アイチェックについて


大変に多い眼の病気

他の理由で外来で訪れた犬に、一般の簡単な検査を行うと、その3割〜4割に眼科疾患が認められると言われています。
眼疾患には、結膜炎、角膜炎、白内障、眼瞼内反症、眼瞼外反症、睫毛乱生、流涙症、ぶどう膜炎、緑内障、進行性網膜萎縮、ドライアイ、コリー眼異常、癌etc多くの疾患があります。

 眼の病気と遺伝

犬の眼科疾患の70〜80%が、遺伝性と言われています。
犬種毎に、好発する疾患があり、しかも眼科疾患のリスクは、限られた犬種だけの問題ではありません。

ゴールデンの若年性白内障や、CPRA(中心性進行性網膜萎縮)、ラブラドールのGPRA(進行性網膜萎縮症)、RD(網膜形成異常)など、熱心なシリアス犬種クラブ等の活動で、日本でも、ようやく、ほんの一部の犬種の眼科疾患については、取り組みの足場が作られつつあります。
その一方で、ほとんどの犬種の飼い主や一般においては、眼科疾患についてほとんど意識をもっていないのではないでしょうか。
犬の遺伝性疾患は、特定の犬に限られた問題ではなく、蔓延しており、犬種を超えてミックス達にも、多くの病気をもたらしています。
身近にいる我が家のふぁーは、生まれてまもなくに兄弟もろともに捨てられていて、一見ではどの犬種が混ざったのかも特定しにくい、純然?なミックスですが、遺伝性のリスクが大きい、眼瞼内反症があり保護したときは失明の危機にあり、アカラス(眼疾患ではありませんが、遺伝的な素因が示唆されている病気です)も発症していました。

(例)

柴犬・・・・睫毛重生、瞳孔膜遺残、難治性角膜潰瘍、白内障、水晶体脱臼・亜脱臼、緑内障、ぶどう膜炎など
シーズー・・・睫毛重生、眼瞼内反症、乾性角結膜炎(ドライアイ)、露出性角膜症候群、白内障、硝子体変性、進行性網膜萎縮(PRA)、網膜はく離、小視神経乳頭・視神経形成不全など
パグ・・・睫毛重生、眼瞼内反症、眼瞼閉鎖不全、犬眼瞼症など
ビーグル・・・・睫毛重生、瞬膜腺脱出、角膜ジストロフィー、緑内障、白内障、進行性網膜萎縮など

MVM67,68,72,73「眼科診療とその看護」より


 アイチェックの意義

早期発見、早期治療

眼の疾患は、進行性のものが多く、また、発症年齢が遅いものもあるため、欧米では、アイチェックは、普通の一般の身体検査と同じように、多くの飼い主が愛犬の健康管理のために毎年の検査を行っています。

飼い主が気づかなかった眼のトラブルを早期に気づいて、適切な治療をすることで、早期の治癒や悪化をふせいだり、悪化を遅延させることができます。

眼の疾患は、続発性疾患が多く見られます。
白内障が進行すると、続発性ぶどう膜炎やさらに緑内障や網膜はく離を引き起こします。早期発見し、定期的に進行度、続発性疾患のチェックを行うことが重要なのです。手術を行う適期も定期検査を行うことにより判断されます。
眼瞼疾患も、発見・治療が遅れると、角膜潰瘍が広がり、水晶体核硬化も起き、失明することもあります。
緑内障は、好発犬種は定期的な健康診断で眼圧の測定を行い、軽度の上昇があったときに早期に発見し、眼圧のコントロールをしていかなければ、失明のみではなく、犬に大変な痛みを伴う疾患です。

専門医の紹介

眼科治療は、高度の手技、特殊な器具を必要とするものも多く、一般の動物病院での治療は限られてしまいます。
アイチェックを受けることで、早期発見のみではなく、適切な治療を受けることができる通院が可能な地域での、眼科専門医を紹介して頂くことができます。
白内障の犬用の眼内レンズが普及し、多くの病院で治療が受けられるようになりました。
緑内障の治療も、ヒト・犬共に、日々新しい治療方法が開発されています。とても難しい疾患ですが、適切な治療によって幾分視覚を失っても、快適な生活が過ごせる可能性があるのです。
この分野に詳しく、日々の研究に熱心な専門医に治療して頂くことは、多くの疾患の犬にとって、最大のチャンスが与えられ、適切な説明を受けることは、多くの飼い主に安心感を与えるものと思います。

遺伝性疾患の蔓延を防ぐ

先にも書きましたように、眼科疾患の70〜80%が、遺伝性と言われています。痛みや失明を伴う疾患も少なくはありません。
眼疾患の蔓延を防ぐ、最良の選択は、リスクの疑われる犬を繁殖のラインからはずしていくことです。
欧米諸国では数十年前から眼科専門医によるアイチェックが行われ、ブリーディングに反映させています。

アメリカにおいてはAVCOという団体の公認専門医のみが診断書を発行することができます。
その診断書をCERFという登録機関に送ることにより登録ナンバーが与えられ、AKCの血統書に、OFAナンバーとともに記載されます。
このアイチェックを毎年行うことで、遺伝性疾患のリスクの有無を確認したうえで、繁殖をしていく体制ができているのです。

日本では、このような体制が全くないため、「BREEDING NO!」と記載されている眼疾患をもっていたとしても、繁殖に使用し、その疾患が蔓延してしまっているのです。

このような状態を危惧した、ゴールデンリトリバーのシリアス犬種クラブである、GRCJという会が、96年に日本初のアイチェックを実施しました。
WAN'STAILでは、多くの方の協力をえて、GRCJのアイチェックと同じ、世界的眼科組織、ICVO(International Canine Veterinary Opthalmolgist)の傘下であるJCVO(Japan Canine Veterinary Opthalmologist) に所属されている眼科専門医をお呼びし、定期的にアイチェックを開催しております。
参加者には、数十項目にも及ぶ、診断書が発行されています。最新年度の、このような診断書を提示できることが、ひとつの大きな繁殖の選択になっていくことが、遺伝性疾患の蔓延を防ぎ、苦しむ犬たちを減らすことに繋がると思います。


 アイチェック開催の意義

アイチェックを身近に

専門医をさがしたり、大学病院での検査を受けることは、なかなか大変なことですが、アイチェックを定期的に開催することで身近に多くの方に気軽に参加して頂けることと思います。


般の飼い主にも検査の機会と意識を

蔓延している眼疾患に対し、一般の多くの犬達が、検査を受けることで、早期発見・早期治療の機会を与えられることを目的にしています。
繁殖を考えていない犬、ミックスの犬にも、定期的なアイチェックを受ける機会が得られることは、大切だと考えています。

犬種を広げる

シリアス犬種クラブが、独自の犬種についてアイチェックの意識を広げることと同時に、WAN’STAILにおいて、全ての犬種を対象にアイチェックを行うことで、犬種クラブによるアイチェックの開催のない他の犬種においても、遺伝性疾患の意識や、アイチェックへの関心が深まったり、シリアス犬種クラブの結成などに結びついていくことを願っております。

 アイチェックの実際

・WAN'STAIL主催のアイチェックは、20頭を限度とし、午前、午後に分かれて、行われます。

・検査開始前に、検査手順についての説明や、眼疾患についての説明があります。

・氏名・診察番号が記載された紙と共に、犬の撮影をしたのち、全体的な検査、前眼部の検査及び写真撮影、涙量の測定が行われ、散瞳剤により瞳孔を散大させます。

・点眼後、15〜20分で瞳孔が散大するので、その後、散瞳時の検査、眼底の検査、写真撮影、点眼麻酔の上で、シェッツ圧入眼圧計による眼圧の検査等が行われます。

・検査結果は、約2週間後に、丁寧な説明、参考資料、写真などを添えて、40項目にもわたる診断書が、各自に郵送されます。

検査は、犬に痛みを与えることなく、通常の診察を受け入れる犬であれば、手で軽く保定する程度で十分です。
通常の診察が不可能な攻撃的な犬、過度にシャイな犬などは、集団検診は、慎重にご判断ください。

検査結果は、直接自宅に郵送され、結果が主催者など第三者に漏れることは決してありません。

 アイチェックに関連したサイトの紹介

http://www.grcj.org/activity/eyecheck.html・・・・GRCJサイト内のアイチェックに関するページ(更新されていない為、現在とは費用などは違います。)
http://www.pepbullet.com/eye.html・・・・アイチェックにより眼疾患が発見された方のサイトです。ぶらっくぶりっと(http://www.pepbullet.com/)内のページです。
http://homepage3.nifty.com/aruani/eyecheck.htm・・・・・アイチェック体験記(WAN'STAIL主催)
http://rie.gn.to/ofa2.htm・・・・アイチェック体験記
http://www.cty-net.ne.jp/~yoshi-ma/eyecheck/eyecheck.htm・・・アイチェックにより眼疾患が発見された方のサイトです。
http://www.cac-net.ne.jp/~charo/CEAtxt.htm・・・・眼疾患のひとつである、コリー眼異常について書かれたサイトです。



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