子供の科学のラジオ>2石レフレックス・ラジオ製作例
昔の子供の科学のラジオの回路図のうち、いくつかは「はじめてトランジスター回路を設計する本」(誠文堂新光社、2002年版。奥澤清吉氏・奥澤煕氏共著)に載っており、今でも書店で入手できます。
この本には実際の製作例や基板パターンは載っていませんが、ここでは私が実際にこの本を元に、1974年頃の奥澤先生の作風に近くなるよう作ってみたものをご紹介します。部品もすべて、2006年現在新品で入手できるものを使用し、通信販売でも手に入るものを選びました。また、手間のかかるプリント基板の代わりにユニバーサル基板を使ってみました。
ここで作るラジオは、「はじめてトランジスター回路を設計する本」の、「2.2.4 2石レフレックスラジオ」(P.98)です。この回路は、「子供の科学」1974年5月号、1975年1月号、1976年5月号などで発表されている、部品の少ない割に感度が高い直結式2石レフレックス回路です。 |
ここに回路図を載せられませんので、抵抗器とコンデンサを識別するために番号をつけます。
回路には全部で3つの抵抗器がありますが(ボリューム除く)、左から順にR1、R2、R3とします。
同様に全部で6つのコンデンサがありますが(バリコン除く)、左から順にC1、C2、…、C6とします。最初の2つは上下に並んでいますが、上がC1、下の電解コンデンサがC2です。
実際の抵抗値とコンデンサ容量は、本に掲載されているとおりとしてください。
名刺ケースのサイズ(約60mm×97mm×35mm)のポケット形として製作します。基板サイズは当時の子供の科学にならって、横55mm×縦47mmとしました。
プリント基板を作ってみるのもいいですが、この1台だけのためにプリント基板キットを買ったり、廃液を処理したりするのは辛いと思いまして、ここでは通常のユニバーサル基板に配線するものとしました。現在普通に手に入る2.5mmピッチのものです。もちろん同様のプリント基板を製作されても結構です。
基板の表(部品面)です。素人がただ結線しただけなので、手法としてでたらめな部分が多いと思いますが、ご勘弁ください。 |
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基板の裏(配線面)です。オレンジ色の部分に沿って、差し込んだ部品のリード線を折り曲げて配線します。 |
青い丸印は基板に開ける穴(基板の固定穴+部品の取り付け穴)です。
ボリュームは基本的にスイッチ付き平型(10kΩ)を使うのですが、入手しにくいので、まずは普通の軸の出っ張ったスイッチ付きボリュームを使って作ってみます。平型ボリュームを使う場合は、緑色の点線の位置に置くことを目安とし、固定用穴として小さい緑色の穴を2つ空けます。この図では4つ空いていますが、平型ボリュームには直径12mmのものと16mmのものがあり、それぞれの取り付け穴の位置が違うのを一緒に書いたためです。実際に使うボリュームに合わせて穴の位置を決めてください。