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これは風散士雅兄の作品で、読み下しも風散士雅兄です。
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腰越状
負荊峻節已遭輕、
書状空爲骨肉爭。
悲滿芳山靜姫別、
衷通安宅判官行。
諸州鎭亂敷新政、
累代鬩牆連夭塋。
鎌府卅年源統絶、
絶今誰注鶺鴒情。
負荊の峻節は 已に軽んぜられ、
書状は空しく 骨肉の争ひと為る。
悲しみは満つ 芳山に 静姫は別れ、
衷
まこと
は通じて 安宅に 判官は行く。
諸州の鎭乱 新政を敷くも、
累代の
鬩牆
げきしゃう
夭塋
えうえい
を連ぬ。
鎌府卅年 源統絶え、
絶えて今誰か注がん
鶺鴒
せきれい
の情。
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・腰越状:
源義経が、平宗盛父子を俘虜として腰越まで伴ってきたのに、頼朝の怒りにふれて鎌倉に入ることができなかった時、頼朝の部下である大江広元に宛てて無実の罪を訴えた書状。
・負荊:
「荊」はいばらのむち。それを背負って自分の処罰を求めること。
・安宅:
あたかの関所。
・鬩牆:
牆(かき)の内で争うこと。兄弟げんか。
・夭塋:
(造語)夭は、わかじに。塋は墓。鎌倉幕府2代将軍源頼家は22歳で北条時政らに殺され、2代将軍の弟である3代将軍源実朝はは27歳で、兄源頼家の子公暁に殺され、その公暁も19歳で殺された。
・鎌府:
鎌倉幕府は三代で源統は絶えて、後は頼朝の妻の実家である北条氏が実権を握った。
・鶺鴒情:
鶺鴒在原。兄弟が互いに難を救うたとえ。
※風散士『鬩牆』を参照
。
2008.5.28
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