「自己啓発セミナーの甘い罠」



これが超閉鎖的人格改造団体だ!!



【0】はじめに

・96年改訂版を掲載するにあたって

 みなさんは「新世紀エヴァンゲリオン」を知っていますか。このアニメ版の25話・26話(最終回)の内容で、「自己啓発セミナー」を真似た方法で人格を改造し、最後には周りから祝福されるというものがありました。
 大まかに説明しますと、内気な主人公「シンジ」が一人椅子に座り、自分の人格について述べるが、周りの他の登場人物に真っ向から否定し、罵倒する。これをずっと繰り返し、シンジは精神的に混乱するが罵倒は続く。やがて自分の人格は崩壊し、自分自身の思考能力も崩壊してしまいます。やがて周りからの否定が肯定と変わり、人格改造は完成するというものです。
 アニメの世界だけでなく、この技法は実際行われている人格改造方法なのです。
 改訂するきっかけとなったのは、インターネットの存在につきます。今までは、パソコン通信のみの公開(後述参照)でしたが、私もホームページを持つことができ、もっともっとこのセミナーの隠された悪事を暴露したいという意向のもとで、沈黙を破り、公開の運びとなりました。
 改訂版ですが、これから載せる内容はPC−VANに掲載したものをそのまま使っています。ただ、一部不適当な部分だけ削除しただけですが、このルポが92年作成ということで情報が古い可能性があります。もし「今はここが違う」という情報があればメールにてお願いします。

・突然電話が・・・・・・

 小・中学校の友達から突然電話がかかってきて、「久しぶりに会わない?」など言われた事はありませんか?でも、実際会ってみると、実は自己啓発セミナーの勧誘の話だった。こんな事はありませんでしたか?
 これからお話することは自己啓発セミナーの全貌を暴露するというものです。勧誘している人は「セミナーの内容は絶対に人に話してはいけない」というルールがあり、絶対に内容を教えてくれません。

・私がなぜセミナーの暴露話を書くのか

 私は実は自己啓発セミナーには参加していません。では、なぜ暴露話をするのかというと、内容については本文に載せるとして、簡単にいいますと、セミナー関係者に監禁させられました。その恨みつらみと興味がごっちゃになって今回の暴露話となるわけです。
 よって、私のルポは完全に超否定的です。でも真実だということを忘れないでください。

・ルポ作成までの経過

 このルポは平成3年7月〜12月までの間、PC−VANのフリーボードに連載していたものを、同Sig「市民の討論広場」のOpをしているこおろぎさんのご協力により再掲載することになりました。なお、前回フリーボートに掲載したものとはかなり変更しましたので、改めて読んでみてはと思います。

・自己啓発セミナーとPC−VAN

 私がPC−VANに入会すると同時に勧誘話がありました。当時、パソコン通信というのが分からなかった時だったので、電子掲示板の「教えて」というBDに「自己啓発セミナーという物を教えて欲しい」という内容のものをUPしました。
 2,3日経って、約10通ほどのメールが届きました。絶対止めた方がいいという人、「私が紹介者になってあげる」といって住所を載せてくれた人、さまざまでした。
 でも、結果からいいますと、セミナーの参加はやめました。理由を術べますと、夜11時頃毎日のように電話がかかり、半分ノイローゼ気味になりました。私がこの時間に居留守を使うようになり、家族が電話にでるようになりましたが、同じように容赦なく(人のことを考えずに)攻めるようになり、あげくのはては家族の者まで誘うようになり、しばらくの間電話回線を切ってしまいました。また、2,3人引き連れて自宅まで来た(夜中の2時頃)こともありました。
 こんな内容のものをフリーボードにUPしたところ、かなりの反響があり、「私もそういう経験がある」「いや、絶対にそんな事はない」などさまざまでした。

・秘密のセミナーの内容をなぜ私は知っているのか

 まず、私の友達が第3段階(本文にて説明)を終了した段階でセミナーについて疑問を持っていました。その事を知った私がセミナーの内容を教えてもらったということです。
 また、別の友達が自己啓発セミナーのトレーナー(講師)をやっています。もちろん内容は教えてくれないのですが、遠回しに質問するなどして内容を聞き出したものです。あと、数人の被害者からの報告によるものです。
 また、広告になってしまうのですが、


「洗脳体験」二澤雅喜・島田裕巳著

JICC出版局 税込1250円

この本を参考にさせていただきました。
 この「洗脳体験」という本は自己啓発セミナーの暴露本なのですが、どうも肯定的に書いてあるもので私は好きではないのですが、ルポとしては完成しているものなので参考本とさせていただきました。
 なお、本文の中でこの本を流用する部分がありますのでご了承ください。
(この本はなぜか著作権についてはどこにも記されてないんですよ)

・セミナーの恐ろしさ

 友達の情報によると、駅前で主旨のない募金(身障者に愛の手をなど、身障者関係の法人以外はやってはいけないことになっています。)や意味不明のアンケート、羽布団の販売などをやっています。これは明らかに犯罪なのでセミナーの名称を公表しましょう。「ラブミー」というセミナー会社です。
 どうして勧誘するのかというと、第1、第2段階で人格を改造し、(本文にて説明)感動の余韻を残したまま第3段階にいくそうです。その第3段階に勧誘をやるそうで、「君達は人格が変わって幸せだろう。だったらその幸せをみんなに分けてあげようではないか。苦労するかもしれないが、きっと君達を信じてくれる人がいるはずだ。それを捜すのが君達の役目だ。君達がやらないとここで終わってしまい、これ以上広げることができないだろう。君達の紹介者だってそうやってきたんだから、君達だってできるはずだ。」とちょっと考えると営利目的に匹敵するような嘘を並べ洗脳するそうです。それの応用が例の羽布団の勧誘販売です。
 また、勧誘にはノルマがあり、達成できないと、社員の人から殴る、蹴るなどの暴行を受けるそうです。 だから、勧誘する人は人の事を気にせず、自分のノルマのことだけを考えてしまうのではないでしょうか。
 セミナーの周知は勧誘だけなので宣伝費0円、1回のセミナーで約2〜300万も儲けています。別に領収書などは出さず、年間2〜3億稼いでいるのに税金はいろいろ調整できるなどかなり悪どい商売しています。(本文にて説明)
 「実際参加していないのに勝手なことを言うな」といわれるかもしれません。しかし、参加してからでは遅いのです。総額50万円近いお金を払い、何が「自分のため」でしょうか。
 3年ほど前、東京・代々木で行われたセミナーではビルの9階から飛び降り、自殺者まで出た事実もあります。そのときのアシスタント(準社員、無償で仕事をしているそうです。勧誘を通り越えた異常集団)は血だらけになった人を何の感情も表さず、まだ生きているのにもかかわらず白い布を顔にかけた事実もあります。(新聞にも載りました。)これは、「自殺したのは自分の感情に対する結果だ。本人が希望したんことなんだから」となんの反省も示さず、のうのうと生きています。

・勧誘されている方へのメッセージ

 はっきりいって自己啓発セミナーは「自己崩壊」というとても危険なものなのです。


「勧誘されている方、自分に拒否の勇気を出してください。」


 「嫌なものは嫌だ」とはっきりと言える友達が本当の友達だと思います。そこで、ふてくされたり、怒ったり、「もう会わない」と言った紹介者(友達)はいませんでしたか。(セミナー関係者はよくいる。ノルマのためには何でもやる)その人は、あなたのことを「本当の友達」と思っていません。素直に縁を切る勇気が必要です。(私も切った事があります。)
 私も事実セミナー関係者に勧誘・監禁されたことがあり、とてもつらい思いをしました。本当は二度と思い出したくはないのです。しかし、そのつらさを振り切り、こうして皆さんに訴えています。皆さんが私と同じ状況にさせないように.....

・おまけ

 某電信電話会社の社内通信のなかでこのような言葉を残し、会社をやめ、行方不明になった人の言葉を紹介します。(Junetより抜粋)


私はこれで友達を失いました。

私はこれで恋人と別れました。

私はこれで離婚しました。

私はこれでサラ金からお金を借りました。

私はこれで会社からお金を盗みました。

私はこれで会社をやめました。

私はこれですべてから逃げました。