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殺意の団欒/J.アンダースン

Assault and Matrimony/J.Anderson

1980年発表 北村太郎訳 文春文庫275-67(文藝春秋)

 エドガーとシルヴィアの二人が徹底して互角に描かれているため、最後は相討ちになってしまうのかとも思っていたのですが、チャールズの介入による、痛み分けともいえる結末は見事です。そして、ラストの会話で示された、依然として懲りていない二人の姿には、呆れるほかありません。それまでの二人の不器用さからみて、どう考えても失敗するとしか思えないのですが……。

 それにしても、互いの居場所が入れ代わってしまう第13章〜第16章の展開は圧巻です。両者の行動を見通すことができる読者としては、笑いを禁じ得ないところです。また、元の場所に戻る途中の二人が知らぬ間にすれ違っているのも、芸が細かいと思います。

2003.07.31読了

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