ジェンダー
1.あなたのまわりで
今どき「女らしさ」「男らしさ」なんて
わたしはこだわってないと思っている人も
いるかもしれません。
でも、実は自分が思っているよりもずっと、
わたしたちは「ジェンダー」に影響を受けています。
そして、自分で意識している、いないにかかわらず、
わたしたちは、相手の性別によって、
接し方を変えたり、基準を変えたりしているようです。
たとえばこんなことが…
子どもがおなかの中にいるとき、 元気に動いていれば 「元気、いいね。きっと男の子よ」 と言われました。 また、おとなしくしていると、 「おとなしいね。女の子なのかな」 と言われました。 |
おなかの中の子が男の子だとわかってから、
母とベビー布団を買いに行きました。
わたしはピンクの布団の柄が気に入ったので、
それがいいと言ったら、
「男なんだから青なんじゃない?」と言われました。
「せめて黄色にしたら」とも言われました。
息子が座れるようになった頃のある日、 目の前に、赤いボールと青い自動車、 白いぬいぐるみを置いて、 「どれがいい?」と息子に聞くと、 彼は赤いボールを選びました。すると 「さすがに男の子ね。将来は野球選手かな?」 と言われました。 娘が生まれたときにも、同じことをしてみました。 娘も同じように、赤いボールを選びました。 すると、「え?女の子なのに、 ぬいぐるみよりボールが好きなの?」と言われ、 隣にいた人からは、 「きっと女の子だから、赤が好きなんじゃない?」 と言われました。 |
子どもたちが転校してきた小学校には、
標準服がありました。
女の子はスカートです。
それまでほとんどスカートをはいていなかった娘は、
スカートでは鉄棒やサッカーなど、
運動がしにくいことに気がつきました。
そして、しだいに休み時間には、運動場に出るよりも、
教室でおしゃべりをして過ごすようになったようです。
学校で、混合名簿を採用するところも ずいぶん増えてきました。 子どもたちの小学校では、 途中から混合名簿になりました。 でも中学校で、また元に戻ってしまいました。 子どもたちはそうなってはじめて、 男女で分けられ、 男子が前ということに違和感を感じたそうです。 |
高校生になった息子が、
携帯電話を買いたいと言いました。
ホームページで機種を確かめ、
彼が選んだ色はパールピンクでした。
申し込みに行ったとき、
お店の人はほんとうにこれでいいのか、
何度も確かめました。
このような経験は、多かれ少なかれ、わたしたちは全員がしています。
家庭の中で、学校で、地域で、テレビや雑誌などを通して、
わたしたちはいろいろなことを教えられてきています。
そして、それぞれの性にふさわしい性格や行動などが
あるかのように思い込み、
自分自身もそれに沿うように努力をしますし、
まわりの人にもそれを期待するのです。
そのようにしてジェンダーは、これまで伝え続けられてきました。