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どんなに上手に隠れても/岡嶋二人

1984年発表 講談社文庫 お35-14(講談社)

 一見すると無意味に思えるヘリコプターの登場という伏線がよくできていると思います。演出効果が重要視された、まさに劇場型犯罪というべきでしょうか。

 作中の役どころからして、長谷川が犯人だとは考えにくいところがあるとは思いますが、派手な事件の恩恵を最大限に享受しているゼネラル・フィルムもしくは結城ちひろの関係者にどうしても目がいってしまうことで、真犯人がうまく隠されています。ただし、アリバイトリックは問題でしょう。パスポートを見れば、一目瞭然ではないでしょうか。

 身代金受け渡しトリックに使われた木箱の扱い、つまりトリックが早い段階で明かされているところがやや気になりますが、やはり作中でも言及されているように、荷物の積み込みから目をそらすためには仕方ないところでしょう。

2004.06.24再読了

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