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浮雲一百八盤縈, 落日四十八渡明。 鬼門關外莫言遠, 四海一家皆弟兄。 |
竹枝詞
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◎私感註釈
※黄庭堅:北宋の詩人。慶暦五年(1045年)〜崇寧四年(1105年)。字は魯直、号は涪翁。山谷道人。洪州の分寧(現・江西省修水県)の人。党争に巻き込まれ、紹聖元年(1094年)新法党に中傷され、以後地方を転々として、最後は(現・広西省)宜州で没した。蘇軾の門下として、秦観らと「蘇門四学士」と、また、蘇軾と並んで「蘇黄」と称される。
※竹枝詞:四川省の東部一帯で歌われた民歌で通俗的な言葉をくり返すなど、唱うために七絶に比べてリズミカルな表現がとりいれられた、七言絶句の形式をとった詩。これは其の二。其の一は「撑崖拄谷蝮蛇愁,入箐攀天猿掉頭。鬼門關外莫言遠,五十三驛是皇州。」。
」。
※浮雲一百八盤縈:浮き雲が、彎曲して険阻な山路の嶺に絡みつく(かのように生じ)。 ・一百八盤:山路が彎曲して険阻なさま。転じて、世渡りの困難なさま。本来の意は、高山を百八周して越えること。 ・縈:〔えい;ying2○〕めぐらす。めぐる。まとう。まといつく。絡みつく。
※落日四十八渡明:夕日が四十八渡/多くの渡し場を明るく照らしている。 ・四十八渡:現・四川省巫渓県の東にある。
※鬼門関外莫言遠:(しかしながら、)(任地の近くにある)鬼門関の外側を「遠い(ところ、地の涯)」と言いなさるな。*作者の『竹枝詞』其一と同一表現のところ。 ・鬼門関:峽州(現・湖北省宜昌県)にあった。作者が配流された黔州(けんしゅう)の近く。『中国歴史地図集』第五冊 隋・唐・五代十国時期五十二-五十三ページ「山南東道 山南西道」(中国地図出版社)、『中国歴史地図集』第六冊 宋・遼・金時期27−28ページ「荊湖南路 荊湖北路」(中国地図出版社)にはない。)。また、古代の関の名。現・江西省の北流市と玉林の間、北流鎮甘村の天門山にある。諺に:「鬼門關,十中九不還」と。また、伝説中の陰陽の世界の交わるところ。また、険悪な境地を謂う。 ・莫-:…(する)な。…なかれ。禁止、否定の辞。 ・莫言:言うな。言うなかれ。
※四海一家皆弟兄:(皇帝の治める)四方の海の内は一家であり、兄弟である。 *『論語』・顔淵に「司馬牛憂曰:人皆有兄弟,我獨亡。子夏曰:商聞之矣。死生有命,富貴在天。君子敬而無失,與人恭而有禮。四海之内,皆爲兄弟也。君子何患乎無兄弟也。」とある。 ・四海:四方の海の内。全国各地。 ・四海一家:晩唐・杜牧の『長安雜題長句』に「觚稜金碧照山高,萬國圭璋捧赭袍。舐筆和鉛欺賈馬,贊功論道鄙蕭曹。東南樓日珠簾卷,西北天宛玉厄豪。四海一家無一事,將軍攜鏡泣霜毛。」とある。 ・弟兄:兄弟。ここで「弟兄」として「兄弟」としないのは平仄に配慮したためで、「兄弟」では○●で、●●とすべきところで使え、「弟兄」とすれば●○となり、○○とすべきところで使える。この詩は竹枝詞なので平仄も厳格ではないが、下欄「構成について」の通り、概ね七言絶句の形式に従っている。
◎ 構成について
平韻一韻到底。韻式は「AAA」。韻脚は「縈明兄」で、平水韻下平八庚。次の詞調はこの作品のもの。
○○●●●○○,(韻)
●●○○○●○。(韻)
●○○●●○●,
●●○●●○○。(韻)
2019.6.27 6.28 |
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