6 隣人(となりびと)を愛しなさい。



 まず、みなさん、ルカの福音書10章25節から39節 をお読みください。ここでイエスさまは何をおっしゃりたいのでしょうか。律法学者の質問は「永遠の命を得るためにはどうしたらいいでしょうか。」(25節)というものです。永遠の命とは死んでも生きる天国の命であり、また現在生き生きとした生活を保証する命のことでもあります。
 このような命にあなたも関心がありますか?この問答における最終的な解答は「隣人を愛するならば得られる」というものです。なぜでしょうか?それを学ぶ前に隣人とはだれであるかをはっきりとさせておかなければならないでしょう。36節と37節とをお読みください。負傷した旅人ではなく、親切を施したサマリヤ人であることが分かります。つまり普段お世話になっている方々への感謝の気持ちを忘れてはいけないということが「隣人を愛しなさい」の意味です。当り前のこととも言えますが、なぜ愛さなければならないのかを学んで参りましょう。 

あなたの健全な人間性を養う

 人は人との交わりの中で人になっていきます、人間性を養って行きます。ですから人との関係が否定的だとしますと、その人は健全な人間性に欠けることになります。その証拠にインドのカルカッタ近郊で発見された、あの有名な、狼に育てられた狼少女はとうとう「人間」になれませんでした(誤解しないでください!)。
 さて旅人はサマリア人によってとてもすばらしく親切にされています。強盗に襲われ負傷し財産を失ってしまったばかりでなく、このまま砂漠の砂になってしまう所でした。彼の人間性は否定されてしまう所でした。でも助けられました。一度は死を覚悟した彼ではありましたが、人間として再び生きる幸いに浴したと言えるでしょう。
 隣人に感謝するということは、先に学びましたように、今まで世話になったすべての人たちに対して感謝の気持ちを持つということで、人間としての義務・礼儀でもありますが、あなたを肯定的な、人との交わりに招き入れる入り口であり、あなたにとって必要かつ重要ななものです。

与える生活へのスタートになる

 強盗に襲われたこの人はどのように面倒を見てもらったでしょうか。33、34節をご覧ください。このようなことは全く一方的であるゆえに恵みと表現することができます。恵みとは私たちの側に受け取る資格がない、あるいは請求する資格がないにもかかわらず与えられるものです。例えば太陽、空気、水、生命、親など。天地を造られた神さまはこのような恵みの中で私たちが生活を楽しむことを願っていらっしゃいます。またこの恵みは神さまを信じていても、いなくても受けられます。
 でももし信仰の世界を体験することができたら、つまり隣人を愛するという勧めを神さまからものと受け取って実行したらもっと恵みが多くなります。というのは与える者はもっと与えられるからです。神さまはあなたがもっともっと恵まれるようにしてくださいます。使徒20章35節と第2コリント9章6節とをお読みください。

与えられている賜物(能力・タレント)に気がつくようになる

 人は一般の動物とは違って自分の生きる意味を知らないではいられません。旅人はサマリア人に助けられて「あなたは生きるべきです」というメッセージを受け取ったのです。
 あなたは人類の歴史の中で20世紀に生きるあなた自身の存在の意味を尋ねなければなりません。具体的にはあなたの家族の中で、勤め先の中で、あなたのいる所すべてにおいて意味を尋ねましょう。そしてあなたは神さまから期待されているからこそ今生きていることを悟らねばなりません。
 実はあなたに親切にしてくれる隣人こそ神さまから贈られた、あなたがこの地上に生きることを歓迎されていることを示す重要な証拠のひとつです。そして私たちは自分の生きていることが歓迎されていることを知るときに、自分のうちに与えられている賜物の存在に気がつくことは決して少なくありません。神さまはあなたの心に願い事を起こさせますが(ピリピ2章13、14節をお読みください。)、そのきっかけを作るのに隣人を用いられることは少なくありません。あなたは与えられた賜物を伸ばして、充実した人生を生きねばなりません。これに気づいたときにあなたの人生に新しい時代が始まります。 

あなたの愛を豊かにする

 人生は芸術のようもので、美しいものです。しかしその美しさは苦しみや試練を通して磨かれて行くものです。試練を経た人は輝いています。苦しい体験をした人には思いやりがあります。悩みの中にいる人に対しては効果約な助言を与えることができます。もし試練を神さまから与えられたものとして積極的に受け取って行くとするならこれらのものが報いとして豊かに与えられます。
 ローマ書8章28節をお読みください。ちなみに隣人には二種類あります。あなたの心に楽しみを与える人と苦さを与える人です。両方ともあなたの隣人です。そう受け取りましょう。神さまは私を愛してこのような隣人を与えてくださったというふうに。前者はあなたの心に愛を誕生させ、後者は愛を成長させます。
 あなたが神さまの与えてくださった隣人に分け隔てなく感謝するときあなたの愛はとても豊かになります。神さまのひとり子イエスさまはご自分を殺そうとし、また殺した人をも赦されました。ルカ23章34節をお読みください。どんな隣人をも感謝して受け入れ、愛して行きましょう。

天地の造り主・まことの神さまを知ることができる

 だれも完全な人はいません。人は過ちを犯すものです。しかしたとえ善意であっても被害にあった人の立場からするならやり切れないものがあります。
 さてキリストの神さまのお造りになった決まりは完璧です。この教えはメイド・イン・キリストです。この教えを守り、たくさんの恵みを受けることによってあなたはあなたを愛しておられる神さまの存在に気づかれることでしょう。その神さまはあなたを愛してご自分の大切なひとり子イエスさまを十字架につけて、罪を持つあなたの身代りに死なせられました。これをあなたが知るときあなたは永遠の命を得ることができます。

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