風散士詠柳　詩詞世界碇豊長の詩詞　来信・投稿

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　これは風散士雅兄の作品で、読み下しも風散士雅兄です。 ******************

詠柳
龍鱗萌列麹塵絲、萬縷參參羅帳垂。春暮深愁作飛絮、長征惜別折柔枝。古今墨客成書畫、多少王朝見盛衰。煬帝鴻圖埋竹帛、有無堤柳昔時姿。

竜鱗萌へて列なる　麹塵の糸、
万縷参々　羅帳垂る。
春暮深愁　飛絮と作り、
長征惜別　柔枝を折る。
古今の墨客　書画と成し、
多少の王朝　盛衰を見る。
煬帝の鴻図は　竹帛に埋もれ、
有りや無しや　堤柳　昔時の姿。

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・竜鱗：　竜のうろこのような柳の新芽。
・麹塵：　（きくぢん）こうじ黴のうす黄色。
・参参：　参差、長さが不ぞろいのさま。
・飛絮：　飛ぶ柳のわた。
・多少：　多くの。
・煬帝：　（ようだい）隋の二代目の皇帝、暴君といわれる。
・鴻図：　煬帝は今の北京から杭州まで大運河を完成させたと伝えられる。

２００８．３．１７