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不自然な死/D.L.セイヤーズUnnatural Death/D.L.Sayers |
1927年発表 浅羽莢子訳 創元推理文庫183-04(東京創元社) |
まず、殺人トリックの実現可能性については「酔胡王」さんの感想をご覧下さい。実質的にはほとんど不可能のようですね。 動機については、予想される遺産絡みということでさほどの驚きはありませんし、法律関係は面白くはあるとはいえ日本人にはわかりにくい部分もあります。が、被害者がもともとホイッテカー嬢に遺産を与えるつもりだったにもかかわらず、遺言状を書くのを嫌がったがために殺されてしまうという、大いなる皮肉が印象的です。 犯人はかなり早い段階から見え見えですし、露骨で単純すぎるアリバイ工作は脱力ものですが、その裏に隠された一人二役の罠には脱帽です。ピーター卿&パーカー警部とクリンプスン嬢との二手に分かれて捜査が行われるという構成が、このトリックの成立に一役買っているところも見逃せません。 2005.10.13読了 |
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