冬の旬を味わう旅(12月28日〜31日)

12月28日(木)

 上野駅から東北本線で出発。午前6時半頃に上野駅に着き、立喰い蕎麦屋「更科」で「穴子天そば」を食べ朝食とする。食べ終わって、まだ少し物足りなかったので、売店で「穴子巻き寿司」を買い、あとで列車の中で食べる。7時頃に、同行者の代官が現われ、7:12上野発の列車に乗り込む。ロングシートの通勤列車で、あまり旅情は感じられない。冬型の天候で、太平洋側は澄みきった晴天。宇都宮8:54着。烏山線の列車に乗り継ぎ、宇都宮9:13発。たった2両のディーゼル車。しばらく東北本線上を走った後、宝積寺から烏山線に入る。単線のローカル列車は、刈田や畑の続く索漠とした風景の中を進んで行く。烏山10:02着。

  試飲した各種日本酒

 駅から歩いて、「東力士」の島崎酒造へ。酒蔵見学を申し込んだところ、女性の係員が蔵の入口で簡単な説明を行なっただけ。蔵人の姿は見えず、静まりかえっている。作業が行なわれている感じではなかった。試飲の部屋に戻り、今年のしぼりたて新酒を含め、数種類の酒を試飲する。どうも甘口のサンプルが多くて、これという印象的な酒はなかった。せっかく来たので、限定醸造の瓶囲い大吟醸一升瓶を1本購入して、自宅へ送る。
 酒蔵を後にして、昼食をとる場所を探したが、目ぼしい店も見つからず、駅前の安食堂へ入り、不本意ながら、360円のカレーそばを食べる。およそグルメ旅行とはほど遠いが、仕方がない。
 烏山11:41発の列車に乗り込む。宝積寺12:23着。東北本線に乗り継ぎ、宝積寺12:31発。黒磯13:10着、13:33発。しだいに雲行きが怪しくなってきて、白河付近からは、前日までの積雪も見られるようになった。郡山14:39着。磐越西線に乗り換え、14:48発の快速ばんだいに乗車。磐梯熱海を過ぎ、山中に入るにしたがって、本格的な雪模様となる。猪苗代15:31着。
 雪の降る中を、駅前の観光案内所へ。猪苗代地ビール・レストランの場所を尋ねる。バスかタクシーで行かねばならないとのこと。ちょうど5分後に駅前からバスが出ると言うので、バスターミナルへ。間もなくバスが来て、乗車。10分ほど乗って、野口記念館前で下車。国道を隔てて斜め向かい側に猪苗代地ビール館はあった。
 
猪苗代地ビール館と地ビール各種(左からピルスナー、ヴァイツェン、ラオホ、ゴールデンエンジェル)

 ドイツのビアホールを模したけっこう広い店内には、二組ほどの客がいるだけだった。広々としたガラス越しに雪景色を見ながら飲食できる場所に着席。天気がよければ正面に会津磐梯山も望めるようだが、雪の降りしきるこの日は雪雲に隠れ、その姿はまったく確認することができなかった。ピルスナー、ヴァイツェン、ラオホ、ゴールデンエンジェルの4種類すべてをグラスで1杯(各520円)づつ味わう。ピルスナーは麦芽の香り高く良質、ヴァイツェンもフルーティーでコクがあって旨い。苦手のスモークビール、ラオホは思ったより燻製の度合いがおとなしく、比較的飲みやすかった。ただ、ピルスナーモルトとカラムンチというモルトをブレンドしたゴールデンエンジェルは、妙にスパイシーな香りと苦味があってあまりおいしくなかった。料理は「ナスとトマトのバジルピザ」と「タコのカルパッチョ」を注文する。料理のメニューを見ると、この店の名物は福島牛の焼肉と各種韓国料理のようである。
 われわれが地ビール館を出る頃には、他の客は誰もいなくなっていた。すでに外は暗くなり、帰りのバスも終了していたので、タクシーで猪苗代の駅へ戻る。うまい具合に、地ビール館の前にタクシー営業所があってよかった。
 猪苗代17:22発の列車で、この日の宿泊地、会津若松へ向かう。会津若松17:55着。駅近くのビジネスホテル「アルファーワン」へチェック・イン。すぐに雪の舞う、夜の会津若松の街へ繰り出す。積雪で足元が滑り、歩きにくい。

  桐屋の会津頑固そば

 蕎麦処「桐屋」へ。店内に他の客は誰もいない。末廣酒造で造ってもらっている大吟醸酒「会津頑固」を、そば前酒としてゆっくり味わう。酒の肴は名物の「青ばた豆腐」。硬めのしっかりとした豆腐で、味わい深くおいしい。メインのソバは「飯豊権現そば」と「会津頑固そば」を食べくらべる。いずれも、それぞれの特徴が出ていて、甲乙つけ難いおいしいソバである。

 2軒目は、毎年通っている居酒屋「盃爛処」へ。マスターと一年ぶりの再会。搾る前のにごり酒やドブロクをごちそうになる。「国権・大吟醸生」、「京の華・純米大吟醸」、「飛露喜・特別純米生」など福島の酒と、「十四代・山田錦中取り大吟醸」、「十四代・龍月」などを味わう。「国権」は、吟醸香高く、コクがあって本当においしい酒だ。酒の肴は、「ナマコ酢」、「きざみとろろ」など軽いもの。マスターお薦めの「真ダラの生たらこ」もクリーミーな味わいで、吟醸酒にピッタリと合った。美酒を十分に堪能し、来年も来ることをマスターと約束して店を後にする。
 これで帰ればよかったのだが、さらに帰り道にある中華料理店「広東飯店」に立ち寄る。銀河高原ビールを飲みながら、ネギ付きのチャーシューをつまむ。その上、仕上げにラーメンを一杯食べてしまう。食べ過ぎ、飲み過ぎ状態で、ホテルへ戻る。

12月29日(金)

 午前6時半頃に、ホテルをチェック・アウトし、会津若松駅へ。駅の立喰い蕎麦屋で、「とろろそば」を食べ朝食とする。同行者の代官がなかなか現われないので、携帯へ電話してみると、「今、ホテルを出たところ」との答え。しばらく駅舎で待っていると、乗車予定の出発5分間に姿を現わす。急いで、会津若松6:55発、新潟行きの列車に乗車。

 ローカル線のディーゼル列車は夜明けの雪原を進んで行く。7時を過ぎて、日の出の陽光が射し、雪原がキラキラと輝いていた。喜多方を過ぎ、しだいに山間に入って行くと、車窓から眺める新雪の降り積もった雪景色が美しかった。しかし、朝が早かったので、睡魔に襲われ、度々眠ってしまう。いつのまにか新潟県内に入り、新津9:25着。
 新津は、天気もよく、積雪も少なかった。乗り継ぎ列車を待つ間、待合室や駅前商店街をブラブラする。久しぶりに降りた駅だが、あまり代わり映えがせず、特に目を引くものはなかった。
新津駅のキヨスク

 新津10:03発、途中から再び雪が降り出す。長岡10:55着。長岡も雪が降っている。長岡市内の蕎麦処「小嶋屋」で昼食とする。「へぎそば3人前」と「天盛り」を食べる。代官は、腹の調子が悪く、あまり食べられないというので、ほとんど私が一人で食べることになった。さすがに腹が膨れた。長岡12:03発の信越本線に乗る。雪が降り続き、ずっと車窓は雪景色だった。直江津13:28着がやや遅れる。去年まで工事中だった直江津駅も完成した様子。急いで、直江津13:33発の北陸本線の列車へ。糸魚川を過ぎると雪雲は切れ、天気がよくなる。列車は日本海沿岸を走るが、うねりはあるものの、冬の日本海とは思えないほど穏やかな海面。ヒスイ色に輝いているところもあった。富山15:23着。15:45発の列車に乗り換え、金沢には16:41に到着する。
 駅から歩いて、「金沢シティ・ホテル」へチェック・イン。午後5時過ぎにホテルを出て、武蔵が辻の近江町市場へ。今年も島田水産で、コウバコガニと甘エビを購入、自宅へ送る。香林坊の大和デパート地下で、和菓子を買ったりしてから、犀川大橋沿いの「寺喜屋」へ。
 ズワイガニと刺身盛り合わせ

 ブリ、スズキ、タラコ合えなどの刺身盛り合わせ、ズワイガニ、万寿貝、ブリ大根、ツブ貝煮など、金沢の旬の味を堪能し、石川の銘酒「萬歳楽・しぼりたて生」を飲む。タラの白子がなかったのは残念だったが、カニ、刺身とも新鮮で、とても満足。これだから、冬の金沢通いはやめられない。東京では絶対に体験できない味と値段である。
 2軒目は、おでん屋「よし坊」へ。カニ面、ロールキャベツ、牛すじなどのおでんをつまみながら、「常きげん・山廃純米吟醸」、「天狗舞・旨吟」、「手取川・大吟醸」などの日本酒を味わう。あまり混雑していなかったので、ゆったりとくつろぐことができた。
 その後、飲み屋街を少し散歩してからホテルへ戻る。帰りがけにコンビニに立ち寄り、銀河高原、エビス、モルツ・スーパープレミアムの缶ビール3種を買い、ホテルの部屋で飲みくらべた。
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