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 これは井古綆先生で、読み下しも井古綆先生になります。
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歳晩

兎走烏飛除夕天、
崢エ世路轉凄然。
寒風凛冽吹茅屋、
錯雪飛微侵井泉。
龕底傾嚢哀詠藻、
爐頭暖酒想流年。
深更剪盡吟燈下、
獨嘆非才慕浪仙。




兎走烏飛 除夕の天、
崢エたる世路  転た凄然。
寒風凛冽  茅屋を吹き、
錯雪さくせつ飛微ひび 井泉を侵す。
龕底傾嚢がんていけいなうして 詠藻を哀れみ、
炉頭暖酒 して 流年を想ふ。
深更 剪り尽くす 吟灯の下、
独り非才を嘆きて 浪仙 を慕ふ。

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・龕底傾嚢: 祭詩。唐の賈島(浪仙)が大晦日の晩に一年間の自作の詩を佛龕にまつり、自分の苦心を慰めたという故事。

※ 太刀掛呂山先生は説く。詩人を志す者として、“歳晩”を詠ずるに際しては、賈島の故事を引用すべしと。


2007.12.22




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