進行性の痴呆の経過観察中に未破裂動脈瘤が発見された73才女性
73才の女性Tさんは、痴呆症状が進行し精神科で治療中でした。
最近痴呆の進行が目立ち血管障害の有無を確認するためにCTスキャンの検査目的で私の病院に紹介されました。ところがCTスキャン上異常陰影を認め3D-CTにて精密検査しましたところ、前交通動脈に未破裂の動脈瘤を認めました。破裂すればくも膜下出血になりますので、通常なら未破裂で発見されて良かったと言うところですが、この患者さんは痴呆がひどく、社会的な適応がなく手術はしないことになりました。この動脈瘤が今後破裂するかどうかは分かりませんが、このようにせっかく発見されても社会的な適応がなく、くも膜下出血予防の手術を断念する例もあります。この患者さんの痴呆と動脈瘤は全く関係ありません。動脈瘤は偶然発見されたものです。痴呆はアルツハイマ−型痴呆と診断されました。