193 夢見る人々
●聖書箇所[詩篇81篇10節]
クリスチャンとは何でしょうか?あなたにはきっと正しい答えがおありと思います。ただここでは神学的な解答を求めているのではありません。さて、その答えは、夢を見る人!すばらしい聖句を今回はご紹介しましょう。
わたしが、あなたの神、主である。わたしはあなたをエジプトの地から連れ上った。あなたの口を大きくあけよ。わたしが、それを満たそう。
あなたの口を大きくあけよ、とはなんとすてきな言い方でしょうか。私が中学生の頃、自転車に乗っていて、あくびをしたらなにやら虫が口に飛び込んで咽に命中しました。吐き出そうとしましたが、上手に胃の中におさまってしまいました。胃の中で羽をばたばたさせているような感じがしました、が、このようなことのために口を大きく開けなさいと言っているのではありません。わたしはあなたをエジプトの地から連れ上った、とはあなたを罪と罪のもたらすあらゆる災いから解放してやったでしょう、だからもう過去のことは忘れて、未来に大きな夢を掲げましょうと教えています。今回は聖書から夢見る人々をご紹介しがてら、いくつかの夢も同時にご紹介しましょう。
アブラハム[創世記12:1-4a]
彼はあなたにどのような夢を教えているでしょうか。それは家族や家系への祝福。あなたはこの種の祝福を期待していらっしゃいますか。アブラハム75才、サラ65才。子どもがいません。彼らは子どもが欲しい。欲しい人にとっては実に切実です。そうして願いは聞かれ、ついにイサクが与えられました。たった一人の子どもが。でも一人で十分。アブラハムの子孫はユダヤ人と呼ばれますが、世界で一千数百万人しかいないのに、世界の歴史にキラ星のように輝く偉人を輩出しています。ニューヨークタイムズの社主ザルツベルク、百貨店王S・グッドマン(メイ百貨店)とJ・シュトラウス(メイシー百貨店)、映画製作者のW・フォックス、やゴールドウィン。自動車会社シトロエンのアンドレ・G・シトロエン、ノーベル物理学賞のアルバート・アインシュタイン、精神分析学創始者シグムント・フロイト、社会哲学者カール・マルクス、画家のマルク・シャガール、ピアニストのウラジミール・ホロビッツなどなど。そうして我らが救い主イエス・キリスト。もしあなたがご自分の家族や家系への祝福を期待していらっしゃるのなら、どんな場合にも、あきらめないで涙とともに祈らなければなりません。サラは高齢になってから子どもが与えられると知らされて、笑ったと記録されています(創世記18:12)。通常サラの不信仰の証拠とされますが、子どもが欲しいと言う彼女の思いと女性の心理からすると、笑いの背後に涙と強烈な願望とが隠れていると見ることができます。神さまは彼ら夫婦の願いを聞いてくださいました。あなたにももしこのような夢があるなら、一生懸命に涙とともに祈ってください。
ヨセフ[創世記37:6-8]
彼はあなたにどのような夢を教えているでしょうか。それは政治家や実業家。ともにすばらしい職業です。共通しているのは良い社会を築いて行こうという思いがあること。良い社会を築くために、前者は良い仕組みやシステムを構築しようとし、後者は良質の生産物を可視不可視を問わずに提供しようとします。ヨセフはついにエジプトで総理大臣になりましたが、国家経営の手腕はすばらしいものでした。当時のエジプトはスーパースーパースーパーパワーでした。
一人の少年がロンドンから片道切符で船に乗って横浜に上陸しました。東欧の迫害を逃れたユダヤ人一家11人兄弟の下から二番目の子でした。名前はマーカス・サムエル。1871年でした。懐には5ポンドのみ。彼はまず湘南海岸に行き無人の小屋で数日を過しました。海岸を歩いていると美しい貝に目が止まり、加工した貝はロンドンで飛ぶように売れて行きました。1876年にサムエル商会を設立。彼はロイヤル・ダッチ・シェル・グループの創業者です。みなさんの家の近くにもシェルのガソリンスタンドがあるでしょう。シェルとは貝殻の事です。
ただしもしもあなたが成功を願うとするなら必ず忘れてはいけないことがあります。それはねたみとの戦い。必ず人々から妬まれ、足を引っ張られます。罪人はそうするものです。これは必要経費です。対応策を伝授しましょう。
1 ねたみを勲章を考えること。妬まれるには理由があります。それだけ祝福されているから。祝福されているだけ、ねたみも多いのです。
2 赦すこと。赦すことがキリスト教です。もしあなたをねたみ、悪事をするなら、その人は必要に応じて神さまご自身が復讐なさるでしょう。あなたが復讐することはありません。
だれに対してでも、悪に悪を報いることをせず、すべての人が良いと思うことを図りなさい。あなたがたは、自分に関する限り、すべての人と平和を保ちなさい。愛する人たち。自分で復讐してはいけません。神の怒りに任せなさい。それは、こう書いてあるからです。「復讐はわたしのすることである。わたしが報いをする、と主は言われる。」もしあなたの敵が飢えたなら、彼に食べさせなさい。渇いたなら、飲ませなさい。そうすることによって、あなたは彼の頭に燃える炭火を積むことになるのです。悪に負けてはいけません。かえって、善をもって悪に打ち勝ちなさい。(ローマ12:17-21)
3 その人のために祝福を祈ってください。なぜ妬むのかと言えば、祝福されていないからです。祝福されれば妬みは止みます。どうかあなたを妬む人のために祈ってください。
こうして妬みと戦ってぜひ成功をおさめてください。
ハンナ[サムエル第一1:20]とアナニヤ[使徒9:17,20:12]
彼らはあなたにどのような夢を教えているでしょうか。両者ともに偉人を産み出したと言えます。彼ら自身は平凡な目立たない人たちです。まずハンナの場合、祈って与えられた息子はサムエル、イスラエル史上初の預言者になりました。何でも初、というのはわくわくさせられるものです。あなたもあなたの教会で初と言われる何かに挑戦してみませんか。きっと心踊りますよ。
アナニヤの場合、クリスチャンたちを迫害していたパウロをイエスさまが打った時、目が開かないパウロの目を開けたのがアナニヤです。以降彼の活動には特別なものはありません。縁の下の力持ちと言ったらいいでしょうか。果たしてこのような生き方が夢と言えるのでしょうか。実は言えます、大胆に。彼らは天国で最高の椅子に座ることが出来ます。ところで天国ではパウロとアナニヤはどちらが偉いでしょうか。サムエルとハンナのどちらが偉いでしょうか。解答を見ましょう。
あの方(イエス・キリスト)は盛んになり、私(バプテスマのヨハネ)は衰えなければなりません。」(ヨハネ3:30)
通常、罪深い私たちは、あの方は衰え、私は盛んにならなければなりません、と言うのではないでしょうか。目立つような場所を私たちは我先にと確保しようとしますね。野球をしようとすると、まず投手をしたい人が多く志願します。ついで三累手や内野手。決して私は玉拾いでいいですとは言わないものです。だれもが目立ちたいのです。それだけにバプテスマのヨハネの人格は抜きん出ています。こういうヨハネについてイエスさまはこう約束してくださいます。
まことに、あなたがたに告げます。女から生まれた者の中で、バプテスマのヨハネよりすぐれた人は出ませんでした。しかも、天の御国の一番小さい者でも、彼より偉大です。(マタイ11:11)
つまりバプテスマのヨハネは天国で一番偉い、と言っています。あなたは天国で一番良い席に座る夢を持とうと思いますか。縁の下の力持ち、陰で他の人を支えることは神さまの目には実に大きな価値を持つものです。
長血の女[マタイの福音書9:20-22,マルコの福音書5:25-34]
彼女はあなたにどのような夢を教えているでしょうか。それは新しいアイディアに挑戦すること。彼女はいやしを求めてあちらこちら訪ねて歩きました。お金もたくさん費いました。でも何の良い結果も産み出せませんでした。それでもあきらめません。こう考えました。
「お着物にさわることでもできれば、きっと直る。」と心のうちで考えていたからである。 (マタイ9:21)
ところでこのようなアイディアは普通のものでしょうか。決してそうではないでしょう。実に奇妙な、非常識に映るものでしょう。聞かされた人はきっと呆れた顔をしたことでしょう、「まさか、そんなこと、あんた、どこか頭がおかしいんじゃあないッ!そんなことあるはずがない!!起きるはずない」。あなたは、たとえばこのような反応を聞かされたときに、どのように心の中で考えますか。「確かにこんなアイディア、つまらないな」と思い、挑戦を止めてしまいますか。どうか、このことを忘れないでください。人は自分の発言に責任を持たないことを。もしあなたが人の助言を採用して良くない結果が発生したときにだれが苦しむのか、です。あなたの人生はあなたのものです。神さまに聞くのが正しいのです。彼女の答えは上のみことばの通りでした。そうしていやされました。もしあなたが問題に直面したら新しいアイディアに挑戦することをお勧めします。必ずや神さまはあなたを助けてくださいます。たとえ辛いことがあっても負けないで新しいことにチャレンジしてみてください。これもまた一つの夢です。
ビクトリア朝を時代を代表する詩人であるR・ブラウニングの詩を一部ご紹介しましょう。[第6連]
されば、平坦な地上に波瀾を巻き起こす
一つ一つの挫折をも歓迎せよ
立つも座るも得しめず
ただ進ましむる一つ一つの刺をも!
我らの喜びに 四分の三の苦しみあれかし!
力闘し、易易として尽瘁せよ。
学びて 疼痛をものともせず、挑んで 激痛に呟くな!
Then,welcome each rebuff
That turns earth's smoothness rough,
Each sting that bids
nor sit nor stand but go!
Be our joys three-parts pain!
Strive,and hold cheap the strain;
Learn,nor account the pang;
dare.never grudge the throe!
プリスカ(妻)とアクラ(夫)[ローマ人への手紙16:3]
彼ら夫婦はあなたにどのような夢を教えているでしょうか。それは温かい理想的なクリスチャンホーム。人々を招き、心からの歓迎をし、人々の心をいやし、希望を与える家庭。あなたにはこのような夢がふさわしいかも。彼らはテント作りを生業とし、プロの伝道者であるパウロやアポロを資金的にも精神的にも助けました。自宅に泊め、疲れをいやすように心を尽くしました。今の時代、家庭が問題を抱え、将来に次の世代に不安を残しています。今こそ福音によって生まれ変わった者たちがその出番を神さまに期待されています。家庭は神さまの手に成るすばらしい発明品。修理が今や必要です。あなたがモデルを人々に提供する、そんな夢はいかがでしょうか。
他にも多くの夢が考えられますが、聖書は夢の宝庫です。読んで、祈って、平安とともに他の人たちにも喜んでいただけるような夢をともに追い掛けようではありませんか。なんだかそう考えるだけでわくわくして来ましたね。神さまの祝福をお祈りいたします。