65.夢のある人生

●聖書箇所[第1コリント9:24〜27、および各段落ごとに表示]

 生きることは本来前向きのことであるはずです。新しいものを得ていくことだからです。しかし時間、空気、水、食料などが新たに与えられても、また新陳代謝により日々新しい肉体が与えられても、つまり生物学的に新しくされても、生きることへの充分な満足を得ることはできません。あなたを真実に満足させる生き方とは夢のある人生です。みことばから学んで参りましょう。

夢を持つ(ヘブル11:1、2)

 空を打つのはあくまでトレーニングであって、本来の目的は試合において勝つことです。トラックを走るのにも決勝点がわからないなどありえないことです。全能の神さまはあなたの幸福のためにはいかなる労をもいとわない方です。その証拠に天地創造の仕方を見ることができます。すべての条件を整えたあとで人間を住まわせられました。この天地が人間に奉仕するという性質を持たされていることを示しています。力あるお方があなたの味方です。この真理を知ったパウロは過去を見ないで、未来と目標とを見るように勧めています(ピリピ3:13、14)。
 しかし、人には共通の弱さがあります。つい否定的になりがちです。消極的になりがちです。「本当に神さまは助けてくださるのだろうか?」サタンはこれを知りつつエバと会話をしています。「神さまは本当にそうおっしゃったのですか?」「ええ、まあ、そうおっしゃったのだと思いますが・・・?」彼女には確信がありません。こうして禁断の木の実を食べてしまいます。「本当はあなたが一番偉いンですよ。あなたこそ神さまですよ。感じるまま、思うままやってみなさい!」と訴えかけるサタンの作戦はまんまと成功しました。自分自身を神とし、最終判定者としようとする誘惑は大変強いものです。しかし神さまがいらっしゃることとそのお方があなたを愛していらっしゃることとをあなたは信じなければなりません。聖書こそその証拠です。
 前向きな人は心ず夢を持っていますが、聖書はあなたに夢を与えてくれます。史上最初かつ最大の夢は救い主が与えられるというものです(創世記3:15)。一度失敗した私たちに回復の夢をくださいました。救い主によって神さまと和解させていただき、人間性と幸福とが回復される夢です。信仰生活とは夢のある生活です。
 昔人類が堕落して、これを原因として、神さまの裁きがくだるという警告がなされたとき、ノアは神さまを信じ、助かる夢をみて滅びから免れました(ヘブル11:6、7)。アブラハムは100才になり、妻は90才になっても、25年前にくださった、こどもが与えられる夢を捨てませんでした。彼は嫡子が必ず与えられることと天の星のような、海の砂のような数の子孫とを夢見ていたのでした。あなたが聖書を読むときには、あなた自身のために個人的な夢を捜すことを忘れないでください。イエスさまを信じて、聖霊さまによってあなたの心のキャンパスに夢を描いてください。

その夢を信じる(マルコ9:23)

 夢の実現には信仰が要ります。信仰とは実現のための手段です(ローマ1:16)。さらに信仰とは何でしょうか。十字架と復活の福音を受け人れることです。あなたの罪はイエスさまにあってすべて赦されました。従ってどのような罰も呪いも不幸も取り去られています。この福音には力があります(第1コリント1:18)。福音には信じる者のいのちを新しくし、積極的かつ肯定的な人生へと導く力があります。これを救いと言います。この約束は天国へ行けることのみならず、現実の今の生活の中に神さまの力が現れることでもあります。イエスさまは昔も今も永遠に変わらないお方です(ヘブル12:8)。このお方にあってあなたはこの世においていろいろな生きる戦いがあっても、すべてに勝利をおさめることができます。障害物があっても必ず勝利できます(ローマ8:34〜39)。これは天国人、すなわち天国に国籍がある者への恵みです。この恵みの保証が信仰です。だから信仰は人生の最大の財産です。
 どのようにして信じる信仰を持つことができるのでしょうか。

第1に、実現した夢の例を聖書や人々のあかしの中から見つけだして、それを学びましょう。百聞は一見にしかず。

第2に物事には順序があることを知りましょう。夢は小さなことからかなえられて行くものです。少しずつ夢を大きくして行きましょう(マルコ4:28、29、ピリピ3:16)。

第3に祈って決心しましょう。平安があれば進むべきです。断食も確信を得るための助けとなるでしょう。

夢に向かって実践する(ヤコブ2:26)

 投票もせずに当選を祈るような仕方はいけません。実践とは次のようなことです。

第1に正当な権威者、真に力ある方に訴える

 あるときやもめが、人を人と思わない裁判官に人から受けた不利益を回復するよう訴えます。イエスさまは「夜昼神さまを呼び求めている選民(今で言うクリスチャンのこと)のために裁きをつけないで、いつまでもそのことをほおっておかれることがあるでしょうか」とおっしゃいました。「みこころなら必ず成ります」というせりふをあなたが口にするとき、その真の意味は、みこころは信仰によって自分が生みだすものである、というものでなければなりません(ルカ18:1、7)。その信仰の起源はと言えば、天地の造り主なる全能者の力を信頼することです(マルコ9:23)。

第2に神さまを賛美する

 今あなたに起きていることのすべて、つまり良いことも悪いことも神さまに感謝しましょう(第1テサロニケ5:16〜18)。ひとりの極端に太ったご婦人がおりました。食べすぎのためにそうなのです。なぜ?夫との関係が悪かったのです。彼女は自分をサーカスの化物みたいだと言います。しかしあるとき、助言を得て、正当な権威者、真に力あるお方に現状を訴えて、夢が実現する前に感謝を先取りする生活を始めました。「私はこのように醜く太っています。私と夫とはこんなにひどい状態です。この現状を感謝します」「今、夫は家を出ています。感謝します」「離婚の書類にも感謝します」と言いました。ある日、犬がしつこく吠えていらいらしそうになりました。「よくわかりませんが、神さま。うるさい吠え声にも感謝します」実はこのとき郵便配達人が玄関先に立っていました。受け取った手紙には見慣れた筆跡で、「もし君が良ければやりなおしてみないか?」と書いてありました。まもなく彼女の体重は目に見えて減り、やがて平常に戻り、教会の人たちから祝福を受けました。

第3に忍耐する(ローマ12:12)

 神さまはあなたを目的地へ導く途中で多くの非常に重要なことがらを学ばせようとしていらっしゃいます。忍耐の学校であなたは無条件で与えられる救いのすばらしさを学びます。

第4に神さま第一の生活をする(ローマ12:11、マタイ6:33)。

 神さまを第一にする人を神さまは第一に、すなわち優先して祝福してくださいます。

第5に信仰上の努力をする

 種蒔きをしなければ芽は出ません。夢に向かって建設的な行動を起しましょう。御子キリストさえ惜しまずにあなたにくださった愛の神さまが、あなたを夢のある人生へと導いてくださいます。主の御名によって祝福いたします。

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