讀陸放翁集
梁啓超
詩界千年靡靡風,
兵魂銷盡國魂空。
集中十九從軍樂,
亙古男兒一放翁。
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。
陸放翁集を 讀む
詩界 千年 靡靡
(ひひ)
たる風,
兵魂 銷
(と)
け盡
(つ)
くして 國魂 空
(むな)
し。
集中 十に 九は 從軍の樂
(らく)
,
亙古
(こうこ)
の 男兒は 一
(いつ)
に 放翁。
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◎ 私感訳註:
※梁啓超:清末・民国初期の政治家・思想家。1873年(同治十二年)〜1929年(中華民国十八年)。字は卓如。号は任公、飮冰室主人。広東省新会の人。康有為に師事し、立憲君主制を主張、維新を目指し戊戌変法に参与したが百四日で失敗(戊戌政変)、日本に亡命した。日本語文献を通じて西洋ブルジョアジーの新しい社会・政治・経済・哲学・歴史などの理論を紹介した。民国時代は、司法総長などを歴任した。
※讀陸放翁集:陸游詩集
を読む。放翁は陸游の号。剣南愛国の詩歌を残している。豪放詞でも有名。本サイトでは特に陸游の篇章
を設けている。
※詩界千年靡靡風:この千年間の詩壇は、頽廃的な気風で。 ・詩界:詩壇。 ・靡靡:〔ひひ/びび;mi3mi3●●〕頽廃的である。なびき従うさま。 ・風:気風。
※兵魂銷盡國魂空:尚武の精神は消え果ててしまい、国家、民族の精神は空虚なものとなってしまった。 ・兵魂:尚武の志。闘争精神。 ・銷盡:〔せうじん;xiao1jin2○●〕消え尽きる。熔けて尽きる。 ・國魂:民族の精神。 ・空:ダメになってしまう。うつろなものとなってしまった。
※集中十九從軍樂:陸游詩集
では、十の内、九は(=その九割は)、従軍のすばらしさ(を詠っている)。 ・集中:詩集中では。ここでは、陸游詩集のこと。 ・十九:十の内、九(は)。十に九(は)。十分の九(は)。九割(は)。九十パーセント(は)。大部分(は)。 ・從軍樂:従軍の楽しさ。軍務に従事する楽しさ。
※亙古男兒一放翁:古今を通じて、本当の男は、第一に陸游である。 ・亙古:〔こうこ;gen4gu3●●〕昔から今に至るまで。永遠。古今に亘る。古今を通じて。(=亘古)。 ・男兒:男子。ここでは、一人前の男。本当の男。男の中の男。 ・一:〔いつ;yi1○〕第一に。もっぱら。ひとえに。専一。 ・放翁:陸放翁。陸游
のこと。放翁は、陸游の号。
◎ 構成について
七絶。韻式は「AAA」。韻脚は「風空翁」。平水韻部上平一東。次の平仄はこの作品のもの。
○●○○●●○,(韻)
○○○●●○○。(韻)
●○●●○○●,
●●○○●●○。(韻)
2003.12.30
12.31完
2021.10. 7補
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