも知れぬ夫の靴みがく
妻ひとりさえしあわせにしてやれず
孝たらんとすれば妻に忠ならず
よくできた妻とは胸の内のこと
キーホルダーここにも妻子ぶらさがり
妻の掌から逃げて真っすぐ歩けない
がんこさと妻を愛することは別
妻や子を思い私も口噤む
イエスマン戻れば妻を酷使して
妻と子のために愚かな妥協する
ずぶの下戸妻の目にさえふがいなし
愛してると妻には言わぬ方がよい
平坦な道で妻子を連れている
車椅子妻の愛情背に受けて
居なくてはならない妻を叱りつけ
ちっぽけな妥協ドラマを妻と見る
妻の留守砂糖のつぼと塩のつぼ
失意の夜妻の茶目っ気ありがとう
亭主関白横目で妻の同意得る
亭主関白淋しがりやのお人好し
わがままも魅力に見える幼妻
そして一年女と化した幼妻
妻という女へおんな斬り返す
喝采のない花道に妻が待つ
いい歳をしてよう寝ると妻が言う
それなりのめざめか妻のペン習字
うるそうてかなわん妻と旅に出る
恋歌を妻が唄えばねむくなる
まだ何も言わぬ心を妻が読み
誘われて出て行く妻の忘れもの
踏み台になって良妻満ち足りる
妻と娘がおとこに用のないはなし
良妻も時に男を皿にのせ
或る時の妻は賢くまた愚か
蕗を煮るドルもポンドも知らぬ妻
花好きの妻の心にあるゆとり
勲章の裏に妻の名書いてある
凡妻の余暇をせかせかボランティア
二三分ほどの祝辞に妻の知恵
死火山でなかった妻が動き出す
身に覚え僕より多い妻の皺
食べず待つ妻へ電話は酔うている
相槌をうてば気のすむ妻の愚痴
貧しさが妻をこんなに喋らせる
矢面に勝ち気な妻の席を置く
欠点のない妻だからこわくなる
借りに行く勇気は妻がもち合わせ
妻と娘の出すヒントには罠がある
あがらない凧とは知らぬ妻の掌よ
逆らわぬ妻であわれと思う日も
妻の意地子供に聞いてもらいます
療養の世話をつづけて妻になり
妻がうつ銃には弾が抜いてある
あきらめた妻にあやまること多し
僕の字とくらべ妻の字ほめられる
妻やっと座ればそこで何か編み
腕に職があって一言多い妻
今は昔心の太陽だった妻
エンドレステープのような妻の愚痴
波止場に待つ時だけ妻が美しい
それはシビアな妻という名の管理職
偽証罪妻は時効にしてくれず
深爪を切ってふきんの白い妻
真っ直ぐに帰るリモコン妻が持ち
妻は妻なりの哲学子を庇う
体面にこだわる妻に引きずられ
妻時にノラを夢見つ米を研ぐ
四面楚歌強気の妻の策でぬけ
許すことばかり翔べない妻だから
下町に住みつき妻の話好き
妻きょうは刑事のような口をきき
健康な妻でLL寸を着る
生きてゆく力半分妻のもの
月に一度は堰を切る妻の愚痴
半分の大きい方を妻がくれ
ふり切って帰れば妻の走り書き
何もかも知ってた妻が茶をいれる
気まぐれの妻の抵抗春うらら
他人には良い人だから妻のぐち
泣き伏した妻の背ふれるところなし
空き巣ほど探しものする妻の留守
ていねいな言葉になって妻武装
妻の座に辞表出したい朝もあり
公の場には出渋る妻でよし
断りに行く口実を妻に聞き
悪友を手玉にとって返す妻
死火山のある日妻にももえる旅
妻のふるタクトわが家の詩をつくる
背水の陣支えてくれる妻がいる
求婚のセリフを妻が武器にする
旅の宿やっぱり妻が飯を盛り
うかつにも妻にスマッシュ決められる
空想が覚めるとそこに妻がいる
恐妻になりそうだよとうれしそう
ゆるぎないピラミッドかも妻の位置
じっと見ていた妻の目が敵に見え
やきもちを焼かない妻が子を叱る
危険信号妻がニヤリと笑ったぞ
昼寝する妻を想像してみたか
電源が切れると何も出来ぬ妻
ミンクには気づいたが妻ふり向かず
保証印ことわる知恵は妻がつけ
目覚めれば妻の寝息がそこにある
妻ひとり味方と思う日の疲れ
泣き顔を見せぬ妻持つ不仕合わせ
最高の演技夫をだましきる
夫の忌いくつ勤めて生きのびる
飼育した主人に飼育されていた
種火だけ残し夫の帰り待つ
物言わぬ妻の背中へ帰宅する
柔順な妻が抱いてる不発弾
聞くだけの妻に相談してきめる
貧乏性の妻で私の荷が軽い
公私混淆妻のポストは監査役
来世もあなたに添うとおどかされ
町内に好かれて妻の丸い鼻
正直を通せば妻がはがゆがり
恋のうた妻にみられてよい程度
妻と出て知った女によく出会い
短絡の論理で妻が攻めてくる
おしゃべりな少女が妻に棲んでいる
豪雪が出させた妻の底力
旅先もやはり朝寝のできぬ妻
花名刺ぐらい恐れぬ妻となり
妻にこづかれてから見る定価表
罪のない女の声の中に妻
抜け道のない一生の妻と僕
豆腐屋を呼ぶ大声が妻にあり
銀婚へ空気のような妻といる
社のことをたまに話してほしい妻
妻と子へ回りつづける風車
日記書く夫に読ませたくて書く
胡瓜切るにも母の音妻の音
胃の痛む話を妻が聞いてくる
妻だけへ素直な癖のある引き戸
妻という掟が邪魔な時もあり
妻の莫迦愛という字を聞きにくる
保険屋と妻が私の値を決める
妻強し子供全部を弾丸にする
くされ縁妻の方でもそう思い
指定席へ来るとおんなが匂う妻
LLの妻で台所がせまい
美人薄命うちの嫁はん大丈夫
あねさんかぶり妻に残っていた色香
絶好調たづなは妻に持たせとく
披露宴もう恐妻になるきざし
余憤まだ去らずや妻はまだ起きず
悪妻という実感のする喧嘩
すべってはならぬ梯子を妻がもつ
寝込んでも妻の好みを着せられる
ついていてあげねば駄目な人と添い
わが家にも鵜匠のような役がいる
いつからか妻のセンスで着る背広
おことわりなさいと妻の肘が言う
妻に感謝などしていたらきりがなし
妻はもう鬼になったか午前二時
口論のマッチポイント妻がとる
幸せな妻で夫の嘘に慣れ
口実は妻に相談すると言う
妻からのセンスで若い娘にもてる
忘れてた頃にアリバイくずす妻
威張らせてあげるリモコン妻がもつ
いつからか靴も磨かず見送らず
いい人があったと妻も負けていず
二十年荒い言葉で愛されて
老妻の味病棟へ運ぶ日々
老妻へ見たてた柄を叱られる
妻五十虫のいどころまでも知り
老妻がだんだん空気のようになる
老妻の選ぶセンスを身につける
古妻もさる者惚けた返事して
ちぐはぐな返事が返る妻も老い
四十年添えば目と目で分かる妻
ノーサイン老妻適時犠打をうつ
老妻の演技泪をふかずいる
老妻は他人の年を干支で言う
老妻の買うネクタイも派手を選る
かじられたすね老妻にいたわられ
老妻とふとい柱の煤に住み
老妻の手順はしかと冬支度
喧嘩にはならず老妻笑い出し
妻の味褒めて貶して五十年
五十年豊作やまい知らぬ妻
負けて勝つことを覚え妻も老け
もう妬かぬ妻が眼鏡を二つ持つ
後添いは以前チップをやった人
のち添いという女が来てゆき届き
後添いに初恋の人来てくれる
後添いが栄養源に気を使い
病床の妻をまたいで服をかけ
病む妻に米研ぐ音は聞かせまい
寝込まれて空気ではない妻と知り
旅帰り足まっすぐに妻の墓
妻の夢見て仏壇に花を買い
耳をすませば亡妻の声する風の中
控え目な奥さんだけどよく目立ち
ネクタイは顔奥さんの顔である
奥さんも初耳追憶談すべる
ドミノ倒し父がこけると皆こける
ワンテンポ遅れて父の流行語
誰も拍手してはくれない父の海
或る時は目から火の出た父の愛
父は一生紙で金魚をすくうのか
許す気の父は叱って座をはずし
子よ許せ金借ることの下手な父
画用紙に入りきれない父の顔
よいようにせよと明治は黙り込み
駅止めの荷物のように父が着き
母と娘の会話に父の保険額
視野はゼロ漕がねばならぬ父の舟
時化の日も父の錨は動じない
うなずいたのがせめてもの父の愛
瓢々と父の遺墨の濃くうすく
うんうんと頷く父を頼りきる
肩書きのない父にあるあたたかみ
突き放す父の言葉にあるまこと
麦笛で父へいたいの歌うたう
火炎ビンあなたもやがて父になる
我武者羅に働く父を見て育ち
パパでない昔の父は強かった
わかる日もあろう娘の恋を摘む
もう一度座れと父は金をくれ
制服を脱げば俄かに弱い父
ゼンガクレンいつかは君も子の父に
尊敬をする人物へ父と書く
清貧で出世に遠い父が好き
芸のない父と思うな枯れすすき
女系家族父は野党の側に立ち
父の旗古くてたれも続かない
器用さのルーツは父の肥後守
本当はさびしい父の横車
父というきびしい愛の灯を囲む
人前で胸張る父であって欲し
日本酒で父の詩のうは充たされる
理想には遠いが父は父である
泣き上戸でした一言居士の父
父の轍踏むなと地図を消しておく
父の凧すこし揚がったまま終わる
どこよりも早い日の丸父が出す
街の灯に誘えば父のまだ若し
ペコペコとしている父を見ないふり
恋人はまだいぬ手編み父に着せ
心して行けと短く男親
軽々と越せる父では終わるまい
熱冷めたころ別れさす父が来る
農政にそむいて父は米つくる
象の前偉大な父になれないな
ボロボロの父よ長生きして欲しい
父親は目標であり敵である
父の背の広さでねむる祭りの子
好球を見送る父を見てしまい
単色の絵の具しかない父の愛
だまってる時がいちばん恐い父
一番星ひろう散歩の好きな父
豪快に笑って過去を責めぬ父
北国の人買い父を連れて去り
なぜ相談しないと父も折れて出る
つっかい棒をはずすと脆い父である
音もなく切り放された父の貨車
湖底から聞こえる父のうらみ節
ああ遂に扶養家族の父となり
父として時には威嚇射撃する
大声の父に安心した帰省
子の一語それから父の自閉症
道楽の名残は父の渋いのど
一線を譲らぬ父にあるファイト
曇り空から落ちてくる父の声
逃げ道を残して叱る父の愛
物分かりよい父親の腑甲斐なさ
娘を叱り寝られなかった方が父
娘の父よ人買い船はやがてくる
信念を通した父の縄梯子
フィアンセが来るとよく飲む父の酒
父親の不信ジョークが多過ぎる
いつも古い言葉で父は子を叱り
思い出は筆噛んで書く父のくせ
蔵書印継いで父恋うことばかり
ガッツポーズついに見せずに父の逝く
父が逝く盆栽だけが財産で
爪ふかく切り父の忌をふと思う
混血児同士逢いたいパパがあり
ママでないとよくわからないパパのこと
日曜大工電気に弱いパパと知り
父と子の中を流れる世間体
父と子のすき間を玩具ころがりぬ
灰皿の父と息子の長みじか
めし食たかそれが口ぐせ父子家庭
もの言わぬ父も無口の子を案じ
友達の母もおんなじことをいい
叱って泣いて抱いて笑って日の日々
母一人寝すぎた罪をひっかぶり
業務上の過失お皿を割った母
母の海ひたいに洗う傷いくつ
母が来るまで行楽の日を延ばし
ビルを拭く母によく似た年の人
絹よりも木綿の性で生きる母
母として母のぬくもり伝えたか
やんわりと母の言葉が背にささる
いつの間に包みの中に母の愛
格言が母の背中に生きている
いいのだね何度の母の苦労性
解熱剤持って下宿へ母が来る
癒えた日の母と鏡の中にいる
母の瞳はもう結婚へ飛躍する
感情のはどめに母という理性
母の膝泣きたいだけを泣くところ
茶絶ちする祈り誰にも言わぬ母
子が戻る汽車言い当てた母の勘
六十の僕に小遣いくれる老母
朝の音昨夜微熱のはずの母
策尽きた母は仏間の戸を開き
愛の壺いつも満たして弱い母
悪いとこばかりが父に似てと母
子の視野へ母の保護色あせてくる
母乗せて追い越すものは追い越させ
諍えば母の悲しい目に出会い
母さんにちょっと惚れてるサロンパス
蘇る母の呟き母の歳
身に覚えあるから母は世話をやき
そむかれてばかりに耐えて母という
うつむいて働くだけの母でした
箱少しこわれて母の荷が届き
母の目に下宿の壁のピンナップ
子も孫も背負うた母のわらべ唄
最後まで自分の罪にしたは母
母の杭一とこ抜けるように打ち
かあさんは少しけちんぼだけど好き
母はまだ欠けた湯呑みに手をのばす
母が笑えば家中のもの光る
母と娘と父遠ざけてする話
荷を持ってあげる年頃母に似る
嫁ぐ日へ母のうれしい腕まくり
出世した子につつましい母があり
母の座と妻の座区別して平和
まだ死ねぬ母が生きてるから死ねぬ
末席で気ままにさせてほしい母
すり鉢の底はいつまで母のもの
辛抱をなさい昭和の母も言う
朝市の老母息子は戦死とか
岐路いくつ越えたか母の丸い背
遠い日の母に似て来た苦労性
ハチローのように詠えぬだけの母
ほんとうに泣きたい母の膝がある
母の日のなかった頃の母思う
菊日和留め袖の母小さく居る
不器用を笑って母が結びかえ
物価高母は素顔で強く生き
カセットへ吹き込む母の息づかい
おふくろの耳学問に叱られる
針穴をのぞくと古い母がいる
見おさめの母に苦労の深いしわ
平凡の難しさを説いてくれた母
岸壁に立つ母だけが母でなし
病気せぬ限り母の座休まれず
忍従の母は昔を語らない
いい人じゃないのと母が先ず乗り気
いつか子が引く緞帳を母が織る
つまずいた母なら許せるかもしれぬ
ある時は母の元気を持て余し
母と書く心に消えぬ愛いくつ
こんないい母と並んで調べ室
マラソンもゴルフもせずに母達者
先ず母にまた母に聞くさがし物
母さんの目はうしろにもついている
父さんにお聞きと母は許す肚
板の間であろうと叱る母すわる
耐ゆることばかりで母は老い給う
女学生気分が抜けぬままに母
忘れ得ぬ母の自慢に湯葉があり
母の味忘れず妻に無理を言う
母にわけたい幸せが小さすぎ
苦労したといわない母の太い指
母さんの好きだった人へおじぎする
子の罪を消す消しゴムに母はなる
プレゼント母には欲しいものがなし
雨の日は雨の仕事が母を待ち
まごの手でかく時母を思い出す
髪染めて母には母の友があり
途中下車亡母が好んだ京銘菓
縫い上げの一針毎に母がいる
故郷に泣く膝がある老母が居る
ぼろぼろのつばさを母は悔やまない
結び目の確かさ母がにじみ出る
万博で案外タフな母を知り
あこがれた都会に母の味がなし
ずけずけと言うおふくろで頼られる
寝たきりの母幻の蝶を追う
お説教聞く病む母と二人分
入賞の子の作文に母が病む
寝たきりになっても母の京ことば
風邪ごこち母は寝て寝て寝て直し
変身のきざし入学式のママ
男ならとっくに休むママの風邪
謝りに来た子の母の高姿勢
胎動へ母と初めて書く日記
里の母甘い躾をおいて行き
母からの為替子牛を売った金
来おさめと口ぐせにして老母帰る
庭に種蒔いて母また来ると言う
洗濯の白きを母が見て帰り
いつまでも素足で母は野を駆ける
母生きていたらとおもう茄子の藍
義母かばう心に母の影が住み
新しい母は当分同居人
継母をあの人と書く放浪記
亡母の振る鈴が心の奥で鳴る
亡き母に問いたいことがふっとわき
再会を待ちに待ってた母が逝き
思い出の一つに母の背の温み
こみあげる哀しさ母はもういない
養老院親が勘当されたよう
父と母結婚写真持っていず
仲のよい父母でなかったとだけ記憶
子にすれば美田を残す親がよい
辞典引く代わりに親が試される
ミス応募すすめる親と叱る親
だれにでもなれるが親のむずかしさ
ふるさとにとり残されて為替くむ
ちちははの炎の神話ボクがいる
からくりが読めず敬遠される親
直線の父曲線の母の愛
今ならば別れていると父と母
子は親の鏡と思う日の自省
二十年たって子育て答え出る
盲従はしないが親へ正座する
大人になれば判ると親の得手勝手
優等生だった顔して子を諭す
説教が無ければ親はありがたい
嫁がせて頭を下げることも増え
お前らが勝手と親のさびしい日
遠くからわが道を行くわが子見る
出来不出来かかわりは無い親の愛
ひたむきに生きて子供の踏み台に
子煩悩大志はとうに捨てている
ブレーキの音へ今いた子が見えず
運賃で買えるみかんを子に送る
うちの子も少年Aと同じ年
頼るまい頼りたい気も親ごころ
生き抜いて子の行く末を照らしたい
大器晩成信じて送る学資金
子のためにともす明かりの小さくとも
親馬鹿の夢は五歳の児のピアノ
親馬鹿の見本のような披露宴
ありふれた親馬鹿となり為替組む
親馬鹿のはじめ泣き声までほめる
母子楽しことこと何か煮える音
母の手の届かぬ席に角かくし
母の歩へ合わしてせめてものお詫び
母の過去女同士になって聞く
回転木馬いつか別れが来る母子
こいさんが婆やと呼んで生みの母
母だけに言える痛みをもっている
母の手に似てきた両手なでてみる
子を盾に妻は私を狙撃する
この家を売ればの値段子にきかれ
反抗期親のなさけをうるさがり
長距離へ父から母に代わる声
親と子の対話テレビへ向いたまま
まわり道してから親のあとを継ぎ
父と子の靴はおんなじとこが減り
或る日突然夫婦の積み木子が崩す
年代の相違ですべてカタをつけ
大器晩成親の欲目で子を思う
親捨てて遺産は捨てた訳でなし
親捨ててああ父の日よ母の日よ
蛙の子蛙になった安堵感
負けそうな時父の顔母の顔
峰打ちの愛わかる頃親思う
他人には見えぬ親子の歩みより
子をあてにするから腹も立ってくる
蛙の子親より高い枝に飛ぶ
ジャンケンポン親と住む役決めている
同伴で行けと息子も嫁もいう
子としゃべる若い話題を仕入れとく
ほんものになる孝行の真似つづく
車間距離とって親子の水入らず
七光親に貰った笛を吹く
世に甘え親に甘えた非行歴
親と子のコールサインが噛み合わず
うちの子に限り過信のおとし穴
野球には妙に意見が合う親子
ふくらんだ母の願いと子の自由
実の子がいてヘルパーを待つ世相
子離れのそれから休火山燃える
叱られた記憶子供を叱らない
親戚の子が来てうちの子がおらず
東大をまだあきらめぬ子を頼り
子が親のような口きく世に生まれ
誰とでも寝る子を連れて里帰り
わが家で生んでまぎれもなくわが子
美しきものここにあり子の寝顔
貧乏へ勢揃いした食べざかり
もうこんな本を読んでる子にあわて
ふとよぎる不安分厚な子の便り
引き返す勇気も出せと子を送る
抱き上げた子はお日さまの匂い持つ
叱るにもほめるにも子はもう大人
苦労して親とは住まぬ子を育て
叱らずにすんだ寝顔の汗をふき
少しずつ大人の匂う子の便り
過保護かもしれないと子に負けている
不足税取られてもよし子の便り
親の首へ鈴つけに来る子が可愛
子を軸に回る暮らしに嘘はなし
子がうちにいるそれだけを羨まれ
小鳥の死この世でこの子だけが泣き
人生はバラ色という子を案じ
子沢山出世しそうなのがひとり
子を叱る愛情のみと言えるのか
子らみんな複数となり振りむかず
七光持たぬ我が子の青写真
親の敷くレールに乗らぬ子のドラマ
夢托すわが子わが手をすりぬける
孝行の意味さえ知らぬ子が育ち
離れ住むこどもがひとりあかね雲
それだけはいえないという子をにらみ
口裏を合わせて子らが攻めてくる
グローブへ子の成長を受けとめる
どの答えよりも正しい子の寝顔
画数に凝って命名まとまらず
幼子に自戒の芽生えの嘘あり
子と同居柱時計とデジタルと
秀才の家系に気になる子が一人
子供には子供の世界そっと置く
うちの子に限っての子に欺かれ
店継がぬ子へ大学の金づくり
叱られた子はカーテンの陰にいる
子を持って頭を下げることが増え
子はみんな都会で暮らす柿たわわ
書き慣れた誤字を我が子に指摘され
想い出をつないで見ても帰らぬ子
落ちこぼれなどと言うまい優しい子
憎い子はいないが虫の好き嫌い
子を叱るその引き合いに隣の子
山で死ぬために育てた子ではない
後悔は世間に背く子を育て
生むことにきめたと何を言う娘
よそさまでませた娘とつゆ知らず
嫁ぐ娘と妻こまごまと夜を語り
お父さんのバカバカ私はもうおとな
貧乏をうつす鏡に娘が四人
ひとところ突けば泣けそう娘を送り
長生きをしてねと嫁ぐ娘に言われ
娘にも母の女が分かりかけ
好きな人がないのか娘職を替え
手の白さこの娘はなにも知らないな
嫁いだ娘訪えば甲斐甲斐しく動き
免許証ばかり揃えて未だ嫁かず
年頃の娘わが家の仕掛け人
妥協せぬ娘へ若き日のわたし
不本意ながら満艦飾の娘を見せる
泣きに来た娘と母はすぐわかり
スタイルのよい娘に欠けている何か
書いて消す母と知らない娘へ何度
精いっぱい着せて娘の縁を待つ
気立てよい娘で太陽の匂いもつ
父母のなれそめを訊く娘に育ち
里帰り娘の手の荒れを見のがさず
ピーポーにおそいブーツが案じられ
逢いに来ても昨夜の私はもういない
ふところ手おのれに勝つこと考える
剣山にさされて咲いた私かも
或る時の自分がいやで草に似る
好きな人出来たか帰省せぬ便り
やがてそむかれる息子へ学資注ぐ
結論を息子にまかす歳になり
頼らない息子を賞めて淋しゅうて
稼ぎ高やっと息子に追い越され
嫁連れて家を出る子が振り向かぬ
大股の息子の後についてゆく
腕白の方が可愛い親のエゴ
うす味の好きな息子がもの足らぬ
ママママと家のはたちの甘ったれ
夫のいない夜の長男が大人びる
かけひきのこつ長男は受け継がず
骨拾う箸長男の重み知る
アカハタも読んで二男の事業欲
ウクレレを奏で三男恋を知る
ふるさとを三男坊が逃げおくれ
馬鹿なことするものでない子は宝
子宝にまつわるものを貧と言う
子は宝たくさん欲しくない宝
いつからが宝か金の要る子たち
子は宝投資のように為替組む
新聞の配達兄の後をつぎ
兄弟で便利な母をうばいあい
兄弟はよいものあくびして別れ
泣かされてばかりの兄へつきまとい
もつものをもって兄弟溝が出来
外に敵もって兄弟仲が良い
弟が寝たら母さんボクのもの
弟の出世夫へ知らせない
弟を子分のように連れ歩き
知性派のクールな兄へとけこめず
皿洗う音にも姉といもうとと
コーヒーと紅茶の違い姉いもと
寄宿舎であけてと姉のプレゼント
ひまわりと菊ほど違う姉妹
あまりにもちがった道を行く姉妹
土筆つむいつか別れる姉妹
姉さんが美人で弟人気者
一昼夜話し続けて姉帰る
不始末の詫びへきれいな姉がくる
利子つけて返す嫁がぬ姉の金
遠い日の母見るごとく姉を見る
妹を先に嫁がす親がわり
妹にほしいえくぼが兄にあり
わたしなら嫁くと妹ませた口
妹がごめんなさいと先に嫁く
追い越しは自由妹先に嫁き
盗聴器のように末っ子みな喋り
末っ子も火の粉をかぶる八つ当たり
父母の仲案じて末っ子が巣立つ
末っ子も平等だった亡母の鞭
事業欲孫のはなしをしない人
初孫へ新春の杯こぼすまい
家中のでぼちんで診る孫の熱
ああ孫はエンゼルかはた小悪魔か
老妻を骨抜きにして孫帰る
それごらん泣いたと孫をもぎとられ
うららかさ孫の指さす方へ行く
都会から入れ知恵された孫が来る
手を出せば孫も手を出す抱き心地
隔世遺伝では困ります孫の鼻
うっかりと孫が回した日付印
お邪魔しますなんておませな孫が来る
母さんの母さんだから好きな孫
カタカナの新語そろっと孫に聞き
ブランコのきしみを外に孫は病み
遠く住む孫の電話の声変わり
孫とあそぶいつか離れる日をおもう
口出しはすまいぞ孫は息子の子
肩叩く孫の小さい手の温み
湿っぽい話を孫が消しにくる
初孫の帰ったあとの肩のこり
あれほどの子供ぎらいが孫を抱く
孫抱いて想いは二十一世紀
銀蠅よ孫を連れてかないでくれ
疲れたらよせばよいのに孫の世話
手伝いをしたがる孫と台所
孫に嫁貰うまではとネジを巻く
孫抱いて身近なエゴに酔うてみる
いつからか孫に家風のない家風
よい祖父になりたい絵本選りながら
ばあちゃんの口ぐせ天が見てござる
祖母病んで卒塔婆小町の姿みる
遥かなる思い出祖母と糸車
減反に首振る祖父の開拓史
山砲を担いだ祖父の長話
悪妻がやさしい祖母になる受話器
水桶に祖母の訓話が生き続く
伝来のひなを飾って養子筋
変わった姓むすこ養子にゆくという
中ぐらいの嫁で近所にうらやまれ
長男の無口を嫁がカバーする
爪を塗る嫁と小さく同居する
抱きぐせも添い寝も嫁の気に入らず
昔ならここらで嫁が詫びるとこ
百姓をする嫁は欲し娘はやれず
点稼ぐ嫁を大事にして平和
いいくじを引いたと思う嫁と住む
仕合わせは朝から唄う嫁と住む
縁あって人さまの子を嫁と呼ぶ
沢庵を噛む音嫁はまだ無邪気
悪筆家の家系に嫁の硯箱
ブロンドの嫁が来そうな世の覚悟
この世での幸せ嫁が行き届き
可能性たくさん持って嫁がくる
口数を減らして嫁と丸く住み
同居する条件嫁と噛みあわず
生き甲斐は優しい嫁にいたわられ
この人に見たいこどもを抱く姿
因習の殻を破った嫁の知恵
耕耘機男まさりの嫁がいる
嫁が来て息子と保つ車間距離
いい嫁といわれ鎖につながれる
色白で嫁に来ました大漁旗
末っ子の悩み兄嫁知って居る
思春期の目に兄嫁の洗い髪
主婦の座にさかし小皺もまだ見せず
金魚にも植木にも詫び主婦多忙
主婦としてつるべ落としの陽に追われ
スタジオの主婦は優等生ばかり
潮騒の部屋からひとり主婦作家
主婦の座の年輪ノラをもういわず
主婦の座の自信梅干しよく染まる
主婦という二軍の汗をそっと拭く
残された嫁姑の頼り合う
悲しさに嫁と姑がうちとける
育児書は母の意見と食い違い
おむつから意見の違う嫁姑
カーネーションより心の欲しい姑
しきたりの中で動かぬ姑でよし
姑はお手伝いかと間違われ
こま結び器用な姑を見習えず
丹念に結び目をとく姑といる
濡れて帰れば扶養家族はみなテレビ
明治村出口で父を待つ家族
すりばちとすりこぎがあり一家族
順不同妹婿がはげてくる
しあわせの原点家族みな達者
そのことに触れぬ家族の思いやり
年金を狙う身内に敵がいる
核家族から家紋の問い合わせ
マンションを本籍にした核家族
核家族そこから民話糸が切れ
子育ての思い出遠く核家族
箸紙を書くさびしさも核家族
核家族留守番電話鳴りつづく
妻上位妻の身内がよく尋ね
一族相寄り先々代の字が読めず
出世したのを親類に利用され
血縁を断ち一匹の鬼となる
骨壺はまだあたたかい内輪もめ
一族の星東京へ行ったきり
ややこしい血縁ついに図解させ
飛行機で焼香だけに行く縁故
伯父さんに僕の月給二度聞かれ
叔父がくれ叔母がくれ二人とも内緒
なぜ連れて来なかったのと粋な伯母
七十が九十の伯母にはげまされ
妻の叔母ひとりの頃の妻をほめ
玄関の花を直して叔母上がる
たまに逢ういい伯母様になっておく
縁薄き叔母が拭き込む家具の艶
ご本家の話面子がみな絡み
もらう物もらえば用のない実家
里帰り戻りは旅として疲れ
因習は消えず家紋の残る家
宗教で揉めて実家へ寄り付かず
過去帳のこの辺まではよいくらし
山の墓子孫見守る顔で佇ち
絆が突然に導火線になる
割り込めぬ血のつながりの外で耐え
切れそうな絆のはしを持つ女
小島存得
南野敦子
田中南桑
筒井洋志
小野重格
能勢孤高
上野微風
大場裕帆
馬場明子
山口央
井原輝美
合田伍郎
平井綾女
岡崎はるを
谷克美
高橋泉哉
間瀬田紋章
小澤誌津子
上野豊楽
大橋昭城
大場裕帆
後藤破舟
佐々木喜久楼
志垣佐千代
南野浩三
藪内千代子
天根夢草
志水浩一郎
辰谷白村
川崎銀甲
小島ひろむ
桶屋鳴味
松尾文代
外山あきら
中野風花
片脇節子
斎藤矢人
柴山省市
河野無塩
宮島三吉
久次可鳳
岡田ツユ子
高木すみゑ
田中喜代志
吹田朝児
田頭良子
高丸思笛
青木三碧
外山あきら
高屋知充子
柴山省市
田中玉枝
進藤邦郎
家久真智子
白水盛雄
仙波陽山
進藤すぎの
松原葦男
古川静江
小磯弦舟
古川佳子
石井泉甫
堤可巧
雁谷陽子
森島千代女
海堀酔月
山田北柳
森田照葉
鶴久百万両
北沢双舟
高屋知充子
片岡湖風
池田勤也
岡田五風
松原百歩
真田マキノ
都筑鷹児
榎本聰夢
深堀正平
坪田つくも
青木魚水
岸田喜志三
田中将朝
向井文雄
上田みち子
野瀬喜達
山田正一
丸山由布人
高木すみゑ
山崎日出男
長谷川芙美女
上野山東照
坂井九柴
木村幸月
小島田九
楢原チエ
村上白雲
今井ちかゑ
西本保
井上りき山
山本翠公
竹森雀舎
福井まつ枝
金泉萬楽
村木碧水
保田吉彦
平本正子
沢井不倒坊
津川紫吻
生駒竹人
梅原憲祐
池田可宵
古川静江
山口都一郎
黒岩吉子
後藤破舟
榎本聰夢
榎本信太郎
辻本俊夫
高屋知充子
古賀千鶴
下矢曲豆
佐藤きよし
池原喜美子
明石柳次
野田夏子
江村青帆
武田笑門
桑原狂雨
首藤一夫
安部タケ子
竹重白城子
小林瑠璃
山崎貴子
森本医昌
西村雅柳
森本柳枝
外村芳春
古川静江
河野無塩
古川日曜
三宅がんじ
青木ひかり
石井玲
安部竜玄
中島和子
飯田礼人
広田公子
高橋千万子
鈴木ちよの
坂成ゆり子
藤下直国
篠崎扶美子
雨宮利江
真島美智子
富山祥壺
古下俊作
一鬼ふく世
竹内あきら
丸山多年緒
内藤凡柳
井上婦由湖
上田喜美子
山田散水
三川美左
畠山宗次
田久保久美子
柴田午朗
西川豊太
平松圭林
藤原さやか
川辺昭子
徳永痴郎
坂五月
森井詩鯨留
石崎香潮
木幡村雲
岩崎芳朗
片岡湖風
山田治子
右近志秋
竹村順一郎
高橋佳笑
萩原金之助
平井良子
高城裕泉
相川文子
田内文子
鈴木丙午郎
早川白帝
兵頭かほり
池田昭一
安田吉甫
木幡雅一
小森青桐
中尾花蝶子
丹波太路
坂本柳馬
三浦カツ女
平澤ゆづらん
浜みつを
西本保夫
奥山千京
山崎貴子
水川竹刀
馬場明子
加藤香風
楢原博子
高木みのる
細川聖夜
永礼愛介
藤本芝風
久山一文
上田佳風
矢須岡信
太田竹路
小林桑太朗
井上土柿
水谷一舟
川田イ明
野里猪突
福田秋風郎
丸山美紗
藤原聡明
仲庭卓也
石川寛水
鈴木如仙
槇紫光
南野浩三
井上りき山
榎本聰夢
崎村登仙
播磨圭之介
平井良子
合田桂水
曽根田誠一
中武重晴
古川洋子
竹内徳之助
本庄東兵
越中今雨
村田ひろし
松本初太郎
深野吾水
中津泰人
村上長鼓
上野微風
梶原芳枝
片岡弘
上久保山人
山本一途
加藤慶舟
菅沼日出子
川部幸太郎
森沢ふくゑ
野田はつを
深堀正平
今井胡次郎
奈倉楽甫
江上文健
野邊喜美子
井上婦由湖
奥山千京
柴山省市
上田佳風
保木寿
末次長久
本庄快哉
右近志秋
服部文代
長谷川久男
川辺梓
和田愛子
饗場とみ
外村芳夫
山川比紗子
松崎豊
北山君枝
進藤邦郎
榎本聰夢
田島英夫
青木加津緒
門脇無風
青木三碧
石川寛水
木幡雅一
田中一窓
牧野亀二
泉文夫
西本よしのぶ
平野破笠
小池鯉生
内藤喜夫
真島清弘
細谷晃長
尾谷清風
河野なかば
土居哲秋
佐々木京子
柴山省市
酒井光楼
佐野貴代子
定金冬二
加藤陽一
熊丸米二
青木三碧
田中南桑
奥村志げの
片岡つとむ
畠山宗次
小松多聞
西本よしのぶ
越智伽藍
井内凡智
田中南桑
井上りき山
古澤蘇雨子
湯浅十三日
榎本孝子
上野山東照
中村五酔
奥田甚六
森翠雨
小寺燕子花
川畑幸一
安座上敦
宮本時彦
熊丸米二
松本舎人
和田薫
上園あやめ
金泉萬楽
林伯馬
梅原憲祐
嶋津菊正
小野須麿子
長宗白鬼
中野美智子
弥田一坊
奥原雨人
木村驢人
生駒竹人
柴田午朗
石井青馬
桜井六葉
花野秀光
山田寒司
飯田敏子
武田笑門
綛谷天望子
中村卓民
前田秀信
野上点人
中野いわお
梅本登美也
明石柳次
下川芳水
平野季子
宮原宮人
宮原宮人
鈴木純歩
狭川千鶴子
大谷章
木幡村雲
間瀬田紋章
家納千草
田中南桑
中村その
天根夢草
実成キクエ
浅野繁
大久保利彦
永石映子
宮原宮人
森本医昌
田向秀史
山口松枝
上野微風
竹見吉弘
佐東佐久
川田イ明
藤野寛
佐藤つる
岩井澄子
安部竜玄
福井まつ枝
伊藤道彦
大橋美知子
山崎侃
永田暁風
福島郁三
荻田千代三
本庄快哉
長野昌幸
青砥アキミ
中島一二三
秀平美代子
成貞可染
馬場凡
柴山省市
柴山省市
家納千草
山口都一郎
大城戸悠水
田中年寿
日高賢一郎
増田鬼祥
藤井愛秋
田中南都
本庄東兵
西野光陽
大畠いちろ
石川勝
遠藤枯葉
加賀爪綾子
田中豊泉
蒲池義白
山本美春
福谷志都
森恵子
菅江多希子
三浦由和
合田伍郎
蒲池義白
田中一窓
金川佳鳴
尾谷鴨野
安田吉甫
嶋野ひ呂し
多間哲夫
阪口佐一
河田好子
柴田午朗
丸山由布人
宮崎御柳
岡崎麻子
長谷川博子
森沢ふくゑ
梶川雄次郎
久次米一水
酒井路也
田中文子
加茂すみれ
表義人
川原秀子
吉田秀哉
亀井昶彦
藤原葉香郎
梯亀王
深谷草水
長谷川博子
細見九如
水谷ただ志
松田咲枝
外山あきら
岡田麦舟
戸井田慶太
金川佳鳴
大塚美枝子
辻香豊
竹田桃生
小原静江
安部光子
草刈深根
早川白帝
軸見呑舟
西村左久良
丹波三千子
江原佐智子
野里猪突
井原輝美
川井古雨
藪内千代子
飯田礼人
嶋津菊正
手嶋吾郎
村井酉合
田中南桑
芋畑秋空
梶山三重子
古澤蘇雨子
藤森弘子
村田秀畝子
熊田三枝
篠田捨松
吉田半平
高橋やすの
吉富テイ子
小宮美奈子
奥野丹景
中武重晴
生駒みづゑ
田中年寿
松田厳
林千代子
小島存得
古割舞吉
大塚美枝子
矢内灯雨
坪井三奉
勝田鯉千之
田中喜代志
森中恵美子
外山あきら
中島一二三
玉木志恵子
中嶋政枝
中尾飛鳥
中村銀糸
寺坂宇多子
小山悠泉
橋本言也
牧野定子
加賀爪綾子
丸山茂巳
平賀隆子
長田一丁
隅一声
古澤蘇雨子
笹本英子
木村三雷波
上野山東照
黒川清光
こだま美枝子
児島竹志
高丸思笛
鷹野青鳥
北島醇酔
狭川千鶴子
鳥巣幸柳
沖酒振
安田蝶の助
坪井八重子
三浦秋無草
鶴久百万両
大畠いちろ
清水千生
赤松玉雪
上田森子
池田アサ子
杉本一本杉
神谷三八朗
阪口愛舟
杉山方夫
玉利三重子
堀かずみ
村上喜美恵
田向秀史
尾形さつき
外山瓢人
浜中春代
高木すみゑ
栗波敏男
北島醇酔
榎本信太郎
腰山高子
岸本水府
大久保利彦
田中年寿
水江マツ子
吉田純造
重久輝子
金川佳鳴
村上喜美恵
馬場明子
東条東雪
田向秀史
水無瀬冨久恵
田内文子
常盤諧介
山本光林
田中南桑
上田森子
ハンセン信子
甲斐博美
乾邦政
石川寛水
芝原路春
林照子
白井花戦
山本昭彦
山川比沙子
上野山東照
古川日曜
生駒みづゑ
青砥アキミ
合田桂水
村上長鼓
水江マツ子
崎山千代
山本翠公
馬場修治
竹谷三代
井上りき山
松本城南子
成貞可染
高木幸太郎
山本幸水
堀かずみ
中田たつお
西沙英子
山川泰陽
湯浅十三日
石井玲
雁谷陽子
早藤ふみ
田中玉枝
鎌谷白紙
辻世界人
山崎日出男
矢部あき子
後藤破舟
今田馬風
森本芳月
園田恵美子
飯田かずを
池田晴子
金川朋視子
武藤龍子
坂倉広美
梶原溪々
永井ひで子
奥田新吾
江上文健
中田たつお
小寺燕子花
竹邑鉄心
松原未湖
中村雷音坊
池田香珠夫
別所鮎郎
饗場釣人
西田令子
大西田吾作
松浦幸子
上園あやめ
田中蛙鳴
吉田右門
曽田糾葉
西部郁代
桶屋鳴味
北沢双舟
岡藤寿
松尾文代
加治蛍子
藤野チヨ
村上曜子
山田智子
四道花子
土居哲秋
諸江美代
合田伍郎
菖蒲正明
鵜飼蟻朗
太田源蔵
辻よしお
佐々木銀湖
和田薫
後藤破舟
森本医昌
重村十雨
柳瀬玉枝
佐々木鳳石
米田千枝子
加茂すみれ
富山祥壺
定本広文
石井久枝
井内凡智
坂元一登
福田白影
中田中哉
新海照弘
大神古梅
小久保林三
高橋千万子
林昌子
川野肇
和田如瓢
富森卯女
北山君枝
木村驢人
山田北柳
高橋あさ子
永津短夜
西村正紘
山田智子
阪口佐一
竹内八重子
中嶋政枝
鷹大典
工藤よしを
村上満子
小森靖江
山路政子
佐野青柳子
黒川清光
乾風孝子
熊尾儀之八
福田秋風郎
吉田功
平田元一
木幡村雲
田口令二
松浦寿々奈
武藤瑞こ
十河東蘭
兵頭かほり
岡田恵方
越智伽藍
畑中大三
田頭良子
池田勤也
石崎一春
杉山方夫
杉森節子
鶴田タツオ
槇紫光
肥後らん子
松井千鶴枝
大槻和子
渡辺吐酔
佐野青柳子
久峩敏夫
鈴木ちよの
こだま美枝子
篠原北斗
須之内まいと
江上文健
岡田千夜
桑田唯石
村上喜美恵
井村千佳
酒田一末
上岡喜久子
田中蛙鳴
横内帆三
木幡雅一
竹村温夫
田岡千里
服部三恵
古割舞吉
上松爪人
森北三四郎
尾籠秋蝶
川崎銀甲
桑原狂雨
和田薫
柳沢花泪
永石珠子
金沢伊佐保
大空紅鳥
篠原北斗
武内幸子
桑原狂雨
肥後らん子
高見麟子
遠藤枯葉
村田秀畝子
鈴木ちよの
冨士野鞍馬
石井青馬
上野淡月
村上栄蔵
北沢雅子
逸見監治
進藤邦郎
木村幸月
高木弥一郎
林照子
大和柳子
和田宏
佐島風柳子
川辺梓
長谷川博子
村田伊勢男
横山順也
中島敏子
吉岡れん子
竹岡訓恵
礒野いさむ
河村露村女
吉野耕吉
岩谷ミヨ子
小川清流
鵜飼蟻朗
田中南都
草野可水
田中南都
佐伯みどり
田中南都
高見麟子
西垣美津枝
鈴木竹川
上野ただし
樋渡エイ
右近志秋
大崎草平
土師芳子
内久保勝子
片岡弘
桑原竹堂
海堀酔月
山田甫石
横田庄治
上田喜美子
黒部好恵
夏秋竜平
成貞可染
森紫苑荘
上久保山人
克ひろし
鳥巣青花
佐東佐久
米原亮之
山根八郎
迫部秀子
平田みのる
小倉立山
松尾馬奮
丹波三千子
大矢左近太郎
丸山由布人
藤野美子
城田よしたか
岸田喜志三
山崎初栄
宮地テル女
岡村嵐舟
平松圭林
桑原竹堂
板野明子
藤井利子
植松美代子
古跡一花
水谷ますみ
玉木志恵子
木下愛日
笠置よね
井上福子
三重野文士
江頭F二郎
浜ともゆき
高橋佳笑
保木寿
坪井三奉
増岡千寿子
上野豊楽
小宮美奈子
田向秀史
日下倭子
松尾文代
平井綾女
板野明子
尾籠秋蝶
高橋春子
村上曜子
伊藤たけお
竺山照子
柏原大然
上田喜美子
上田喜美子
川部幸太郎
前田秀信
天根夢草
西岡ひろし
吉岡敏子
柏原幻四郎
山本昭彦
蒲池義白
松尾ユリ子
金澤入道
熊田三枝
中田たつお
岡崎麻子
大谷章
克ひろし
定本広文
早良葉
柏原幻四郎
久米鳴石
比良井荒助
久保田以兆
河田よしすけ
源田琴波
神谷三八朗
城宮のぎく
飯田礼人
安武仙涙
武藤瑞こ
梶原芳枝
片山明水
藤井幸子
長谷川久男
酒井路也
横山順也
仲庭卓也
石井久枝
岸本吟一
田中初子
田村百合子